この数日間行われていたエールディヴィジCVの総会の結果、リーグ改革案は採決さえ行われずに先送りと、3年連続でほとんど何の成果も得られずに終わった。
1年前の16クラブ案否決(http://mijnfeyenoord.hateblo.jp/entry/2017/05/18/140200)を受け、昨年11月にはエールディヴィジを再び欧州の順位表の高い位置に戻すため、'veranderagenda'の名の下に人工芝撤廃、TV放映権料再分配、エールディヴィジの縮小とカンピューンPO導入、ユース育成の保護などが改革対象のホット・トピックに挙げられていた。ECVはこれら主要改革案を扱う専門委員会として、FC フローニゲンのハンス・ナイラントを長とするワークグループを設立。大クラブ側の代表としてアヤックスのエドウィン・ファン・デル・サール、小クラブ側の代表としてPECのアドリアーン・フィッセル、そしてECVのヤコ・スワルトがメンバーとなり、各クラブとの合意を得られる総括的なプランの提示を図ろうとしていた。
しかし各トピックが雑多に絡んだ状況に対し、このワークグループがECVに有意義な解決策を提示することはできず。人工芝問題に関しては、「フットボールは芝の上でやるもの」と主張し、『正常な状態』に戻したい大中のクラブに対し、財政難から人工芝を選んでトレーニング施設を売却することで支出をカットしてきた小クラブは新たにトレーニング施設を作るための金銭的補償も求めるなど、議論は平行線を辿った。
ベルギーをモデルにしたリーグを16クラブに縮小してのカンピューンPO導入+最下位2クラブの自動降格案も、リーグ内の抵抗力とTV放映権などマーケティング面での収入アップを目的に提案されているが、投票で全クラブの5/6という高いハードルをクリアできる見込みは全く無く、未だ非現実的な提案という印象が強い。
リスクの大きくなる中小クラブが代償として求めているTV放映権料再分配については、トップクラブ側が「欧州戦収入の再分配」を代替案として提示しており、収入面の格差問題についてはこうした別の形で合意できる可能性がまだあるだろう。
ECVは失敗に終わったワークグループに代わり、こうした改革案についての意見をまとめるために専門家を集めた外部の独立した担当局の設置を望んでいると報じられており、早ければ年末の総会で再び何らかの提案と採決が行われることになるが、昨シーズンの3クラブ入れ替えにより、エスカレーター・クラブが参入したことで状況はさらに見通しが付きにくくなったと言えるだろう。