水曜夜に行われたKNVBベーカー戦ベスト16、注目されたアヤックス-AZのトッパーだったが、フットボールとは何の関係も無い悲劇的結末に終わってしまった。
AZがボールを回しながらもアヤックスがファーストチャンスを決めて1-0で迎えた30分過ぎ、一人のアヤックス・フーリガンがAZのGK エステバンに背後から跳び蹴り。怒ったエステバンが倒れた相手に2回蹴り返し、スタッフ、選手が止めに入って騒然とする中で主審ナイハイスが過剰防衛とエステバンへレッドカードを提示。
当然納得のいかないフェルベークは「選手の安全が保証されない」と選手、そしてスタッフ全員をピッチから引き上げさせ、10分ほどで試合中止が発表された。乱入した「ファン」は19歳男性、アルコールの影響があったとみられており、事件の後そく逮捕されている。
試合後の関係者コメント
デニー・ブリント 020TD
「悲劇的。狂ってる。AZの立場は『選手の安全がもう保証されない』とハッキリしている」
「レッドカードはルール通りで、主審ナイハイスもそれでレッドを出した。しかしAZ側の感情も分かる」
ディック・ヨル、CLでチェルシーのテリーが襲われたシーンの経験をもとに
「私はレッドを出さなかったよ。しかしナイハイスもルールに則ってやったこと。あとは規律委員会の判断だ」
アーネスト・スチュワルト AZTD
「選手たちはもう安全だと感じていなかった。我々は帰る」
「ピッチ上であってはならないこと。KNVBのコメントを待ちたい。選手たちが壊される」
フランク・デ・ブール
「どうリアクションすれば良いか分からない。エステバンの反応は彼の南米気質によるもの。AZがピッチを去った感情は理解できる」
「ナイハイスはルールに則ってやったと言っていた。とても残念に思う。我々は1-0でリードしていたし上手く言っていた。シーズン前半がこうして終わるのは悲しい。選手たちには『明日ヨング・アヤックス相手に後半をしよう』とジョークを言ったよ」
Jeroen Slop 020財政ディレクター
「彼が我々のデータにある人物かどうか調べている。おそらく試合中にアルコールを摂取していた。シーズンカードを持った事がないのは間違いない」
バルト・ファン・オーストフェーン
「主審バス・ナイハイスが自分のジャッジについて説明するだろう」
「いま選択肢は3つある。再試合、このまま続ける、現在のスコアで終わらせる。主審とオブザーバーの報告を待ってKNVBの規律委員会が判断する。クリスマス前に決まることを期待している」
バス・ナイハイス
「エステバンが繰り返し彼を蹴っているのが見えた。それから第4審判、副審たちと短く話し合い、ルールに則ってレッドカードを出した。興奮していたのは分かるが、ルールを変える事はできない。フェルベークがピッチを引き上げてもうやらないと決めたため、私は中止を決めるしかなかった」
「エステバンが自分を守ろうとしたのは分かる。しかし周りから見れば相手は地面に倒れていたし、彼は逃げることができたはず
Danny Hesp 選手協会VVCS会長
「レッドカードは取り消されるべき!VVCSは強く抗議する。すでにKNVBにメールを送った。明日電話でコンタクトを取る」
「どんな処分もあり得ない。アヤックスは選手の安全を保証しなければならない」
フェルベークは当然何のコメントも出さずにスタジアムを後にした。
試合自体がどうなるかは置いておき、問題点はまず「レッドカードが正当かどうか」だが、エステバンの反応が過剰かどうかは別としてディック・ヨルが言うようにレッドカードを出したナイハイスの判断自体はルールに則ったもので責められないだろう。
次に「AZが試合放棄になるかどうか」。実際にエステバンが襲われたことで選手が危険だと感じたことは疑いなく、それを守ろうとしたクラブ側には何の責任も無いと考えるのが理性的だが、KNVBの判断次第。
最後に「アヤックスの責任」。ピッチにフーリガンを侵入させ、選手を危険にさらした責任は非常に大きい。今後の複数の無観客試合はもちろん、今シーズンのベーカー戦からの排除まで進むかどうか。