エリック・テン・ハフは世界最大のクラブの一つであるBayern Münchenで2年間を過ごした。しかし46歳のトゥッカースは昨夏にFC ユトレヒト行を選択。9ヶ月経って彼の指導の下、ユトレヒトは現在5位、デ・カイプでのベーカーフィナーレにも進んでいる。
2年でオランダに戻ってきた理由は?
「何よりもまず長時間の話し合いでFC ユトレヒトのポテンシャルを信じたから。ミュンヘン行きを決めたのは育成哲学を学ぶためだったが、結局はトップチームに向けての役割。それも私にとっては時間がかかり過ぎた。さらに自分が水の中の魚というだけでなく、オランダ人なのも感じたんだ。起きること全てによって、彼らが我々のフットボールについてもう大した敬意を払っていないと分かった。我々のエールディヴィジへの彼らの関心は0だ。それで我々のフットボールがどれだけの崩壊状況か分かるだろう」
あなたの目から見てどこが間違っている?
「ウィンガーでフットボールをするホーランセ・スホールに勤勉に拘り続けている点だ。全くの時代遅れ。国際舞台では素早い思考を持つ者、フィジカル・パワー、ドリブラーたちが違いを作っている。我々のユース育成はどこもかしこも全て同じ。4-2-3-1か4-1-4-1でフットボールをし、何のヴァリエーションも無い。流動性もダイナミズムも無く、静的だ。エールディヴィジではヘディングのできないDF、シュートを蹴れない攻撃的MFがあまりに多く見られる。これで育成が上手くいっているとは言えない」
解決策は?
「まず最初に、オランダが世界で成し遂げてきたこと、3回世界の2位になったことは伊達ではなく、とても凄いことだと言っておきたい。だがこれはクライフとミヘルスの規格外のクオリティもあったおかげ。我々が再び違いを作るためには、別のやり方をしなければいけない。大胆さと冒険心が我々オランダ人の生来の資質であり、それが価値を生み出せるはず。オランダの我々は『美しいフットボールをしたい』という願望から抜け出すのにあまりに長くかかっているが、勝つことをより中心に置かなければいけない。これが我々のカルチャーに無いんだ」
オランダ・フットボールを沈滞から引き上げるためにあなたがしていることは?
「いまドイツ・フットボールは余りものが出てきている。そうした国外のフットボールに関わる知識を学ばなければいけない。トレーニング面で我々が後手を踏んでいる。量を少なくすればする程より成果が出ると言われる傾向があるが、どういう論理だ?馬鹿げてる!ユトレヒトでは選手たちもトレーニングの変化に慣れが必要だった。何時間も使い、何度も中断し、戦術面で細かいチェックが入る。懐疑の目で見られたものだ。結果が出てくるようになってようやく支持を得られるようになっていった」
あなたは指導者として’ペプ’の名前で呼ばれてますが、どう思いますか?
「ああ、そういうふうにハッキリとしたラベル付けが必要な人たちがいるね。もちろん私はGuardiolaから多くを学んだ。彼はフェノメナール。彼のプレー・システムの磨き方、ダイナミックのフットボールのやり方は私もユトレヒトに持ち込もうとトライしている。しかしBayernでのピッチトレーニングのクオリティに匹敵することは無いだろう。あそこではトレーニングは常に100%だが、ここではまだそれに成功していない」