我々はアムステルダムで本当の試合を期待していたし、そうなったのはフェイエノールトのおかげだ。私もあのチームは見て楽しめた。これは決して驚きでも何でもない。私は1年半前からフェイエノールトにこれだけのモノがあると言い続けてきたからね。確かに3人の良い選手を失ったが、それでもアヤックスを傷つけるだけのポテンシャルが十分あるセレクションだ。たとえアレナでもだよ。選手たちに自分たちのクオリティを信じさせなければならない。その点でロナルド・クーマンはロッテルダムでチームをかなり前進させている。
ジョルディ・クラーシが非常に重要な役割をすることになるという予感はあった。試合で彼と対面したクリスティアン・エリクセンは交代になり、クラーシはアヤックスが常にボスとしてプレーしたい中盤を支配した。それはエル・アマーディのプレーによるところもある。彼は真のブースターだった。
中盤の推進力によって、フェイエノールトはあらゆる所でプレッシャーをかけて相手に何も許さない、モダンなフットボールをしていた。クーマンの思惑通りだ。アヤックスの脆さも見ていて分かっただろう。こういうプレーコンセプトでオランダの全クラブはプレーしなければならない。
フェイエノールトのアプローチは前線に対して、考え、見て、動く、全ての事でかなりのスピードを求めている。もし毎週どんな相手にもこういうプレーができたら、レベルは上がっていきフットボールはも楽しくなる。現在バルセロナである世界最高のクラブのレベルにはまだほど遠いが、それでも当然そこへ行くのを夢見なければならない。美しいフットボールをする夢を見るんだ。
フェイエノールトがチャンスをモノにできなかった事だけが残念だよ。彼らは、4,5点は取れたし、1点では少なすぎる。アヤックスはケネス・フェルメールが連続失点を防いでくれてラッキーだったろう。
アヤックスがレッドカードを受けてやっと目を覚ましたのも奇妙だが、フェイエノールトが10人になったアヤックスの日和見主義に付き合ってしまったのはもっと奇妙だ。あの時間帯で彼らは勝利への視界を失ってしまった。そしてジェルソン・カブラルを下げてセク・シセを投入したのは私には理解できない。最終的にみんな1-1でOKという気持ちになってしまった。最後の1秒まで最大限の結果を目指し続けるという点で、まだステップを踏まなければならない。クラーシだけは試合後も怒っていたのは彼の表情を見て分かったよ。良いと思う。正しいメンタリティを備えている。
フェイエノールトが考えなければならないのはGK エルヴィン・ムルデルの成長だ。彼はナーバスになっている印象を受けた。何試合も続けて同じミスをしているのを見るし、彼は深いボールを速いボールに苦労しているようだ。視界に問題がある可能性もあるから、眼科医に診て貰う事を真剣に考えるべきだろう。私は至って真剣だし、責めているわけではない。本当にそう信じているんだ。
もう一つ考えなければならないのは、アヤックスとフェイエノールトの試合でアウエーチームのサポートが観戦を許されない事だ。これは本当に我々の社会の欠点だと思う。なるべく早く、この決定が覆されると良いんだが。フェイエノールダーのいないアレナでこんな素晴らしいクラシケルをやっても意味がない。私としては、次のデ・カイプにアヤクシートが来ても大歓迎だ。
(Willem van Hanegem)