先週土曜に行われたエールディヴィジ第16節 PSV-フィテッセ(2-6)のトッパーで前半途中にマイク・ハーフェナールがスタイン・スタールスに対して行った『殺人キック』(AD.nl)はこの数日オランダで最も大きな話題の一つだった。試合を裁いていたバス・ナイハイスはこの悪質なファールを見逃し、試合後にTV映像を見て「明らかなレッドカードだった。私の見落とし。KNVBが審議するだろう」とコメント。試合はその後、攻勢だったPSVに対してフィテッセが前半ロスタイムに先制。痛みを押してプレーしていたスハールスはHTを待たずに後退を余儀なくされ、後半にPSVが一時追いつくも、『本来いないはず』のハーフェナールが勝ち越しゴール。最後の10分間に崩壊したPSVは歴史的大敗を喫した。
試合後にハーフェナールは「あれはアクシデントだった。だからピッチでスハールスに謝罪した」と故意でなかったことを主張。映像を見たテオ・ボスは「ぎょっとした」とファールの深刻さに驚愕しつつ非常に特殊な表現でハーフェナールを弁護して別の驚きを与えた:「私はマイクをよく知っている。彼は正直な若者。彼は日本人であり、日本人はああいう事はしない。変な事を言っていると思われるだろうが、それが事実なんだ。マイクは日本人として手を差し伸べるし、マイクは日本人として物を見る。マイクは日本人なんだ。映像を見れば酷く思われるかもしれないが、私には一つだけ確実に分かる事がある。マイクは決して意図してああいうことをしたわけではない」
月曜にはAD.nlで毎週コラムを書いているヴィレム・ファン・ハネヘムがこのプレーを見逃したナイハイスに苦言。「彼には困ったもの。ハーフェナールがスハールスの足首を折ろうとしたのをはっきり見ていたはず。スキャンダラスなファールだとナイハイス以外の全員が分かっていた」
故意かどうかは不明だが、スハールスは腓骨下部のヒビで6週間の離脱に。度重なる怪我人に苦しんでいるPSVは代えの利かないキープレイヤーも失う事に。当然KNVBはこの危険なプレーについて調査を行い、火曜の昼過ぎに4試合の出場停止処分を求刑。オランダでは「"最低でも"4試合は出場停止にすべき」との声が大きかった事と、フィテッセ側もプレーの危険度を認めていたために処分を受け入れると思われたが、まさかの抗議を行い、衝撃を与えている。規律委員会での争議は木曜に行われる。
フィテッセは12月1日付けてヨナタン・ライスとの契約を解除しており、現在はハーフェナールがセレクション唯一のセントルムスピッツ。しかし15試合出場で5得点と決してチームにおいて決定的な存在ではない上、フィテッセは第21節のフェイエノールト-uitまで下位チームとの対戦が続くため、他の選手で十分代用できると思われる。そしてフィテッセはシーズン後半戦もティートル争いを続けるためにウィンターストップに再びChelseaからFWをレンタルするだろう。