日曜午後に行われたエールディヴィジ第23節、フェイエノールトはPSV相手の熱いアウエーゲームで終盤に1ptを手から落としてしまった。70分まで2-0の劣勢だったロナルド・クーマンのチームは、ギオン・フェルナンデスの見事な2得点で試合を振り出しに戻したものの、最後に守備陣のコミュニケーションのミスからPSVにラッキーな決勝点を与えてしまい、3-2で敗れた。
フェイエノールトはフィリップス・スタディオンで最悪の時間帯にリードを許してしまう。チームは試合全体を通じてエールディヴィジのコップローパー相手にしっかり立ち渡っていたが、HT直前にドリース・メルテンスにペナルティ・エリアを切り裂かれ、そのパスをオラ・トイヴォネンに決められてホームチームが先制した。
先制点までもPSVが最大のチャンスをいくつか得ていたが、フェイエノールトも苦しんだ15分間の後は少なくとも1ゴールは取れていた。クーマンのチームは隙のない組織でプレーし、グイデッティの出場停止によって前線のスピードを活かした攻撃を仕掛ける。光り輝いていたカリム・エル・アマーディと素晴らしい中盤の機能性により、PSVはボールを持っても攻撃を組み立てることが出来ず、ホームの観客から不満の声を浴びていた。
HT5分前にはギオン・フェルナンデスに前半のフェイエノールト最大のチャンス。PSV守備陣のミスを突いたオトマン・バッカルのパスを受けてシュートポジションまで入ったが、この大きなチャンスを逃してしまう。その20分前にもフェルナンデスがフェイエノールトの得点にあと一歩と迫ったが、クラーシのCKから突然目の前に落ちてきたボールをシュートしたものの、アンドレアス・イサクソンの正面に飛んでセーブされてしまう。
フェイエノールトは前半終了間際の失点に落ち込むことなく、力強くロッカールームを出て後半へ入る。チームは交代無しのまま、より前へとプレッシャーをかけてPSVのDF陣をトラブルに陥れた。だが最初の15分間で最大のチャンスが反対のゴールであったことはフェイエノールトは自分たち自身を責めなければならないだろう。後半開始10分にブルーノ・マルティンス・インディの蹴ったボールがそのままドリース・メルテンスに渡ってしまったが、シュートはポストを叩いた。
そして60分過ぎにこのメルテンスに20mのミドルシュートを叩き込まれて、フェイエノールトはトドメを刺されたかに思えた。このベルギー人はPSVペースの速攻からボールを持つと素早く中へと切れ込み、ほとんど無かったフェイエノールトの組織のミスを突いた。
PSVは勝利を手にしたと思っただろうが、5分後にフェイエノールトが試合に緊張感を取り戻す。この時間PSVが与えていた多くのスペースをルーベン・スハーケンが活かし、右サイドからフェルナンデスのゴールをアシスト。
そこから同点に追いつくのに10分もかからず、さらに理想的なシナリオも考えられた。再び右サイドからスハーケンが素晴らしいクロスを上げると、今回はPSVのDF陣も待ち構えていたが、その不味い処理からボールはフェルナンデスの足元に落ちてこの午後彼の2点目。
PSVペースは終盤の同点劇にかなり動揺していたが、最終的に運によって勝利を得た。終盤明らかにナーバスになっていたホームチームはほとんど攻撃の形を作れていなかったが、終了5分前のマルティンス・インディとエルヴィン・ムルデルとのミスコミュニケーションをザカリア・ラビアトが突いた。ペナルティ・エリアに落ちたボールをフェイエノールダー二人とも処理することができず、完全にフリーだったラビアトがこれ以上相応しく無い決勝ゴールは無いだろうというゴールを決めた。
PSV – Feyenoord 3-2
Scoreverloop:
44’ 1-0 Toivonen
66’ 2-0 Mertens
71’ 2-1 Fernandez
79’ 2-2 Fernandez
84’ 3-2 Labyad
Scheidsrechter: Liesveld
Geel: Mokotjo, Fernandez (Feyenoord)
Opstellingen:
Feyenoord: Mulder; Mokotjo, Vlaar, Martins Indi, Nelom; Clasie (71’ Vilhena), Bakkal (80’ De Vrij), El Ahmadi; Schaken, Fernandez en Cabral (90’ Manu).
PSV: Isaksson; Hutchinson, Marcelo, Bouma, Willems (63’ Pieters); Strootman, Toivonen, Wijnaldum; Labyad (90’ Depay), Matavz en Mertens (68’ Lens).
http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail.aspx?contentcode=20120226_psv_verslag
ロナルド・クーマン
「失望感が広がっているよ。PSV相手にあんな形で決勝点を許したら誰でもガッカリするだろう。辛い敗戦だ。同点に追いついたのは賞讃に値するが、その後3点目を許してはならなかった」
「ファイティングスピリットは見れたが、良いフェイエノールトは見れなかった。いくつかの瞬間でフットボールが決め手になった。我々の出だしは悪かったと思う。とても雑なプレーでボールをかなり失っていた。その後は試合に入り、チャンスも作れた」
「2-1と1点返した後は明らかに我々の方がピッチ上で良いチームだった。PSVよりも強く、アグレッシブで、多くの競り合いに勝っていた。それが今日ずっと出来なかったことが残念」
「首位からは離されたが、今の我々の状況は十分見込みがあるものだし、チームの成長には満足しないわけにはいかない。だが本当のティートル候補になりたいのなら、今日の3-2にしたような瞬間は二度とあってはならない」
http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail.aspx?contentcode=20120226_psv_koeman
ロン・フラール
「とても残念。非常にオープンな試合だった。僕らは今日の最も不運なチームだ。僕らがPSVに劣っていたとは思わない」
「僕らはクオリティのあるチームだし、チームとして強さを出している。でもPSV相手にそれができなかったのがとても辛い」
フェルナンデスの頭突きについて関係者コメント
ギオン・フェルナンデス
「マークをはがそうと顔を振っていたんだ。頭突きじゃない。 僕は過去に(NEC戦でファン・アイデンの顔を叩き)レッドカードを受けてこういう行為をしないように学んでいる。 試合は上手くやれていたし、こういう行為をする必要も無かった」
ロナルド・クーマン
「少し映像を見たが、とにかく彼の頭は体が行こうとしていない方へ動いている。 彼はその後の対応も悪かった。イエローカードはそのせい。 まずは映像をしっかりチェックして、彼の行為が相応しく無いものなら対応をする」
リースフェルト
「映像を見る限り頭突き。規律委員会が調査するだろう」
予想通り難しいゲームでした。反省もしにくい・・・。
ステファンが出ると思われていた右バックは「メルテンスに対応するためにアジリティに優るモコチョを選んだ」とクーマン。思ったより無難にこなしてたかなぁと思います。
前半10分過ぎまでエルヴィンやモコチョなどいろいろミスがありかなり苦しかったですが、そこからみんなで落ち着きを取り戻したプレッシングは十分機能してました。クラーシはまだ万全でないものの、しっかり相手のテンポを落とさせ、エル・アマーディはかなり気合いが入っていて素晴らしい出来でした。2年前の再現を期待させる雰囲気があったので結果に結びつかなかったのが残念ですが、もっとシュートやゴール前に飛び出すシーンを増やして欲しいもの。
ただやはりPSVは手強く、前半終盤に劣勢になっての痛い失点。中盤でトイヴォネンと競り合ったクラーシが潰されて転がされて起き上がれない間に、メルテンスにブルーノとミケルの間を抜かれてフラールもそっちに寄ったところをパスを出されてフリーのトイヴォネンに決められる、とまぁPSVのよくある点の取り方。フラールが無理して飛び出すことはなかったかなぁと後の祭り。
後半はよりリスクを冒さなければならなくなったので怖い展開になると思いましたが、思いの外PSVのカウンターに迫力が無く結構楽に押し込む展開。カウンタースピッツのギオンですが、ポストプレーも予想以上に頑張ってました。スハーケンが目立ってませんでしたが、この時間帯はカブラルにボールが集まり、まぁヒュチンソン相手に果敢なチャレンジ良いクロスも悪いクロスもあるという、いつもの出来。
悪くなかったこの時間帯にギオンがマルセロに頭突きをかますという謎の大事件。何してるんでしょうか、「頭突きじゃない、偶然当たっただけ」とか言ってますが、いくらなんでもちょっと意味不明。リースフェルトが観ていたら問答無用でレッドカード出されてたところですが、まぁ後で処分があるでしょう・・・。これでそれまでの流れが切れて、殺伐とした雰囲気の中で再びPSVの流れになって痛い2点のビハインド。これもメルテンスが切り込んでミドルなんてわかりきったプレーなのに、対応が遅れたフラールがかわされて勝負あり。フラールは確かに最近悪くないプレーですし今日も力強さがあったものの、こういう一瞬のミスが残念。
ところがここからまたフェイエノールトのペースに。よく分からない試合です。後半からスペースはできてましたが、妙にPSVもオープンになってヴィレムスからピータースにかわったせいもあるのかスハーケンの時間になって二つのクロスでギオンが2ゴールで同点に。スハーケンは素晴らしかったですね。やはり彼は右サイドの方が断然良い。
同点直後もカリムのシュートであわやなど勝ち越しのチャンスがあって希望が膨らんだものの、最後はあっけない負け方。どっちがどうするのか最後まで決められずにブルーノが足を出して空ぶった感じでしょうか・・・。なんて無駄な失点。リベンジ叶わずですが、いつも苦しんでいたアイントホーフェンでこれだけの粘りを見せたのはある程度満足・・・できないか、この負け方じゃやっぱり。でもブルーノもエルヴィンも今日も素晴らしい活躍だったので責めることはしない。
クラーシがやはりまだ股関節の状態が思わしくなく途中交代。ただ代わったトニーがなかなか良いプレーをしていた印象。まだまだこれからのタレントに夢がもてます。
これで23節終わって6位に。下とは差があるので最低4位5位を目指すフェイエノールトとしては上を見るだけですが、とにかくヘーレンフェーンが予想以上に好調なのでかなり先が見えないリーグ戦になってきました。かなり大変ですが最低020より上で終わりたいものですね~。とりあえず代表戦を挟みますが、クラーシはヨング・オランイェ休んで静養です。再びデ・カイプに戻ってホーム連戦シリーズ3試合目はアウエーで圧倒的弱さのフローニンゲン。ホームできっちり2連勝してエンスヘデへ迎いたい。