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VAR制度教材: 2つの誤審が重なると審判団は正しい判定を求める

2024年3月2日 FC東京 - サンフレッチェ広島

youtu.be

16m内で守備側による接触に対して主審はfaul playでは無いとpenaltyを与えず。
この場合 VARはpenaltyの可能性をチェックし、今回は「faul playでは無い」という最初の判定がclear errorなのを確信したため、penaltyが正当かどうかを攻撃局面に反則が無かったかで確認。そこで攻撃側にオフサイドの反則があったため、「penaltyかどうか」についてfoul playとオフサイドで2つの誤審があったというのが今回のケース。

 

この場合に審判団が取れる選択肢は2つ。
1. 最終的にpenaltyを与えないので、VARが介入せず最初の判定のままにする。
2. VARが介入し、2つの誤審を修正して正しい判定にする。

 

IFABがVARが加わった時の詳細なガイドラインとして発行しているVAR Handbookを公表しないために現状の詳細は不明だが、VAR導入最初期には1の選択肢も選ばれていた。しかしもう何年も国際的に1の選択肢は選ばれておらず、おそらく2の選択肢で統一されていると思われる。(実際のところ2つの誤審が重なるケースは1リーグで数年に1回あるかどうかなので判断材料に乏しく、そもそも介入が無い場合にはなぜ介入が無かったのかは外からは分からない)

 

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ちなみにJ LeagueではVAR導入初年度の2021年に得点機会阻止のRCに至る攻撃局面でのfoul playというケースが発生しているが、当時 審判員八木あかねが1.の選択肢をそもそも認識してないことをsocial mediaでコメントしており、少なくともJFAでは2の選択肢しかないと思われる。

 

 

今回は最終的にオフサイドの判定になったが、手順として最初に主審が「faul playでは無い」と判定しているため状況は「faul playでは無いかpenaltyか」になっており、この状況ではVARはオフサイドかどうかについて助言はできない。そのため、VARはまず主審を呼んでfaul playかどうかで映像を見せ、「明らかにfaul play」と判定を修正してもらう必要がある。その時点で状況は初めて「penaltyかオフサイドか」に変わるため、そこでVARがオフサイドの反則があったことを助言でき、最終的にオフサイドに修正される。

 

つまり映像を見た主審が「faul playでは無いという判定はclear errorでは無いので修正しない」と判断すれば、オフサイドの誤審は「penaltyに至る攻撃局面」では無いので当然修正されずに再開される。