アルイェン･ロッベンの賠償問題が引き起こした代表チームとクラブチームとの奇妙な親善時代は3-2で終了。新人組ではアダム･マヘルとイェトロ･ヴィレムスが素晴らしいプレーを見せ、出だし低調だったルシアーノ･ナルシンも立ち直ってゴールを決めた。
残り15分でピッチに入ったロッベンが数回ボールタッチする度に、スタンドのドイツ人から大ブーイング。この日のアリアンツ･アレーナの出来事が「主役」の将来に新しい問題を引き起こしたのは確かだろう。
国歌斉唱はなく、バイエルンを去る選手たちへのお別れセレモニーで始まったように、ベルト･ファン･マルワイクのEKへ向けての最初の試合は国際試合では無く、名付けようのない奇妙なモノだった。ボンズコーチはこの試合でロン･フラールと共にイェトロ･ヴィレムスとルシアーノ･ナルシンという二人の新人をテスト。当然その眼はこの二人組に注がれたが、ヨリス･マタイセンの隣に入ったフラールにとっても大切な試練であり、開始10分間静かに立っていたボンズコーチはフラールのプレーを修正、カバーリングの不足、中盤への動きの少なさを指摘した。
ナルシンは出だしナーヴァスで、サポートも得られず右サイドで孤立。一方ヴィレムスはThomas Müller相手に賞讃に値するプレーを見せた。守備は力強く、攻撃ではカイトとの連携を機能させ、1-1となるゴールはその左サイドから。カイトの見事なパスにクラース･ヤン･フンテラールが抜け出してJörg Buttを破った。その1分前にはToni Kroosが30mの距離からゴール上ギリギリを突くシュート、驚いたミシェル･フォルムはボールを弾くことができず、バウンドしたボールはそのままゴールイン(1-0)。
先制に湧いた観客だが5分で沈黙。1-1となったII分後にはラファエル･ファン･デル･ファールトの見事な縦パスに飛び出したナルシンがロブシュートでバイエルンのGKを破った。このゴールを追い風としたウィンガーは守備面でもハリド･ブラルーズを助け、Ivica Olic相手に数回賞讃すべきプレー。
しかし28分にブラルーズがMüllerからOlicへのパスを通させてしまい、見事なクロスをNils Petersenに頭で決められて2-2。フォルムにはノーチャンスだった。
フラールは力強い守備と組み立てでの不慣れさの繰り返し。ファン･デル･ファールト、ナイジェル･デ･ヨング、カイト、フンテラールがハードワークで中心となっていた。ウェズレイ･スナイデルはまだ不調を引きずっているように見えた。
HTにファン･マルワイクはヴィレムス、フォルム、フラール、ナルシンだけを残して総入れ替え。試合はもはや興味あるものではなく、オランダの攻撃に危険性はなくなった。
23人枠に自分の居場所をそのまま確定させられるプレー見せたのがアダム･マヘル。ケヴィン･ストロートマンと共に中盤のコントローラーとしてほとんど極上と言って良いプレー。77分にマヘルのボールロストから途中出場 Franck Ribéryに3-2にされかけたが、結局87分にオランダの組み立てのミスからリベリーのクロスをMario Gomezに決められてそれが最終スコアとなった。
Statistieken:
Bayern München – Nederland 3-2 (2-2)
17. Kroos 1-0. 18. Huntelaar 1-0. 21. Narsingh. 28. Petersen 2-2. 87. Gomes 3-2.
Toeschouwers: 23.000
Scheidrechter: Günter Perl (DUI).
Opstelling Oranje eerste helft: Vorm, Boulahrouz, Vlaar, Mathijsen, Willems; De Jong, Van der Vaart; Narsingh, Sneijder, Kuyt; Huntelaar.
Opstelling Oranje tweede helft: Vorm; Willems, Bouma, Vlaar, Anita; Strootman, Maher; Narsingh, Siem de Jong, Lens; Luuk de Jong.
http://www.onsoranje.nl/nieuws/artikel/12405/bayern-verslaat-oranje
ベルト･ファン･マルワイク
「観客にはウンザリしたし、ガッカリ。試合後アルイェンがカメラの前に立たなかったのは賢明だろう」
「やるべきことをもっとやらないといけなかった。不必要なチャンスを与えていた。前半の中盤が見せた内容は良いとは思わない。自分たちで試合を手放してしまった。そしてRibéryのクラッセで3-2と決められた」
「ゴール後のルシアーノのプレーは良かったと思う。アクションを起こす勇気があるだけでなく、リスクを冒しすぎずにシンプルなプレーもできる。まだ理想的というほどではないがね」
「ヴィレムスは落ち着きを失わず、それほどミスは無かった。マヘルは出だしは良かったが、その後少し落ちてしまった」
「ロンについては前半に前進守備について注意した。彼はもっとやらなければいけなかったが、不満ではないよ」
「選択はセンスの問題だが、アフェライは別格のクオリティがある。まず選ぶだろう」
マルク･ファン･ボメル
「観客のロッベンに対するブーイングはスキャンダラス。彼はマドリードでは誰も蹴りたがらなかったPKを決め、フィナーレでは外した。起こり得ること。彼はバイエルンのために多くの貢献をしてきたし、バイエルンはああいう選手がいることを喜ぶべき。これは恥ずかしい行為だと思う」
「彼は契約を延長したが、私だったらここでもうフットボールをしないことを考える」
「あの観客のリアクションはスキャンダラス。バイエルンの誰一人として彼を守っていないのはこの数日で明らか。アルイェンにとってはうんざりな夜だろう。僕だったらこの夏彼にインテルに行くね」
見るからに適当な背番号が示すとおり、やる気のない無駄な試合でした。中盤でのボールの競り合いがほとんど無い、どこからどう見ても正真正銘の「親善試合」。絶賛盛り上がり中の9番問題は特にどうという進展もなく、スナイデルがまだ調子悪そうというくらい。新戦力ではヴィレムス、ナルシン、マヘルがそれぞれアピール。まぁ中盤のポジション争いはかなり激しいので大変ですが、人がいない左バック、ヴィレムスは普通に23人枠入るでしょう。他にいないし。上手い事やってくれたら儲けモノ。ナルシンは言うまでもなく有能なウィンガーですが、ジョーカー役に入り込めるかどうか。マヘルはマドゥロあたりよりは使えると思いますが、23人に入ったらとてつもないサプライズ。
