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今シーズン ブレイクしたタレントたち

その特性から毎シーズン多くの若手が活躍を見せるエールディヴィジ。残り1試合となった今シ-ズン、ブレイクを果たしたタレントたちを主観と偏見で選んで紹介。

 

Spits

真っ先に挙げるべきはもちろんルク・カスタイニョスだろう。トマソン、シセの負傷とスモロフの期待はずれで、やむなく伝統あるクラブのスピッツの重責を背負う事になったが、結果この半年でフェイエノールト・ユースアカデミーが生んだこの逸材の才能を疑う者はもう誰もいなくなった。33試合出場(内スタメン28試合)で14得点はエールディヴィジのオランダ人トップスコアラー。スピードとチャンスに必ず顔を見せる嗅覚は天分のもの。オフサイドシーンも多いが、不調のチームの中で数少ないチャンスをモノにした彼の功績は大きい。残念ながらインテルへの移籍が決まり、来シーズンもデ・カイプで彼のプレーが見れるかどうかはレンタルの可能性にかかっている。

 

同様に大ブレイクを果たしたのはAZのコルバイン・シクトルソン。若くしてアイスランドのクラブからAZユースに移籍して3年。ヨナタス、ペッレと諸処の事情でスタメンスピッツが代わっていったAZだが、最終的にポジションをつかんで後半戦のエースとなったのは21歳のアイスランド代表だった。ゴール前だけでなく豊富な動きでチームの攻撃に絡みつつも、ボールを持てば自ら積極的にゴールを狙う、テクニックとスピードを兼ね備えた万能型。すでにエールディヴィジのトップクラスに近いスピッツであり、アヤックスと国外のクラブが関心を示している。AZとの契約は2012年までのため、O/21-EKで活躍すればこの夏の移籍は確実。

 

怪我に泣いたがPSVヨナタン・ライスの名も挙げておかなければならない。昨シーズンから大器ぶりは見せていたが、今シーズンは「本物」であることを証明。21歳のブラジル人が全くの期待はずれだったベルフに代わってポジションを得ると、PSVの攻撃力は比べものにならないほど向上。前半戦最後のローダJCで膝にとてつもない重傷を負うまで11試合出場(内スタメン10試合)で8ゴールと前半戦チームの快進撃に貢献。理由は違えどPSVは2年続けてライスの離脱でカンピューンスハップを失うことになったと言っても過言ではない。2度の手術を終えて現在リハビリ中。来シーズン中にプレーできるかどうか怪しい状況で、さらに復帰後も以前のようなプレーが出来るかも不安視されている。PSVは今シーズン限りの契約を延長するかどうか未だに決めていない。

 

そしてヘラクレスのサムエル・アルメンテーロス、20歳。昨シーズンのトップスコアラー ドストを失ったチームはプレットをスピッツにシーズンをスタートさせたが攻撃が機能しだしたのはこのスウェーデンスピッツがチームにフィットしだした冬場からだった。得点こそエバートン(15得点)とオーフェルトーム(12得点)のブラジル人コンビに対して31試合出場(内26試合スタメン)で7得点と遅れを取っているが、懐の深さと巧みなボールコントロールで周囲を活かし、大きなポテンシャルを感じさせている。

 

ブレイクには至らずとも、ここ数年若いオランダ人スピッツが減少傾向にあったエールディヴィジにおいて今シーズンは将来性のあるタレントがデビューしている。

まずユトレヒトのレオン・デ・コーヘル、19歳。ムレンガ、ファン・ヴォルフスヴィンケル、デムージュ、ブルワースが全て怪我&出場停止でやむなく12試合(内スタメン2試合)起用されたが、わずかなプレー機会の中でも、正確なトラップや力強いシュートで本格派スピッツの風格を披露。トゥエンテ相手に先制ゴール、ローダJC相手に同点ゴールと貴重なゴールを決めて期待に応え、クラブは2013年まで契約延長オプションを行使した。ルーク・デ・ヨングのフローテ・オランイェ行きでヨング・オランイェの代替招集されてデビューも果たしている。

次にNECのリック・テン・フォールデ、19歳。17歳にしてFCエメンでエールステディヴィジ18試合9ゴールを決めた逸材であり、NECに移った昨シーズンにはエールディヴィジにデビューして7試合に出場し初ゴールもマーク。今シーズンもフレミンクスという大きな壁の前になかなか出場機会を得られなかったがフルートの信頼は得て15試合出場と着実にプレー時間を増やした。フレミンクスが去り、監督がパストールに替わる来シーズンは大きな飛躍が期待される。

最後はフィテッセのマルコ・ファン・ヒンケル、18歳を挙げておこう。MF登録ながらスピッツを欠いたチームで優れたフットボーラーとして存在感を見せ、全くキャラクターが失われたクラブの中に於いて未だフィテッセ・ユースの価値をなんとか証明してくれた貴重なタレント。色々な意味で「通常」に戻ればMFとしてプレーできるだろうが、ジョルダニアとフェレールのもと混迷に陥るチームの中で、伸び悩んだプレッペルと対照的にしっかりと成長できたのは喜ばしいこと。

 

Buitenspeler

ベーレンスに続くウィンガーに悩んでいたヘーレンフェーンだが、今シーズンはオサマ・アサイディ(22)に続いてルシアーノ・ナルシン(20)も大ブレイク。トップ下もできるアサイディに対してナルシンは天然のウィンガー。特にナルシンが出場機会を増やした冬場以降共に調子を上げ、12月のトゥエンテ戦ではアサイディが3得点2アシスト1PK獲得と一人で6得点に絡む大爆発。共にアムステルダム出身で幼馴染みの二人はコンビネーションも抜群で、アサイディからナルシンへと渡るカウンターは威力抜群。

 

この数年FWの不作続きだったアヤックスは、デ・ブールの監督就任によってA1から数人がデビュー。ポジションをつかんだのは19歳のロレンゾ・エベシリオだった。右利きだが左足でも強いシュートが打て、プレーの幅も広いフットボーラー。

 

昨シーズンのA1ではエベシリオ以上存在だったのがフェイエノールトの20歳 ジェルソン・カブラル。第1節ユトレヒト戦でデビューすると11月のヘーレンフェーン戦でゴールをマーク。後半戦はアーセナルからレンタルされてきたリオ・ミヤチにスタメンを奪われたが、多彩なフェイントと左利きのFKなどフェイエノールトの将来を担うウィンガー。特に昨年9月のヨング・オランイェ、スペイン戦では圧倒的なパフォーマンスを見せて大きなインパクトを残した。クロスの精度アップが今後の課題。

 

今シーズン最も4-3-3での攻撃的フットボールを機能させたADOでは、クビクからポジションを奪うには至らなかったものの、チャールトン・フィチェント(20)が成長を見せ、ヨング・オランイェでも居場所を確保。クビクの抜ける来シーズンは間違いなく左サイドのスタメンをつかむだろう。

 

トゥエンテでは18歳の新鋭オラ・ジョンがデビューし3月のVVV戦では初ゴール。まだポジショニングに難があるなど、ルイスの負傷欠場で得たチャンスは活かせずセレクション内での居場所はハッキリとはつかめてないが、将来性は高い。

 

Middenvelder

まず一気にオランイェ候補にまでその名を挙げたADOのイェンス・トールンストラ。昨シーズンデビューしたMFは22歳になった今シーズン、ファン・デン・ブロムのもとでチームの攻撃的フットボールを支える文字通りの心臓として全試合スタメンでチーム最多の出場時間。いわゆるダイナモとしてローダJCのフォルメルにも劣らない高い評価を得ている。

 

PSVからはアフェライ、バッカルに続くモロッコ系MF ザカリア・ラビアト(代表はモロッコを選択)。すでに昨シーズン デビューしてエールディヴィジわずか6試合出場ながら2得点と片鱗を感じさせていたが、今シーズン終盤から右ウィングでポジションをつかんで4試合でスタメン出場。アフェライを思い起こさせるスピードとボールテクニックを兼ね備えており、2012年までの契約のためにすでに欧州のトップクラブから注目を集める逸材。

 

次にエクセルシオールのジョルディ・クラーシ、19歳。フェイエノールトのO/19でキャプテンも務めたタレントはこの1年レンタル先のエクセルシオールで大きく成長。169cmという小柄ながら競り合いにも負けないフィジカル強化を成し遂げ、本来のフットボール能力にも磨きがかかった。来シーズンはフェイエノールトで中盤のポジション争いに加わることは間違いない。

 

さらにフェイエノールトからは20歳の南アフリカン人 カモヘロ・モコチョ。第7節NEC戦でデビューして前半戦を中盤に13試合に出場。極度の不振に陥ったチームの中でほとんどボールを失わない正確なフットボール能力を見せ、ファン・ハネヘムからは「数年で世界のトップになれる」と高い評価を受けた。

 

最後にプチ・ブレイクとしてVVVのクイン・クライセン、20歳。 地元出身のMFは2008年のベーカー戦でトップチームにデビュー。今シーズンは6試合出場、スタメン3試合とトップチームに定着しつつあり、正確なパスでの組み立て能力はVVVの中盤で異彩を放っている。

 

Verdediger

エクセルシオールではフェイエノールト・ユース組の左バックのミケル・ネロム、20歳とCB カイ・ラムスタイン、21歳。デビュー2年目のネロムは近年のエールディヴィジ全体で不作の左バックでシーズンを通してスタメンでチーム最多出場時間。ラムスタインは今シーズン デビューして24試合に出場。パストールから高い評価を受けた。レンタル組のネロムはこの夏フェイエノールトに戻ることが濃厚。エクセルシオールでの契約が残り1年のラムスタインはNECに移るパストールから誘いを受けている。

 

最終ラインのフットボール能力にシーズンを通して悩んだヘーレンフェーンだが、終盤にCB ジェフリー・ハウヴェレーウがデビューしたことでようやく問題が解決した。19歳ながら落ち着きのあるプレーを見せ、ブロイエルをヨン・ア・ピンが負傷中の左バックに追いやっている。

 

ユトレヒトからはイスモ・フォルステルマンス、22歳がデビューして10試合に出場。怪我人が続出したチームでチャンスをつかみ、欧州戦デビューも果たすと、その後もエールディヴィジで定期的に出場機会を得て2年間の契約延長。

 

トゥエンテではユースから左バックのティロ・ロイヘルス、が19歳でデビュー。ティエンダッリ、カイペルスの負傷で選手のいなくなったシーズン序盤、CLとエールディヴィジのビッグマッチで冷静なボールコントロールを見せてインパクトを残した。ウィンターストップ以降はオニエヴとバイセのの影に隠れて存在感を消している。

 

エマヌエルソンが抜けて、ブリントも期待に応えられなかったアヤックスの左バックは、アニタの負傷の隙を突いてO/19からニコライ・ボイレセン、19歳がデビュー。初出場のヘラクレス戦では怖れ知らずのプレーでいきなりマン・オブ・ザ・マッチの活躍。一気にポジションをつかんでいる。今週末からは2冠を賭けてブライアン・ルイスとのマッチアップに挑むことになる。

 

Doelman

まずカンピューン・チーム トゥエンテで正GKをつかんだニコライ・ミハイロフ、22歳。プロフットボールで8シーズン目ながら、昨シーズンまでリーグ戦わずか18試合ということを考慮。経験が求められるGKというポジションではブレイク組に入れても良いだろう。不動の正GK ボシュケルがWK明けで調整が遅れた隙にポジションをつかみ、それに相応しい活躍をCLでも披露。

 

まれに見るオランダ人GKの当たり年だった若手では何と言ってもNECのヤスペル・シレセン、22歳。正GK バボシュの負傷によってつかんだチャンスをものの見事につかみ、時にミスを冒しながらも全体的には素晴らしいパフォーマンスでボンズコーチ ファン・マルワイクからも注目を浴びて一躍将来のオランイェの正GK候補とまで言われるまでに。

 

フィテッセでは21歳のエロイ・ロームがデビュー3シーズン目でフェルトハイゼンに代わる正GKとなって全試合フル出場。まだまだ未成熟な印象を残しつつも、クラブからは信頼を受けており2015年までの契約をつかんだ。

 

他に名前だけ挙げておくとフェイエノールトではエルヴィン・ムルデル(22)がついに正GKに定着。ヘンク・ティメル以降1番の不在だったチームにとって希望の光となっている。

デ・フラーフスハップではボーイ・ワーテルマン(27)が再ブレイク。近年の不振を乗り越え、ヨング・オランイェ正GK時代のレベルもすでに超えていると言って言える。