Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2013/2014シーズン前半戦、だいたいのまとめ

今シーズンのエールディヴィジ前半戦は例年以上の不安定さがキーワードに。トッパースが軒並み勝ち点を取りこぼし、サブトップトッパースや中堅クラブ、昇格勢が何度もサプライズを起こしたことで11節終了時点には18クラブが13pts差という歴史的大混戦のミッキー・マウス・リーグに。トップチームが主力流出を埋め合わせるだけの補強ができず、若いチームで不安定なパフォーマンスになったことが大きな要因だった。PECのような数年間同じチームを維持したクラブが素晴らしいフットボールを見せたものの、リーグ全体としてレベル低下の印象は拭えないが、シーズンが進むにつれて復調の気配もあり、後半戦に向けて期待はできる。

 

史上最低に近い勝ち点数だった首位に比べて、最下位は史上最多の勝ち点となり、レヒターライチェは歴史的な大混戦。NECや昇格組のカンブール、チーム転換期のヘラクレスRKCはともかく、ADOとローダの勝ち点は少なすぎるだろが、後半戦も大きな差は付かずに混戦が続いて緊張感のあるシーズンになるだろう。

 

 

1. Ajax 37pts 11勝4分け3敗 得点41失点17

例年ハードな日程の前半戦で苦しんでいたアヤックスがまさかのウィンターカンピューン。アルデルワイレルトエリクセンの移籍に苦しみつつも、ブリントが遂に本職の6番に収まり、フェルトマンがブレイクしたことでチームパフォーマンスが大きく上昇。やはり例のごとくスピッツとバイテンスペーラー不足に悩んでいるが、今シーズンも個々のクオリティとフットボール能力、層の厚さでは他チームを凌駕しており、例年の後半戦のパフォーマンス向上を考えれば残念ながら今シーズンもティートル・レースの本命と言える。

 

2. Vitesse 37pts 11勝4分け3敗 得点42失点24

ヨルダニア体制4年目にして遂にテオ・ボスという理想の監督を得たChelsea B。序盤こそ明らかにリアクション・フットボールからの転換にチームが苦しんでいたが、親元からのレンタル組らが加入した移籍市場後から波に乗ってクラブ史上最高の前半戦成績に。守備の脆さは依然解消されていないが、遂にブレイクしたヴェイノヴィッチ、ファン・ヒンケルの穴を見事に埋める成長を見せたプロッペル、リーグ・ベスト・プレイヤーの1人と呼べるほどの活躍を見せるピアゾンという、テオ・ヤンセンの長期離脱を完全に忘れさせるほどフットボールのできる中盤はどこが相手でもチャンスを作れるだけのクオリティがある。ヨルダニアが役職を辞し、今度も謎のロシア人の手にクラブが渡ったが、クラブ運営に大きな転換は無いだろう。相変わらずヘルレドームはガラガラでファンの支持も増してはいないが、後半戦ティートルを本気で争うなら冬の移籍市場で得点力のあるスピッツの獲得が必須だが、大きな移籍金は出せないはずであり、再び親元に頼るか。

 

3. FC Twente 34pts 9勝7分け2敗 得点41失点18

チーム転換期でやや苦戦するかと思われたが、蓋を開けてみれば数年ぶりにトゥエンテらしいフットボールができるチームに。ベンソンに落ち着きが生まれ、怪我から復帰したビエラントが見事な組み立て能力を見せているのが大きいが、エベシリオ、グチェーレス、エーガンの若く、走力とフットボール能力を備えた中盤が大ブレイク。この点はシュロイデルの手腕だろう。カスタイニョスが依然決定力不足に苦しんでいるが、ハードワークでは貢献しており、冬を前に遂にコンディションが戻って来た印象も。ジュピラー・リーグでの武者修行で成長したプロメスも十二分な働きを見せているが、タディッチをサイドか10番かの活かし方は未だ模索中。怪我人が続かなかったとしてもティートルを争うにはやや不安定な印象で、現実的にはEL枠が目標。

 

4. Feyenoord 33pts 10勝3分け5敗 得点36失点24

唯一トップチームでセレクションを維持し、大きなアドバンテージを持って迎えたはずのシーズンだったが誰の目にも期待を下回る結果に。低調なスタートでEL予選に敗退し、PEC-uit, トゥエンテ-thuis, アヤックス-uitで3連敗スタート。その後もNEC-uitとGAイーグルス-uitで引き分け、ヘラクレス-thuisでまさかの敗戦など、「本来なら圧倒的な差で首位に立てていたはず」の前半戦にあまりにも勝ち点を落としすぎた。それでもボエチウスの復帰、クラーシの復活、ムルデルの成長など好材料もあり今シーズンもPSV-tuisでは相手に全くフットボールをさせないハイプレッシャーで完勝。4pts差で望む後半戦、悲願のティートルを争えるクオリティがあるのは明らか。デ・カイプというアドバンテージがあるのは言うまでもなく、ボンズコーチの夢に破れたクーマンとの契約交渉で仮に延長しないことに決まった場合に選手たちへの影響がどちらの方向にでるか。だがまずは年明けのユトレヒト-uit, ベーカー・クラシケル-uit, ADO-uitというハードな再スタートで8月の失敗を繰り返さずにしっかり乗り切れるかどうかだろう。

 

5. sc ヘーレンフェーン 29pts 8勝5分け5敗 得点42失点32

苦しんだ昨シーズン前半戦から大きく勝ち点を伸ばすことに成功。フィンボガソンは決して期待通りではないが、それでも17ゴールでトップスコアラーを独走。しかしチームにとって最も大きいのはどう見ても21歳に見えない強さを見せるオティグバの成長と、「黄金の左足」で違いを作るツィエクのブレイク。特に前半戦まだパフォーマンスが安定しなかったツィエクだが、冬に向けて調子を上げて数試合で決定的な働きをして見せたため、シーズン序盤のようなフィンボガソンへの鋭いスルーパスが後半戦も何度も見られればトップチームにとっても脅威。PO枠はまず間違いないが、4位以内を狙うには失点が多すぎる。

 

6. FC フローニンゲン 27pts 7勝6分け5敗 得点36失点32

ファン・デ・ローイの就任によってフットボールができるチームになり、サポーターの支援を老けてユーロボルフでの強さも復活。特にシェリー、コスティッチ、キルムのトリオはスペースがある状況なら十分なクオリティがある。スーパータレント ジヴコヴィッチのブレイクもあったが、まだスタメンを任せられるほどでは無く、人材不足のスピッツを担っていたvdフェルデンも負傷。チームの変換でポジションを失っていたデ・レーウがウィンターストップ前のNEC戦で大爆発も、このチャンスを続けて活かせるか。

 

7. PSV 26pts 7勝5分け6敗 得点35失点25

チームを大きく入れ替えつつ上位争い継続を狙ったシーズン。序盤こそ若くフレッシュなチームが素晴らしいフットボールを見せてティートル本命を印象づけたが、100週年をホームで祝おうとしたカンブール-thuisでスコアレス・ドローに終わったのがケチの付け始め。アヤックスをホームで4-0と叩きのめすも、ワィナルドゥム、レキク、パルクと経験不足のセレクションを導くためのチームリーダーがいずれも長期離脱。結局リザーブ送りだったはずのトイヴォネンをトップチームに戻してスタメン起用するなど、フロント、テクニカル・スタッフも迷走の感は免れず、大きな低迷を経験。それでも似たような状態だった3年前のフェイエノールトほど悲観的な境遇ではもちろん無く、ウィンターストップ前は運もあってユトレヒト-uitとADO-thuisで連勝して年越し。序盤が出来過ぎだったとしてもフットボールのクオリティは十二分にあり、(おそらく)ようやくトイヴォネンが去り、ワィナルドゥムが復帰する後半戦、前戦の誰かが好調を維持できればさらに巻き返せる望みはある。ヘンドリクスがCBだけでなくコントローラーとしても見事な働きを見せているのも将来に向けて大きな好材料

 

8. AZ 24pts 7勝3分け8敗 得点29失点33

大きく入れ替わった新チームで勝ったり負けたりの序盤戦。第8節PSV-thuisで競り勝って波に乗るかと思われた翌日にまさかのフェルベーク解任、後にアドフォカートを迎えて5試合負け無しと勢いがあったが、結局4連敗でフェルベーク解任前の成績を下回っての年越し。マルテンスの完全復活、オルティスの遂にブレイク、マティアス・ヨハンソンの活躍など好材料が多いが、主力で通用する選手層が薄く、目標のEL枠は今シーズンは厳しいか。ただピッチ外ではカテゴリー3復帰という嬉しいニュースで、アドフォカートとの契約延長に成功すれば再び長期的視野でクラブを成長させられるはず。

 

9. FC ユトレヒト 24pts 7勝3分け8敗 得点26失点34

vdホールンとヴァイテンスの穴を埋められずにEL予選第2ラウンドでアマチュアチーム相手に敗退など失望のスタート。リーグ戦でもトゥエンテ-uitで6-0と打ちのめされるなど厳しいスタートだったが、予想以上に早くチームが出来上がったのはスーパータレント アユブのブレイクとデ・リデルの期待を上回る大活躍、そしてヴァウタースの手腕だろう。ただ昨シーズンの好成績の要因だった怪我人の少なさが嘘だったかのように今シーズンも多くの怪我人が出ており、契約最終年のムレンガもいつもの重傷ではないものの離脱中。選手層も薄いため、トールンストラを含むキープレイヤーの誰かを欠けば致命的に。

 

10. ゴー・アヘッド・イーグルス 23pts 6勝5分け7敗 得点29失点41

昇格1年目で期待通り攻撃的なフットボールを展開。特にアデラールスホルストではサブトップ相手にも勝ち点を取っており、残留へ向けて視界良好。vdリンデン、トゥルチ、ハウトコープらクオリティのある選手も揃っており、プロメスの穴もファルケンブルフが埋めて余りある活躍。低調な試合で大敗するケースが多く、失点がやや多いがこの調子で残留ラインに近づかなければ問題は無いだろう。

 

11. PEC ズヴォレ 22pts 5勝7分け6敗 得点25失点24

ヤンスのもとで昨シーズンのフットボールをさらに進化。特筆すべきはモコチョのパフォーマンスだろう。フェイエノールトでは遂に本格的なブレイクに達しなかったが、それだけのクオリティを備えていたことを見事に証明。シーズン序盤のベスト・プレイヤーだった。夏の市場で移籍したモクタールの穴埋めに苦しむも、トーマス、ヒヴァットら若手の成長も。結局9月以降は決め手に欠いてわずか1勝に終わったことで後半戦は残留が目標に。フットボール能力では中位でも抜きんでたチームだが、レヒターライチェの勝ち点差を見ればそれほど余裕は持てない。

 

12. NAC ブレダ 22pts 6勝4分け8敗 得点29失点32

財政危機により今シーズンも苦しい戦いが続いているが、ここぞという試合ではファイティング・スピリットを見せて重要な勝利を挙げ、予想を上回る勝ち点を獲得。ただレヒターライチェがこれだけの団子状態になったのが誤算だろう。違いを作れる唯一の選手であるベテラン ルールリングは今シーズンも元気な姿を見せており、プポンがもう少しゴールを量産できれば残留へ道が拓ける。

 

13. ヘラクレスアルメロ 22pts 6勝4分け8敗 得点25失点31

ボスが去ってデ・ヨンゲ体制1年目でチーム転換期ということもあり、スタイルに迷走感があるのはやむを得ないか。リーンストラの中盤起用、フリーだったチョマーの獲得などで目線を変えて立て直しつつあるが、アモアが期待を裏切り、ウートもまだ力を証明し切れていないなど得点力不足。リンセンとロシュヘウフェル、そしてタナーネのサイドプレイヤーの活躍に期待がかかるが、それ以前に不安定な守備が残留へ向けて大きな課題。

 

14. RKC ワールワイク 18pts 4勝6分け8敗 得点25失点34

DF陣総入れ替えなど転換期のチームに大きな力をもたらしたのは間違いなく心臓疾患から復活したスノ。エールディヴィジの中盤で最も力強く、走力とフットボール・ビジョンを持った選手であり、間違いなくキャリアのピークにある。大きな誤算はロンメダールの怪我が全く癒える気配が無く、カステレンも離脱したことでバイテンスペーラーがいなくなったこと。後半戦この点が解決されれば間違いなく残留はできるはず。

 

15. ローダJC ケルクラーデ 18pts 4勝6分け8敗 得点30失点41

夏の市場で補強に成功し、中位に戻れるだけのクオリティを揃えたはずが今シーズンも低迷。ニメトがフィジカル面でも成長し、プロッペルが違いを作ってはいるが、DF陣の組み立てとカーリを得た中盤があまりに雑なプレーでフットボールにならない試合が多い印象。爆発力は相変わらずあるものの、あまりに取りこぼしが多く、ブロートの解任もやむを得なかった。新監督にまさかのトマソンを任命したが、経験の無い若手監督が過酷な残留争いで指導力を見せられるかはかなり疑問の余地があり、失敗なら降格の二文字が現実味という危険な賭。

 

16. ADO デン・ハーグ 17pts 5勝2分け11敗 得点21失点40

今シーズンもアグレッシブなフットボールをしようとしているが、プレッシャーをかけて奪ったボールを繋ぐことができず。ホラの離脱と、シェリーの穴埋めに獲ったアルベルフが期待を裏切ったのが元凶か。ファン・ダイネンもまだ5ゴールと得点数少なすぎる。サポーターの支持も得られておらず、後半戦もかなり厳しい残留争いになるだろう。

 

17. SCカンブール・レーウヴァールデン 16pts 4勝4分け10敗 得点16失点26

昇格1年目でフレッシュかつアグレッシブなフットボールは見せているが、あまりに得点力が無い。7ゴールをあげているスピッツのヘメン以外にゴールを決められる選手がほとんどおらず、冬前から研究された他チームに楽々と防がれるシーンが続いている。ウィンターストップにやり方を変えるか、さらにクオリティを上げるかしなければ1年でのジュピラー・リーグ出戻りが濃厚。

 

18. N.E.C. 15pts 3勝6分け9敗 得点29失点49

近年の悪い流れを引き継いで初勝利まで11試合を要するなど厳しいシーズン。パストールが解任されてアントン・ヤンセンが引き継ぎ、ヤンチェルを初めとする夏の移籍市場ぎりぎりでの補強組が流れを修正しようとしているが、まだチーム内に確固たる自信が生まれておらず不安定な緒パフォーマンス。特にほとんど入れ替わりのないDF陣が低調だが、組み立てとカバーリングを修正できれば十分残留できるクオリティはある。