この冬の移籍市場ではKNVBの管理化で93選手がクラブを移り、昨年度よりも8%移籍件数が減少するこの5年間で最も静かな冬に。93件中21選手が国外に出て、32選手が国内に入り、40選手が国内でクラブを変えた。最終日に移籍したのは32選手。レンタル件数は25選手。
昨冬はKNVBのもとで101選手が移籍しており、最も慌ただしかったのが130選手が移籍した2011年の冬で、特に49選手が最終日に移籍した。
ADO Den Haag
期待に応えられなかったケンジ・ホレをレンタルバックし、出番のないカスタネールをアイントホーフェンへレンタル。アルベルフの去就が注目されたが結局動きは無く、最終日は逆にトゥエンテにレンタルバックを断られたカイル・エベシリオを受け入れて終了。ワングの振り込み遅れで補強予算も無かったなかで棚ボタのチャンスを活かした形に。今シーズンは中位維持が現実的目標で運が良ければPO枠も、というところだがまずはお金の問題解決が最優先事項。
例のごとく余剰戦力の整理整頓に努め、探し続けたスピッツ獲得もいつもどおり何も起こらず。フェルトマテをフローニゲンから引き抜いたのが最大の補強で、最終日のハイティンハの即引退が一番大きなニュースと、むしろデ・ブールの後任が話題に。
AZ
ハウウェレーウがドイツに去り、エル・ハムダウィの電撃移籍があったものの、スタイン・ヴァイテンスがフラールの相棒としてあっという間に君臨。チーム全体が良い状況なため、特に無理もせず。今の勢いを保てればサブトップごぼう抜きで上位進出も十分可能。
SC Cambuur
オフベチェがよりによってヴィレムIIに移籍したショックが大きく、フルートとケヴィン・ファン・フェーンをレンタルして代役に。守備面もラチマンとヒアリエイの二人をレンタルで落ち着きを狙うが、残留はとにもかくにもファン・フェーンが期待に応えられるか次第。
Excelsior
ファン・ヴェールトに関心が集まったためかフリーのヘメンを抑えたが、雪崩現象が起きなかったために何も起きず静かな冬。現有戦力で残留を目指す。
Feyenoord
この数年の買い物が軒並み期待を裏切っていることでファン・ヘールへの批判が高まっている状況の中、出番のないインマルスがレンタルでイングランド挑戦。さらに問題児と化したカジム・リチャーズをCelticが買い取ってくれたのは嬉しい喜び。新加入はハーンの長期離脱を受けてフリーのパル・ハンソンを抑え、将来も見込んでトゥエンテからターピアを買い取り。エクストラ・スピッツを得る棚ボタのチャンスも無く、5連敗中でとにもかくにもクラブ内の雰囲気改善が急務だが、フッデが控え選手に不満が高まっていると余計なコメントを出してサポーターの怒りを煽るいつものパターンに。
De Graafschap
ダントツ最下位からようやくカンブールの尻尾に手が届き、得点力のあるスピッツを求めたが叶わず。中盤にユトレヒトからディーマルスを迎えただけで後半戦奇跡の残留を目指す。
FC Groningen
出番の無くなったヒアリエイをレンタルし、コントローラー起用で迷走していたカペルホフがVSへ移籍。新加入のソルロートに大きな期待がかかるが、適応にまだ時間がかかりそうな雰囲気。ファン・デ・ローイが今シーズンでの退任を決めた中、巻き返しはまだまだフーセンと残留したデ・レーウ次第か。
sc Heerenveen
余剰戦力のヨルディ・バイスとカダが移籍。新加入 スウェーデンのMessiことザネリが即スタメンに定着しダービーで決勝ゴールを挙げるなど、今後さらに連携が取れてくれば大ブレイクの可能性も。フォッペが不安定なチームに勢いを与えられればPO枠に手が届くはず。
Heracles
夢のような大躍進からタナーネが移籍。カダを代役候補に迎えたが未知数で、ダリがどれだけ成長できるかが大きなポイントに。守備陣が年明け健闘を見せているのは好材料で、なんとかこのままPO圏内で終わりたいところ。
N.E.C.
ファン・アイデンがDinamo Moskouにサプライズ移籍で代役にジュミッチをレンタルで獲得。その後ファン・アイデンがメディカル・チェックに引っかかったことで宙に浮いているが、ロシアの移籍市場が閉まるまで様子見に。負傷者続出で探し続けたGKにブラッド・ジョーンスと実力者をフリーで得られたのは大きく、リンボンベも30万ユーロのサントスも全く動き無く残留で昇格チームの歴史的快進撃は続く。
PEC Zwolle
セインズブリーがシナの豪華オファーに釣られたが、トーマス・ラムは残留で契約延長。新戦力を得る資金も無く静かな冬。
出番の無いフルートをレンタルに出し、ペルーのタレントベト・ダ・シルヴァを将来に向けて獲得。これ以上の動きは無いと思われたが、グアルダードがハムストリングを痛めたことで最終日にブランツ念願のファン・ヒンケルのレンタルに成功。スハールスもマヘルも過大な信用はせずに現実的に戦える戦力を整えるらしい手腕で連覇に向けて万全過ぎる体制に。
Roda JC
残留に向けて過激な冬。DFラインにヨルディ・バイス、ミレチを、中盤にジュコフ、グヨン、インチマンを、前線にはプポン、ペーターソン、そして最終日にファン・ダイネンを迎えて実に8人の即戦力を補強して完全な別チームに。すでにピッチ上でもインチマンやペーターソンが目立った活躍を見せており年明け4試合で7ptsを獲得。残留へ向けて好発進しただけだなく、ベーカーのチャンスも虎視眈々と狙うか。
FC Twente
危機的な財政状況からエンスヘデ市の支援を受けて安堵した中で迎えた冬。ターピアが去ったものの、結局関心多数で真剣なオファー皆無に終わったツィエクの残留がこの冬最大の補強。懸案のスピッツには期待外れだったオライタンをレンタルして代わりにレンタルしたエル・アズージがまずます期待に応えており、さらに最終日にエクストラ・スピッツとしてオスカル・ザワダをレンタル。年明けホームで2勝、グチェーレスの復活など確実に流れは変わっており、勝ち点剥奪のペナルティを回避できれば戦力的に残留は濃厚か。
FC Utrecht
出番のないディーマルスとペーターソンをレンタル。ハレルに大きな関心が集まるもやはり真剣なオファーは届かず残留に。ライテル、ファン・デル・マーレルへのオファーも断り、クライベルの離脱を受けてリジョンをレンタル。テン・ハフの改革でクラブの意識変革がピッチ上にも現れつつあるのは前半戦の内容からも間違いない。この2試合でローダ、トゥエンテに競り負けて攻撃陣にやや陰りがあるが、移籍市場を終えてハレルが集中力を取り戻し、ボイマンスのコンディションが上がってくればそう問題はないはず。
Vitesse
ペーター・ボスの電撃退任が最大のニュースに。念願の左バックのスペシャリストとしてオータを獲得し、アシェンテを売却。さらに出番の無いのダウダをレンタルに出して静かに終了。
Willem II
コントローラーとして絶対的存在だったスタイン・ヴァイテンスが抜けたのが大きく、代役になる選手も得られず。それよりも懸案のスピッツ獲得に動き、オフベチェを買い取った上にAnderlechtからアンディ・カワヤをレンタル。あとはジヴコヴィッチを返してフッペルツをレンタルにアシェンテを獲得。オフベチェが周りとの連携が取れてくれば残留争いは問題無いが。