年始めのオランダフットボール界最大のニュースは残念ながらかつての名フットボール選手の訃報となってしまった。大晦日前日に脳梗塞で倒れ、安否が心配されていたクーン･ムーライン氏が月曜深夜に病院で亡くなった。73歳。ロッテルダムは悲しみに包まれている。
クーン･ムーラインは1955年から1972年代にフェイエノールトで活躍した伝説的左ウィンガーで、5回のランズカンピューン、2回のKNVb-beker、そしてヨーロッパ･カップとヴェレルト･ベーカーを獲得。リーグ戦487試合、公式戦558試合は共にクラブ記録。「ミスター･フェイエノールト」、「クラブのイコン」、「フェイエノールトの歴史上最高の選手」として知られ、引退後も熱心に試合を観戦に訪れクラブの大使役を務めるなど献身的な働きをし、「クーンチェがいればデ･カイプの半分は埋まったようなもの」と言われるほど現在でもレギオンの中で最も人気のある存在だった。
De carrière van Coen Moulijn
Naam: Coen Moulijn
Geboren: 15-02-1937, Rotterdam
Clubs: Xerxes (1954-1955), Feyenoord (1955-1972).
Interlands: 38, 4 doelpunten.
Debuut Oranje: België - Nederland (0-1), 1956.
Erelijst: Feyenoord: Europa Cup landskampioenen (1970), Wereldbeker (1970), Kampioen 1961, 1962, 1965, 1969, 1971. KNVB-beker: 1965, 1969.
葬儀は土曜日に行われる。火曜夜からデ･カイプ前のクーンの銅像には数千人のサポーターが集まり祈りを捧げている。
水曜日に復活する伝統のジルフェーレン･バールは予定通り開催。試合前に1分間の黙祷が行われ、スパルタ、フェイエノールトの両チームとも喪章を付けてプレーする。フェイエノールトのサポータークラブは最初のホームゲームである1月22日のデ･フラーフスハップ戦でクーンチェへの追悼を行う。
フェイエノートのセレクションは金曜日にオマーンへのトレーニングキャンプに出発する予定だが、葬儀参加の希望が多いために出発延期も検討している。
Gerard Kerkum (元フェイエノールダー、元フェイエノールト会長)
「フェイエノールトはその誇りである人物を失った。史上最高の選手であり、イコンであり、素晴らしい人間だった。クーンには敵はいなかった。対戦相手も彼のことを尊敬していたほどだ」
Cor van der Gijp (フェイエノールト歴代トップスコアラー)
「私がクラブの歴代トップスコアラーなのはクーンのお陰と言って恥じることはない。人生で多くの左ウィンガーを見たが、クーンが最高だった。彼のクロスは工具で計ったように正確だったように正確だった。ピッチの外でも几帳面だったね」
Peter Houtman (元フェイエノールダー、デ･カイプのアナウンサー)
「とても悲しい。偉大なフットボ－ル選手であり、素晴らしい人物だった。大きなショックだ。ユーモアのある温かい雰囲気のある人だった。私は子供の頃か彼のフットボールを見ていたんだ。とても悲しい、悲しいよ」
「敢えて言わせてもらえば、ムーラインは純粋なフットボール選手としてはヨハン･クライフのレベルにあった。大きな違いはクライフはチーム全体をその手に握って試合全体を描いていたこと。クーンの偉大さは、その個人技にあったが、とても独特で誰も真似できなかった。クーンが亡くなったのは大きな損失だよ」
Joop Verschuren (フェイエノールト サポータークラブ代表)
「フェイエノールトだけでなくロッテルダム全体にとって今日は哀悼の日となった。本当に偉大な人物でフェイエノールトにおける存在感は今でも強かった。まったく予想していなかった。デ･カイプのショックは大きい」
ミシェル･ファン･プラーフ (前KNVB会長)
「フットボールに関しては規格外だった。9歳の時に初めてフェイエノールト－アヤックス戦を父と叔父に連れられて見に行ったのを覚えている。デ･カイプで初めてクーン･ムーラインの名前を聞いたんだ。父から『クーンをよく見ていろ』と言われたよ。『フェイエノールトは優秀な右ウィンガーを持っている。我々は苦しむだろう』とね。父の言葉は正しかった。我々はその午後７-3で負けたんだ」
マリオ･ベーン (フェイエノールト監督)
「クラブのみんなが幸せな新年を願っていたが、クーンを失うことになってしまった。残念だがこういう悲劇が起こるのも人生の内。何よりも大事なのはフェイエノールトが彼を忘れないこと。私はきっと忘れないだろう」
Ron Verkerk (PSVファンクラブ会長)
「クーンはオランダフットボールの一部だった。左ウィングの権威でありフェノメーンだった。我々はフェイエノールトの友人たちががこの大きな喪失から立ち直ってくれることを願っている。こういう偉大な選手がファミリーの一員だったことを誇りに思うべきだ」
ロビン･ファン･ペルシ (元フェイエノールダー)
「とても残念。僕と同じ左利きで、まさに今のメッシのような選手だった。人間的にも偉大な人だった。ありがとうクーンチェ、あなたが見せてくれた素晴らしいプレーの全てに感謝します。RIP」 (twitter)
ベルト･ファン･マルワイク (元フェイエノールト監督)
「私より上の世代ではピート･カイザーとクーン･ムーラインの二人がオランダの2大左ウィンガーだった。子供の頃は彼らの動きを嫌と言うほど真似しようとしたものだ。試合に関して言えば、イングランドとの代表戦でのゴールがすぐに思い浮かぶ。夜分彼がのキャリアで唯一右足で決めたゴールじゃないかな。
彼は私にとってお手本だった。本物のフェノメーンだったよ。現役時代は何度も後継者に近いと言われたものだ。後に私がフェイエノートの監督になってから知り合いになり、彼の人となりについてのエピソードをいくつも聞かされた」
「新年のレセプションに多くのフェイエノールダーとフェイエノールト関係者が集まったが、今日の午後はフェイエノールトのイコンが一人いない･･･。。今日は中止も考えたが、フェイエノールト･ファミリーとして団結するために今朝開催をクーンの家族と決めた。クーンはフェイエノールトの名士だったが、人間的にいつも謙虚だった。558試合出場というクラブ記録を作り、障害で5回のリーグタイトル、2回のKNVB-beker、ヨーロッパ･カップ、ヴェレルトベーカーを獲り、誰もが認める最高のフェイエノールダーだった。クーンは現役引退の後も熱心に試合を観戦していた。控え目だったが自分のクラブのために真の大使役をやってくれていた。我々は本当に、本当に悲しい」
Christiaan Ruesink (AD クーン追悼特別号編集者)
「クーンはそれだけの価値がある人物。クライフやファン･ハネヘムの方がフットボール選手として優れていたかもしれないが、フェイエノールダーにはクーンが誰よりも偉大な存在なんだ」
