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Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2017年冬の移籍市場だいたいのまとめ

この冬のKNVB管理下でのオランダ・プロクラブの移籍件数は151件。昨年の93件、一作年の101件をとこの数年の減少傾向から一転、2009年の142件を抜き、昨夏の移籍市場に続いて史上最多記録に。

 

オランダから国外に出たのは58件、国外に出たのは60件、国内の移籍は33件。レンタル移籍した選手は53人。移籍市場最終日の移籍は59件。

 

ADO Den Haag

半年前の移籍市場とは全く違う状況、結果に。ワング裁判に事実上勝訴し、ようやく送金が来たことで財政破綻は逃れたが補強資金は得られず。換金できる選手もハーフェナールが不在、カスタネールの移籍も週間前の目の怪我でおシャカ。結局サン・ロマンを母国に売却、出場機会の見込めないマレンゴとデニスvdハイデンをレンタルし、補強はフリーのギオン・フェルナンデスとドニー・ホルテル、レンタルでヴォルタースとエル・カヤティを獲得しただけ。ハーフェナールの復帰までまだ1ヵ月近くかかりそうな中で、フェルナンデスを得られたのは大きいが、そのフェルナンデスもプレーできるまではまだ2週間ほどかかるというコンディション。チーム全体が崩壊状態の現状を考えれば、これで残留に向けてポジティヴな雰囲気が戻ったとはとても言えない。プレー内容を見れば完全に自信を失っており、今後も連敗が続く怖れが。

 

Ajax

ボスのチーム作りが予想以上にスムーズに進んだ一方で出場時間を失ったバズール、エル・ガージ、グデルィをそれぞれ高額で売却とこの冬も移籍金収入を増やし、ダイクスをレンタル、クルルをレンタルバック。補強は19歳のブラジル人バイテンスペーラー David Neresに国外からの獲得選手ではオランダ史上最高額12mil+αを豪快に支払って獲得。最大15milまで伸びればスレイマニ以来の国内最高額に。

 

AZ

今シーズンもサブトップの中でベスト・オブ・レストを争っており、大きな動きは必要無いという状況で契約残り半年のミューレンを売却。ステップアップ間近のマティアス・ヨハンソンの後任としてノルウェーのヨナス・スフェンソンという実力者をいち早く獲得できた幸運は大きい。さらに最大の穴だったGKの戦力増強にクルルをレンタル。以前のレベルに戻れるなら大きなプラスだが・・・ いずれにせよ欧州戦PO入りを逃す怖れはまず無し。

 

Excelsior

3年連続残留成功の奇跡に向けてやはり楽では無い戦いの中、GKにハーン、CBにデ・ヴァイスをそれぞれレンタルで獲得。守備面を強化した一方、ファン・ダイネンが期待に応えられない攻撃陣の得点力の問題はハッセルバインクらの奮起に掛ける。

 

Feyenoord

主力が好調で国外からのプレッシャーも無いコップローパーにとっては昨夏以上に静かな冬に。長期離脱明けのハーンと若手のハマウティをレンタルに出しただけで、トップチームの戦力は出場機会があると思えないヴェイノヴィッチのレンタルオファーも断る堅固ぶりでコールシンゲルを目指すことだけに全力を尽くす姿勢。エル・ハンクーリやハメルといった試合で成長させたい若手をレンタルに出せなかったのが長期的に辛いところだが、エル・アマーディも無事に戻ってカンピューンスハップの見通しは明るい。

 

Go Ahead Eagles

明らかな戦力不足で妥当なヘッケンスライター。補強はクラウリー、マヌ、チリヴェラ、マレンゴをレンタルで獲得したが、マレンゴ以外はいずれも1月に速効性はもたらすことができず。特に前線でボールをキープできる選手がいないことで、後半戦もかなり厳しい戦いになるのは間違いない。

 

FC Groningen

ファーベルが予想通り保守的ながら堅実なチームを作っており、補強のチャンスも無かったことで放出のみに。ルスナクとハーテブールを売却フーセンをレンタルに出し、Juventusから来ていたポゼンボンは何の数字も残さずに返却。特に最終日に売れたハーテブールの後任は現有戦力で埋めることになり、順当に行けばすでに代役をこなした経験のあるペインになるはず。欧州戦PO圏内のサブトップ勢とは5pts離されているが、後半戦も保守的な戦術を採るならファン・ヴェールトやセルロートがある程度の結果を出すことが必要であり、彼らにチャンスを与えるリンセンやマヒーらの活躍が重要。

 

SC Heerenveen

バランスの良い陣容が出来上がったことで前半戦4位と予想以上の成績。サム・ラーソンら主力の流出も無く、欧州戦PO進出へ何の問題も無い状況でさらにReal MadridのMF エーデガールト、AnderlechtのCB Wout Faesをレンタルで獲得と例外的チャンスを活かし、必要性がよく分からない積極的な動き。出場機会の無いテルンが移籍できずに残った上にスウェーデンのMF イヴァン・ラコを獲得するなど、長期的な補強も。怪我のスハールスの穴埋めに依然苦しんでいるが、フェールマンと共に復帰すれば欧州戦POチケットの有力候補。

 

Heracles Almelo

“夢のシーズン”から一転して再び現実的なシーズン。16位とは4pts差と、まだ危機感というほどでは無いが油断もできない状況でもいつも通りクラブポリシーをしっかり守ってほとんど動かず。ファン・ミーヘムをレンタルに出し、ダリが怪我がちなサイドの補強にユトレヒトからペーターソンを獲得。ドゥアルテが期待に応えられていないが、先週末代役を務めたファン・オーイェンが好印象を残したことでポジションを奪えるか。

 

NEC

積極的な動きを見せた昨夏から落ち着いて静かな冬に。オヴス・アベイーとの契約を解除し、ジョーダン・ラーソンを完全移籍、メサウド、ブルネットとエールディヴィジ経験者を国外からレンタルと堅実な動き。多国籍軍をヒバラが非常に上手くチームをまとめており、10代のユース出身タレントも積極的に起用しながら残留ラインから離れてリンカーライチェも狙える位置に付けているのは監督1年目で賞賛に値するパフォーマンス。

 

PEC Zwolle

得点力不足で16位と厳しいシーズン。ブラマが引き抜かれた一方で、実力証明済みのブイーの再レンタルに成功したのは大きい。攻撃面の補強ではフランス・ユース代表のバイテンスペーラー Hervin Ongenda、スウェーデンの得点力のある攻撃的MF Erik Israelssonをそれぞれ獲得。アチャバールがほぼ構想外になったスピッツポジションはブロク・マーツェンで確定か。

 

PSV

不安定なパフォーマンスを反映して落ち着かない冬。しかし主力で抜けたのはナルシンだけで、ヨーゼフゾーン、ポウルセンと余剰戦力をようやく整理できた一方、ファン・ヒンケルの再レンタルに成功と戦力上積み。ただサイドからチャンスボールを貰えないルーク・デ・ヨングを助ける新しいバイテンスペーラーは得られず、ロカーディアの復帰を待つ程度。セレクションの質を考えれば本来のクオリティを発揮できればカンピューンスハップでまだ巻き返しを狙えるチャンスはあるはずだが、本来のしっかり構えて待つスタイルと、今後必要になる自分たちからリスクを冒して前にプレッシャーを掛けるスタイルのバランスをどれだけ上手く取れるか。

 

Roda JC

株式の一部のスイス人投資家に渡す”一部身売り”で資金を得た結果、昨夏に得てこの冬も『制御不能』に。短期間で各国から実に9人を獲得。シーズントータルで獲得選手数20人を優に超え、前半戦の内容を振り返ってもアナスタシウがチームにまとめられるとはとても想像できない状況。とてつもない活躍で起爆剤となる選手が現れなければ、さらにgdgdになる怖れが。この数年の長期的視野の無さのツケをもうそろそろ支払っても良いだろう。

 

Sparta

序盤の好調な成績からじわじわと順位が落ちて16位と1pt差。内容は悪くないもののやはり肝心のスピッツを固定できておらず、ボールをキープできるターゲットマンを求めてオーストリアマルティン・プシッチをレンタルで獲得。さらに両サイドもフィンランド代表 ヤネ・セクセラを完全移籍、ジェルソン・カブラルをレンタルで獲得と補強。前線にフレッシュな風が吹けば残留の見込みは十分はるはず。

 

FC Twente

ピッチ上でレンタル組とユース出身のタレントの組み合わせが上手く機能して望外の結果の上、ピッチ外でも財政危機がひとまず落ち着いて迎えた冬。残された最後の高給取り エーガンとようやくお別れするなど余剰戦力を整理。補強は国外帰りのアサイディ、ジョス・ホーイフェルトというオランダ経験済みのベテラン、そしてドイツ・ユース代表スピッツ Enis Bunjakiと複数年契約を結び、来シーズン以降に向けて当然の動き。今後数ヶ月はリンカーライチェに入っているが欧州戦POの参加資格がそもそも無いため、放映権料の争いだけ。

 

FC Utrecht

テン・ハフのもとで高度に戦術的な戦いで好調を維持して欧州戦PO入りがかなり濃厚に。出場機会の無いペーターソン、ルビンを売却し、コホをレンタルバック。補強はブラマ、フリーのラビアトと実力者を大金を掛けること無く得て、長期的にも実りある結果。

 

Vitesse

欧州戦PO入りが十分濃厚になったことで大きな動きは無く、この数年懸案だった両バックにフリーのビュートネルと出戻りレンタルのディクスを獲得と選択肢を増やし、イスラエルに去ったイェイニの穴埋めに例のごとく”親会社”からイングランド・ユース代表MF モクタール・アーリを獲得。未知数だが、セレクションにいなかったBox-to-Boxプレイヤーを得たことで戦術に変化が起きる可能性も。

 

Willem II

やや物足り無さを否定できない戦力で16位に5pts差を付けてやや一安心の冬。アンドラーデを放出し、ベルギー人長身スピッツ Obbi Oulareとノルウェー・ユース代表の守備的MF Vajebah Sakorをそれぞれレンタル。特にオフベチェが再び長期離脱になったスピッツ枠でOulareの加入はソルとは違った戦術を可能にするはず。