Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2013/2014シーズンまとめ

近年のリーグ全体の不安定さが極まった印象のシーズン。前半戦のPECの躍進や、PSVの急降下と急上昇、終盤のフィテッセの連敗など、それぞれ理由は異なるが、平均年齢がさらに下がり、トップ選手がほとんど消えた事でリーグのクオリティが下がったのは事実。ティートル争いも突出したベスト・チームは最後まで現れず、接近した順位争いの中で勝負所を逃し続けた各チームに対し、勝負所で結果を残したアヤックスが結局今シーズンもカンピューンスハップを制した。一方で史上最高の勝ち点での争いとなった残留争いも、RKCNEC、ローダが突出した脆さを見せ、ヘラクレスとNACもほとんど説得力が無くシーズンを終えた事で、PECとGAイーグルスの昇格組が揃ってあっさりと残留。入れ替え戦の結果を見ても、勢いのあるジュピラー・リーグのクラブに対して競り合えないほどエールディヴィジ下位クラブが脆くなっているのは大きな問題だろう。悲劇的なシーズンの中でも好印象を残したのは多くのタレントの台頭でサブトップに戻ったヘーレンフェーン、残留争いをしていたADOに組織力を戻したフレーサーの手腕、ヤンスのもとでさらにエンターテイメント性の高いフットボールを見せたPECなど。

 

’'’1. Ajax’’’ 20勝11分け3敗’'’71pts’’’ 得点69失点28

アルデルワイレルトエリクセンが去り、残った唯一のトップ選手 モイサンデルも怪我がちで恒例のシーズン終盤の強力な安定感も全く無かったものの、結局ライバルチームのgdgdとシェーネのフル稼働に助けられて4連覇。頑固なまでにチームとしてのコンビネーション・フットボールに拘りすぎる嫌いはあるが、デ・ブールの手腕は何よりも評価されるべきだろう。特に本来のポジションに戻ったブリントを中心に、セレーロ、クラーセンとの中盤が安定して組めていたウィンターストップ前後には説得力のあるプレーを見せ、結局ライバルたちの脱落で楽々とカンピューンスハップ争いを終わらせた。ただシーズン全体としては低調で、決してベストチームでは無かったアヤックスがカンピューンという結果が今シーズンのエールディヴィジの低調さを表していると言える。

相変わらず不動のスピッツがおらずに前戦は相変わらずローテーションを採用しており、デ・ブールの去就次第ではこの夏は大きな転換期となるが、CLでの経験と収入を独占し続けており、莫大な収入で各国からタレントを買い集めるなど長期的戦略では現在国内で圧倒的に余裕のある立場なのは間違いない。

 

’'’2. Feyenoord’’’ 20勝7分け7敗’'’67pts’’’ 得点76失点40

クーマン3年目の集大成として望んだが、今シーズンもあまりに多くの勝ち点を落として結局2位。セレクション維持という大きなアドバンテージをスタートダッシュで全く活かせなかったことは、現状アヤックスPSVに大きく差を付けられているクラブ財政を考えてもあまりに痛い。今シーズンもPSVに2勝した以外にトッパーでほとんど勝てなかったが、それ以前にPEC、ヘラクレスRKC、ADOに敗れ、NEC、NACと引き分けるなどあまりに不安定なシーズン。終盤こそクーマンが5-3-2システムとローテーション制の採用で7連勝で終えて2位を決めたが、本来なら圧倒的差を付けて悲願のカンピューンスハップを取れていたはずであり、2月を待たずにティートル争いが終わってしまった最大の要因がフェイエノールトにあったのは間違いない。

それでもこの3年間でクーマンの残した功績は大きく、ケチを付けられるものではないだろう。来シーズン指揮を取るルテンがどこまでやれるかは多くの主力選手が去るであろうこの夏の移籍市場でファン・ヘールの働きにかかっているが、WKの影響による主力不在で苦戦が予想される欧州戦の予選でまたしても敗れる事があればシーズン序盤からプレッシャーは大きくなる。最後にもう一度言うが、これだけのタレントが揃った世代でティートルを獲れなかったのはファルケノールトにとって大きな不幸だ。

 

’'’3. FC Twente’’’ 17勝12分け5敗’'’63pts’’’ 得点72失点37

怪我でシーズンを棒に振ったビエラントが完全復活し、エベシリオ、グチェーレス、エーガンの新しい3センターがブレイクした事で久々にトゥエンテらしいフットボールができるチームに。数々のチャンスを潰したカスタイニョスがもう少し決めていればティートルを争えただろうが、結局チーム全体の若さから不調での自信喪失で終盤はさらに調子を落とす悪循環という不安定なシーズンに。好調だった前半はフロールシュ・フェステにポジティブな雰囲気が戻ったものの、後半戦はまたしてもブーイングが飛び交う結果となった。カンピューン・チームの最後のメンバーであるボシュケルが引退、ブラマも移籍にオープンな上、アシスト王のタディッチも去ればさらに若いセレクションになるが、シュロイデルとミシェル・ヤンセンの二頭体制は機能しており、今のフットボールの方向性で進んでいけるはず。

 

’'’4. PSV’’’ 18勝5分け11敗’'’59pts’’’ 得点60失点45

失望の昨シーズンからセレクションを大きく若返らせ、監督にもコクーを迎えて新たなスタートを切った今シーズン。素晴らしいスタートダッシュから下位に沈み、ヒディンクをアドバイザーに迎えた後半戦は再び8連勝で上位に上がって終盤もgdgdながら最低目標だった欧州直接枠は獲得。クラブ規模からすれば満足はできないだろうが、パルク、スハールス、ジニ・ワィナルドゥムが怪我にくるんだ事で若すぎるセレクションになったことをを考えれば、決して悪くない結果だろう。特に長年問題だったポジションの右バックに迎えたアリアスは出だしこそ苦しんだが期待以上の活躍。1シーズンで国外のクラブから狙われる存在になったのも皮肉だが。タレント ヘンドリクスはチャンスを与えられた試合では素晴らしい活躍を見せ、デパイもリーグ屈指のアタッカーに成長。逆に大きく期待を裏切ったマヘルが2年目で本領発揮できるかどうか。GDにヘルブランツを迎えたことで、覇権奪回へ向けて長期的なプランを描くはずだが、この夏セレクションに変動があるようなら再び市場に打って出るはず。

 

’'’5. sc Heerenveen’’’ 16勝9分け9敗’'’57pts’’’ 得点72失点51

ファン・バステン2年目で昨シーズンを大きく上回る勝ち点を得た上、多くのタレントがブレイクするなど素晴らしいシーズンだったのは間違いない。ただし期待されていた自分たちで主導権を取るフットボールは見せられずに今シーズンもカウンター・フットボールでの得点がほとんど。さらにフィンボガソンがウィンターストップ前の怪我の後はフォームを戻せず大きく期待を下回ったが、その分ツィエク、バサチコグルらのタレントが躍動。欧州戦POはAZの4-4-2に対して全く為す術無く敗れたが、来シーズン監督に就任するローデウェーヘスにとっては仕事のし甲斐がある環境だろう。

 

’'’6. Vitesse’’’ 15勝10分け9敗’'’55pts’’’ 得点65失点49

ヨルダニアの念願だった攻撃的なフットボールをペーター・ボスに迎えて遂に実現。ウィンターストップ前のボールを持った時の見事なフットボールも、ボールを持っていない時の判断の悪さからくる失点の多さと不安定さも予想通りだったが、終わってみれば相変わらずピッチ外のドタバタ劇で後半戦はピッチ上も悲劇的なフットボールを見せ、結局またしてもクラブ・イメージをさらに下げただけのシーズンに。Chelseaのリザーブチームになり果てており、長期的視野は全く見えていないために、この夏政変後初めて迎えるの移籍市場での動きが注目されるが、FFPを考えれば今回も相当数のレンタル補強に頼る事になるのは変わらないだろう。

 

’'’7. FC Groningen’’’ 14勝9分け11敗’'’51pts’’’ 得点57失点53

ファン・デ・ローイの手腕はもっと評価されて良いだろう。監督就任1年目で一体感のあるチームを作り、結果も見事に残してポジティヴな雰囲気が戻ったユーロボルフはかつてのような難攻不落のイメージを取り戻した。ボテギンとカペルホフのCBデュオの安定感にハーテブールのブレイク、前戦でもスピッツ問題をvdフェルデンの9番起用や、終盤にはタレント ジヴコヴィッチをスタメンに選ぶ勇気ある判断で結果に繋げた。特にシーズン終盤のカテナチオ&カウンター戦術でリーグ戦からPOを10試合負け無しで圧倒的強さを見せて見事に欧州戦チケットを獲得。この戦術でのキーマンとなったコスティッチはかつてのタディッチを上回る圧倒的な存在感を見せ、この夏でステップアップは間違いない。

 

’'’8. AZ’’’ 13勝8分け13敗’'’47pts’’’ 得点54失点50

このセレクションで3つのコンペティションにおいて公式戦60試合近くを戦い抜いたのは大きな賞讃に値する。フェルベークの衝撃的解任からアドフォカートを迎え、スタメンをつかめていなかったオルティスをコントローラーに抜擢した事でフットボールのクオリティが向上、それがベルフハイスのブレイクにも繋がり、対戦相手に恵まれたとはいえELベスト8はケチの付けようがない偉業。アロン・ヨハンソンがもう少し納得のいくプレーを見せていれば再び欧州戦枠を得られただろうが・・・。

アドフォカートが去って、来シーズンからはファン・バステンが監督に就任。ヘーレンフェーン時代に揉めたハウウェレーウの起用法など以前に、未だ指導力に疑問の残るファン・バステンの選択が正しかったかどうかは来シーズンのエールディヴィジの大きな注目点。

 

’'’9. ADO Den Haag’’’ 12勝7分け15敗’'’43pts’’’ 得点45失点54

前半戦の低迷がスタイン一人の責任とは言えないものの、その後の結果を見ればフレーサーの手腕には大きな賞讃が送られて然るべきだろう。特に守備戦術を整え上位相手にも負けにくいチームにしたことが大きかった。得点面もアルベルフが本領を発揮してゴールを重ねた事で、終わってみればスタインのもとで12試合6勝5分け1敗で9位フィニッシュ。レーウヴィンが去るのは痛いが、すでに積極的に補強に動く姿勢も見せており、来シーズンへ向けて期待は大きい。

 

’'’10. FC Utrecht’’’ 11勝8分け15敗’'’41pts’’’ 得点46失点65

昨シーズンの好成績からCBデュオが去り、EL予選で悲劇的な敗退という失望から始まった今シーズン。序盤こそアユブのブレイクやスティーフ・デ・リデルの期待以上の活躍で予想以上に早くチームになった印象だったが、結局恒例の負傷離脱者の続出で苦しいシーズンに。特にラストシーズンと思われていたムレンガの不在が大きかったのは、彼が戻った終盤の数試合を見て改めて実感された。守護神ライテル、後半戦でチームの守備を支えたデルピエーレは移籍濃厚。クラブ財政が上向くまでまだ数シーズン辛抱が必要だろうが、それ以前に怪我人を少なくする体制を整えるべきだろう。

 

’'’11. PEC Zwolle’’’ 9勝13分け12敗’'’40pts’’’ 得点47失点49

ロン・ヤンスのもとで大きく躍進したシーズン。モコチョ、クリシらを中心に見事なフットボールを見せてシーズン序盤の大きなサプライズとなり、ベーカー戦でもドロー結果に恵まれながらフィナーレでサポーターによって自爆したアヤックスを楽々と一蹴してELチケットを獲得という歴史的成功を収めた。リーグ戦では結局11位に終わったが、作ったチャンスの数を見ればもっといい成績も収められただろう。

チームのフットボールの中心であるラチマン、モコチョに二人のスピッツもこの夏でクラブを去るが、すでに補強で数人を獲得など動きは早い。今年の成功を安定した中堅クラブという次の目標に進める足がかりとできるかどうか。

 

’'’12. SC Cambuur Leeuwarden’’’ 10勝9分け15敗’'’39pts’’’ 得点40失点50

昇格一年目で戦力的にも最下位有力候補と見られていたが、しっかりした組織力フットボールを見せて全く危なげなく残留。特にCBデュオでハイレベルなプレーを見せたレーウヴィンとファン・デル・ラーンの健闘が大きかった。物足りなかった得点力も後半戦はレンタル移籍のマヌがルコキと共にアクセントとなり、リッツマイエルと合わせてトラディツォネール・トップ・ドリーのトリオとして活躍。

ローデウェーヘスの手腕は見事であり、ヘーレンフェーンへのステップアップも当然だったが、サポーターの心情を考えれば発表のタイミングはもっと考えるべきだっただろう。しかし後任のヘンク・デ・ヨングもしっかりと結果を残して来シーズンへ期待を持たせる12位フィニッシュ。レンタル組とCBデュオの一人vdラーンは去るだろうが、大幅なセレクション入れ替えを避けられるか。

 

’'’13. Go Ahead Eagles’’’ 10勝8分け16敗’'’38pts’’’ 得点45失点69

デ・アデラールスホルストの熱狂的な雰囲気をバックにホームでは予想通りの強さを披露。攻撃的なフットボールに加えてカウンターも冴え渡り、トップクラブ相手にも勝ち点を取り、確かに下位クラブの低調さに助けられたとも言えるが、昇格1年目で見事に残留成功。前半やや不調だったアントニアも後半はフォームをつかみ、ハウトコープはトップレベルでも通用するのを証明した。中盤ではトゥルチが急成長してブレイクしただけでなく、レンタル加入のファルケンブルフがここまでのキャリアで最高のシーズン。ファン・デル・リンデンの組み立てとFKも大きな武器だった。ボーイも契約を延長し、GAイーグルスが今後選手を入れ替えながらも安定した中堅クラブとなっていけるかはエールディヴィジにとって大きな関心事だ。

 

’'’14. Heracles Almelo’’’ 10勝7分け17敗’'’37pts’’’ 得点45失点59

スコアラー不在に苦しんだのは予想通り。ウートは好印象を与えた時期もあったが、シーズンを通しては8ゴールと物足りない数字で、アモアも結局最後までフィットせず、11ゴールと実力を示したリンセンに助けられた。中盤はベテランのチョマーが味を見せ、ベル・ハサーニもスタメンに定着したが、ブルーンスがスタメンを失ったのは残念な結果。組み立て能力が低く、意図しているフットボールは見せられず。

 

 

NAC Breda 8勝11分け15敗35pts 得点43失点54

悲劇的なフットボールのシーズンだったと言えるが、それでも下3クラブの悲惨さに助けられて無事に残留。マティッチ、ペリツァらが多少インパクトを与えたが、チームとしてあまりに弱気なプレーが多く、テン・ラウウェラーウの奮戦が続いた印象。グデルィのもとで前進が見られず、クラブとして何らかの手を打たなければ遅かれ早かれ降格の憂き目を見る可能性は十分にある。

 

 

’'’16. RKC Waalwijk’’’ 7勝11分け16敗’'’32pts’’’ 得点44失点64

エールディヴィジ最低予算で戦い続けた3シーズンだったが、昇格1年目の驚きの7位から昨シーズンの14位、そして今シーズンも負のスパウラルから抜け出せずに16位からPOでジュピラー・リーグ3位のエクセルシオールに全く競り合えずに降格の遂に憂き目に。復活したスノやカステレンなど十分なセレクションだったはずだが、ヨアヒムが不調に陥り、ボグエル、リーデル、ダミアーノ・スヘットら代役も全く結果を残せず、得点力不足が深刻に。中盤ではボールが回るものの、相手ペナルティエリアにほとんど入れず、ロンメダールが怪我で全くプレーできずにシーズンを終えてしまったことも大きな要因だった。その結果守備面での競り合いの弱さだけが目立ち、そのためにチーム全体として前に出る勇気を失っていく悪循環から最後の最後まで抜け出せず、守備組織の構築能力に関しては間違いないエルヴィン・クーマンをしてももう打つ手がなかった印象。

5.5milまで伸びたクラブ予算は再び3milほどまで減るが、無茶な運営はしていないため長期的なダメージは無い。過去2回は残留から数シーズンで最昇格を果たしているが、今回も繰り返す事ができるかは新監督の人事にかかっている。

 

’'’17. N.E.C.’’’ 5勝15分け14敗’'’30pts’’’ 得点54失点82

昨シーズンからの悪い流れを引きずってしまったパストールを早々に切り、クラブ・イコンのアントン・ヤンセンにムードを変えさせようとしたのはまだ理解できる。しかし夏の移籍市場で慌てたように外国人選手を大量補強。活躍した選手もいたが、チームとしての一体感、安定感は最後まで見られず。フットボールをできている試合では多くのチャンスを作ったが、82失点という数字が明らかに示しているとおりDFのクオリティは非常に低く、結局入れ替え戦でスパルタに惨敗して20年ぶりにジュピラー・リーグへ。

10mil以上あったクラブ予算はこの1年の無茶で大きく減少。セレクション構成も大きく変わるはず。それでもジュピラー・リーグ・レベルでは圧倒的な規模を持つはずだが・・・

 

’'’18. Roda JC Kerkrade’’’ 7勝8分け19敗’'’29pts’’’ 得点44失点69

大幅なセレクション入れ替えで臨んだものの、17節を終えて18ptsの14位という結果でブロートを更迭、しかし経験の無いトマソンを監督に迎えた後半戦は15試合でわずか11ptsしか積み上げられず、史上最多勝ち点での争いとなった残留争いを生き残るにはフロントの判断が致命的だったのは明らかだろう。コンパクトな陣形からフッペルツを活かすという戦術もすぐに対応され、スピッツを固定できなかったのも痛かったが、シーズン終盤にドナルドが規律違反からセレクション追放になるなど、残留争いを生き延びるにはあまりにもクラブに一体感が失われてしまっていた。この降格は短期的なアクシデントではなく、ファン・ヘール後のヴィーラールト解任からレオン・フレミングス就任までのテクニカル面でのゴタゴタに代表されるような長期的なビジョンの欠如が要因であり、それはリンブルフ・フットボール全体に言えることだ。