この夏のオランイェの最大のクエスチョンはセントルムスピッツのポジションについてだ。南アフリカでのWKではテクニカルなロビン・ファン・ペルシが起用されたが、ゴールゲッターとして優秀なクラース・ヤン・フンテラールもいる。しかしファン・ハネヘムには迷いは無い。「フンテラールをスピッツで使うべき。ファン・ペルシはその後ろだ」
ではスナイデルは?
「彼は最近ほとんどプレーしていない。良いプレーをできるなら問題だがね。だが私だったらフンテラールの後ろにファン・ペルシを置くだろう。なぜかって?フンテラールはフットボール選手として成長途中だが、ゴールを決めることに関してはクオリティがある。ファン・ペルシは本質的にはゴールも決められる偽MFだ」
MFとしては究極であり、おそらくオランダ史上最高の一人であるファン・ハネヘム。彼はフットボールをするためには美しいパスのラインでピッチを分割することが重要だと信じている。MFとは彼にとって美しい仕事であり、フィニッシャーとが全く違った種類の仕事なのだ。
「彼らは我々のいる中盤には決して入ってこない。ボールがポストに当たってどこに跳ね返るか、どこにいればそれをシュートできるか彼らには正確に分かるんだ」
フンテラールの方がよりフィニッシャーだとファン・ハネヘム。
「以前は彼は周囲を見る目を持っていなかったが、今は良いパスも出せる。現在のフンテラールはスマートにボールを手放せる勇気を身につけた。それが出来るようになったのはここ数年。それ以前の彼にはそういう能力は決して無かった。何度かそういうのが上手くいって、『お、自分にはこんなこともできるじゃないか!』と思ったんだろう」
もしかしたらシャルケでチームメイトのスピッツ ラウールから学んだのでは?
「それはあり得る。非常に洗練された選手だからね」
ファン・ハネヘムは取材陣のノートを破り、ペンを走らせて2010年のオランイェを書き込んだ。スナイデル、ロッベン、カイト、そして最前線で孤立し、多くの批判を受けたロビン・ファン・ペルシ。ファン・ハネヘムはファン・ペルシには全く責任が無く、単純にあの状況では彼にはあれ以上やりようがなかっただけだったと説明する。左サイドのディルク・カイトは常に中へ入り、右サイドのアルイェン・ロッベンもドリブルで中へ切れ込もうとする。ファン・ペルシの背後にいたウェズレイ・スナイデルは、ボールを持つ度にゴールへ向かって可能な限り強いシュートを打とうとするだけで、ファン・ペルシにボールが回る事はなかった。
「ロビンはフンテラールとは違うタイプ。クラース・ヤンは待ち続けることができるが、ファン・ペルシにはそれができないんだ。ボールを触りたがる選手なんだよ。だから我慢できずにボールを追い続けてしまう。アーセナルではフィニッシャーとして素晴らしい活躍をするだろうが、それはチーム全体が彼のために働いているからだ」