ポル・ファン・ブーケル(41)とデニー・マッケリー(33)が”世界初演”を行う。二人のオランダ人主審はトップレベルでの公式戦(KNVB-beker)でのビデオ判定を初めて使用する。「もうオフラインテストではない。ついに『本物の』テストができるのは良いこと」とファン・ブーケル。
彼は今夜のアヤックス-ヴィレムII戦で”いつも通り”審判をするマッケリーとコントロール車からコンタクトを取る。明日のフェイエノールト-FCオス戦では二人は逆の立場に。「名誉というのは大げさな言葉だが、本当にボールが頃が始めたのが嬉しいのは確か」とマッケリー。
IFABがライブテスト実施にオランダを選んだのは偶然では無い。ハイス・デ・ヨングと共にKNVBは数年前からTV映像によって試合展開をよりフェアなものにするために強く先頭に立って呼びかけてきた。「2年前に我々は15人ほどのグループでVARを始める内部トレーニングを行ったんだ。システム全体の発展は興味深いものだったよ」とファン・ブーケル。
今は次のステップに移る時だとマッケリー。「我々はコントロール車から非常に多くの試合を見てきた。我々が見えなかったピッチ上の同僚を助けられたシーンや、主審のミスを修正できたシーンもかなり多く見てきた。必要な時にそれができなかったのは残念だったが、これでようやく本当にお互いに助け合える」
アシスタント陣や第4審判がヘッドセットを通して行っているのと同様のコミュニケーションが重要だとファン・ブーケル。 「大事なのはリスタートの『前』に明確に伝えること。プレーが再開されれば主審はもう戻せない。PKと思われる状況でボールがサイドラインを超えた場合を想像してみよう。私は『デニー、スローインをちょっと待て!映像を見る』と言わなければいけない。そしてPKだったらボールをスポットに置けば良い。違ったら?その時はデニーはスローインをさせられる」
この二人は、基本的には大勢の観客に知られること無く、試合展開に介入することになる。「我々が見るのはPKかどうか、レッドカードかどうか、そしてゴール前のシーンで得点が取り消されるべき状況があったかどうか。例えばオフサイドや、ボールがサイドラインや最終ラインを超えていたり、ファールがあったりなどの状況だ。これらは数秒以内で行える」とマッケリー。
注目すべき点は、ビデオ審判は白黒が付けられる状況にのみ介入するということ。「デニーがPKを与え、私が迷ったとしよう。その時にピッチ上の審判に決定権があるのは変わらない」と語るファン・ブーケルは判定への批判が残り続けることも理解している。「私にとって100%PKでも、国中から依然疑問視されることはあり得る。しかし究極的には議論がかなり減ることになると思う」
イタリア-フランスの練習試合でVARとして主審 ビヨルン・カイパースを手助けしたのは二人にとってポジティヴな経験だった。「いまは試合中に時に議論になることがあるし、選手たちからHTや試合後にTV映像をよく見ろと要求されることもある。イタリア-フランスではPKかどうか、レッドカードかもしおれないというような重大なシーンでも選手たちはかなり簡単に判定を受け入れてくれた」とファン・ブーケル。彼は今夜アレナのすぐそれで数多くのスクリーンの前に座る。
マッケリー:「しかし将来的にビデオ審判が実際にスタディオンにいるべきかどうかは疑問。ザイストにコントロール室を置くか、ヒルフェルスムに固定した場所を持つかして、全ての試合を1カ所から見れるようにする考えがすでに議論されている」。しかしファン・ブーケルもマッケリーも、できれば同僚たちの非の打ち所の無いパフォーマンスを望みつつ、密かに議論になるシーンを期待してもいる。「そういうシーンでも本当に介入できればテストとして最も価値がある」とマッケリー。
ファン・ブーケル:「ビデオ審判がピッチ上の全ての競り合いに3回4回と助言しなければいけないことではない。その一方でこれが試合展開をよりフェアなものにできるなら素晴らしいことだし、それは可能だ。私が助けられたらデニーにとって嬉しいことだし、フェイエノールト-FCオスではその逆も言える」