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'Voetballer van het Jaar'テオ・ヤンセン、アヤックスへ

レギュラーシーズンが終わり夏の移籍市場で早くも動きを見せているオランダフットボール。最初の大型補強に成功したのはカンピューンチーム アヤックス。ライバルのトゥエンテから現在『エールディヴィジ最高の選手』 テオ・ヤンセンを移籍金300万ユーロで獲得。2年契約でサインした。

 

エゴを排除したトゥエンテにあってピッチ内外で独特のキャラクターと存在感を見せていたテオ・ヤンセン。喫煙、飲酒をまったく気にしないそのライフスタイルからセレクションの中で悪い意味でも浮いた存在なのは確かであり、冬の移籍市場でもヨープ・ムンステルマンとの不仲説からマクラーレンのいるヴォルフスブルクへの移籍が濃厚視されていた。

 

結局冬の移籍は実現されず、トゥエンテに残ったテオ・ヤンセンエールディヴィジ後半戦でも高いクオリティを見せたが、最後のアヤックスとの2冠をかけた連戦において、チームはベーカーフィナーレで完勝しながら翌週のエールディヴィジ最終節で完敗。テオ・ヤンセンは試合後すぐに「チームメイトに失望した。もうトゥエンテでプレーすることはない」と移籍を決断するコメントを残していた。

 

そこですぐさま手を挙げたのがタイトルを争ったアヤックスのフランク・デ・ブール。現在の若いセレクションにおいて、そのフットボール・スキルはもとより経験とファイティング・スピリットの価値を高く評価。アヤックスとのタイトルマッチを前に「今のアヤックスはフンみたいなプレーをしている」とメディア上を賑わせていたテオ・ヤンセンもCL出場の誘惑もあり、すぐさま飛びついて問題なくまとまった。

 

アヤックスにとってのミッシング・リング?

数年前AZからデミー・デ・ゼーウを獲得した際にも「これが最後のピースか」と期待されていたが、結局チームを完成させる決定的要素とはなれず。しかし今回のテオ・ヤンセンにかかる期待はそれを遙かに凌ぐものがあるだろう。体中に彫り込まれたタトゥー、過激なライフスタイルで批判も多いテオ・ヤンセンだが、ことフットボールに関しては闘志溢れるストリートファイターであり、正確無比の左足から繰り出されるパス、クロス、シュートといったフットボールスキルは、走力の欠如さえも含めてヴィレム・ファン・ハネヘムの生き写しと言われるほど。さらに若いチームに欠いている情熱、リーダーシップ、戦術眼を備え、ウェズレイスナイデル以降いなかったFKのスペシャリストでもある。

 

しかし反対意見も多い。今シーズン、ムニール・エル・ハムダウイと衝突し、全く活かせなかった「新米監督」のデ・ブールにこの強烈なキャラクターを上手くコントロールできるだろうか?本来中盤の「王様」であり、ピッチを走り回る走力もないテオ・ヤンセンアヤックスフットボールに似合う存在ではない。さらにそのスポーツマンらしからぬライフスタイルが若いセレクションで浮いた存在になるだけでなく、周囲に悪影響を与える可能性も0ではないだろう。また30歳目前のテオ・ヤンセンが今シーズンほどのパフォーマンスを今後どれだけ続けられるのかも疑問が残る。

 

テオ・ヤンセンの公式戦デビューは新シーズン スタートのヨハン・クライフ・スハール。ベーカーヴィナーのトゥエンテ、カンピューンチームのアヤックス共に来シーズンのセレクションはまだ未知数だが、テオ・ヤンセンの選択が正しかったどうか、まずそこで判断されるだろう。