クーン・ムーライン死去の悲しみが癒えない中、水曜に行われたジルフェーレン・バール。1985年以来の開催となった新年伝統の一戦において、フェイエノールトはヘット・カステールでスパルタに2-4と快勝した。フェイエノールトのゴールを決めたのはルイジ・ブラインス、ジョルジニオ・ワィナルドゥム、テストプレイヤーのクリスティアン・シモン、そしてジョニー・ファン・ベウケリングがロッテルダムでの初ゴール。後半開始してすぐにルク・カスタイニョスがレッドカード。テストプレイヤーのシモンとセルゲイ・キズニチェンコは後半に途中出場した。
クーンはスパルタンのTinus Bosselaarと共に表彰役を務めるはずだったが、遺族との話し合いの末に試合をそのまま開催すると決められた。選手入場はクーンの写真を手にしたGerard KerkumとTinus Bosselaarの先導によって、ファンの‘You’ll never walk alone’の歌声が響く厳かな雰囲気のものとなり、試合前には1分間の黙祷が捧げられた。試合後のセレモニーではヘラルド・マイヤーが代わりを務め、フェイエノールトのキャプテン ロン・フラールにトロフィーを贈った。
フェイエノールトのスタメンはGKにダルレイ、左バックにブルーノ・マルティンス・インディという以外はいつものメンバー。テストプレイヤーのシモンとキズニチェンコは共にベンチスタート。
2週間のバカンス明け直後であり、雨とやや状態の悪いピッチというコンディションでスローペースで始まったダービー。久しぶりの登場となるダルレイが足元に不安を見せるなど、落ち着かない立ち上がりの後にフェイエノールトは15分にファーストチャンス。CKからエリア内でこぼれ球を拾ったワィナルドゥムが狙ったが、ヒットせずGK Oscar Moensに防がれた。20分過ぎにロン・フラールのクリアがそのまま前線のルク・カスタイニョスへの好フィードとなり、スパルタDFラインの裏へ抜け出すとペナルティエリア内でクノルに上手く倒されて主審ファン・ブーケルがPK判定。ブラインスが問題なく決めて先制した。
先制して試合をコントロールできるようになったフェイエノールト。裏のスペースにボールが出るようになり、ハーフチャンスを数回作る。しかし25分過ぎにマルティンス・インディがエリア内でフォスカンプに足をかけてしまい再びファン・ブーケルがPK判定。同点とされたフェイエノールトは今シーズン前半を象徴するように後手に回り始め、スパルタの動きにやや翻弄される場面も。フェイエノールトはワィナルドゥムが良い動きを見せていたが、スペースにドリブルで抜け出したがシュートはGKの守備範囲内とチャンスを逃した。
マリオ・ベーンはHTに4人を交代。ディエゴ・ビセスワールに代わりハンガリーのユース代表 クリスティアン・シモンが右ウィンガーに入った。GKには予定通りエルヴィン・ムルデル。前半衝突で頭を打ったCB アンドレ・バイーアに代わりアディル・アウアサル、中盤にはカリム・エル・アマーディに代わりリッキー・ファン・ハーレンをそれぞれ起用。それでも前半終盤からのスパルタペースは変わらず、ピンチにまでは行かないモノのチャンスも創れないフェイエノールト。
55分にはエリア内で倒れながら競り合ったカスタイニョスが上から押しつぶされたクノルの顔を足で蹴る愚行に及び、両チームもみ合いの末に当然の一発退場となる(クノルにはイエローカード)。それまで厳粛ムードだった試合が一気にダービーらしい雰囲気に。
しかしそれまでのロングボール攻勢から10人になって逆にフットボールをし始めたフェイエノールト。右サイドでレールダムが積極的に中盤をカバーする動きを見せ始め、ワィナルドゥムがポジションを上げた分スペースのできた中盤ではファン・ハーレンが積極的なアタックを見せる。65分過ぎフラールの右サイドへのボールを受けたシモンがスピードあるドリブルでマークを振り切り、エリア内に侵入してのクロスをワィナルドゥムが浮かせ気味ながらあわせて1-2と勝ち越し。スパルタのファンに手を合わせて神妙なジェスチャー。
直後この日あまりチャンスを創れていなかったジェルソン・カブラルに代わりファン・ベウケリングをスピッツに投入。前線で力強いボールキープを見せるとワィナルドゥムのアタックからゴール前に入ったシモンが冷静にヒールで落とし、ゴール正面ドフリーで待ち構えていたファン・ベウケリングが左足で豪快に決めて1-3とした。
さらに残り10分、ワィナルドゥムに代わりカザフスタンのスピッツ キズニチェンコが投入されると、レールダムの縦パスにキズニチェンコと教科書通りの交差する動きでシモンスが決めて4-1。シモンは1ゴール2アシストで移籍に向けて大きくアピールした。終盤フリーにしたVan Oeverenにエリア外から豪快に叩き込まれるも4-2で終了。
Sparta Rotterdam – Feyenoord 2-4
Scoreverloop:
22’ 0-1 Bruins (strafschop)
28’ 1-1 Voskamp (strafschop)
67’ 1-2 Wijnaldum
74’ 1-3 Van Beukering
85’ 1-4 Simon
88’ 2-4 Van Oeveren
Scheidsrechter: Van Boekel
Geel: Dijkhuizen en Knol (beiden Sparta Rotterdam)
Rood: Castaignos (Feyenoord)
Opstellingen:
Sparta Rotterdam: Moens; Dijkhuizen, Knol, De Roon (71’ Touzani), Willems (71’ Slijngard); Van Dieren, Duarte, Rutjes; Godee (65’ Van den Berg), Voskamp (79’ Gladon) en John (85’ Van Oeveren).
Feyenoord: Darley (46’ Mulder); Leerdam, Vlaar, Bahia (46’ Auassar), Martins Indi; Bruins, Wijnaldum (81’ Khizhnichenko), El Ahmadi (46’ Van Haaren); Biseswar (46’ Simon), Castaignos en Cabral (67’ Van Beukering).
マリオ・ベーン
「クーンの追悼試合としてはちょっと妙な試合だったね。でも試合前の黙祷は厳粛な雰囲気で、両チームのサポーターとも煙を焚いて盛り上げていた」
「今日の試合、我々はクーンのために勝たなければならなかった。それはできて良かった。シモンはとてもいい仕事をしてくれた。スピードがあり、他の選手を見る目があり、さらにゴールまで決められる。ポジティブな印象を受けたよ。キズニチェンコは10分だけだったが、トレーニングキャンプでアピールのチャンスはある。ステファン・デ・フライとリロイ・フェルもオマーンで復帰に近づく。我々はリーグ戦後半に向けて前進している。いずれにせよ今日の勝利は必要な自信を与えてくれただろう」
「レッドカードがこの試合の汚点。映像で見返したが、ルクのリアクションは愚かな行為だった。KNVB規律委員会が検討することになるだろう。ルクのファールは高くつく事になり得る。シーズンのこの時期には我々は誰一人欠くことはできないんだ」
ロン・フラール
「スポーツ面では新年に良いスタートを切れた。勝利で始められたのはチーム内の自信にとって良いこと。今日はどうしても勝たなければならないと思っていた。序盤は難しかった。特に前半二つのPKの後は混乱してしまった」
「ルクの退場から僕らは良いフットボールを見せ始めた。中盤に多くのスペースができたことが有利になった。後半の3得点は良かったね」
クーンチェ死去の悲しみと後半10人からの快勝で複雑なゲームでした。問題はルクのレッドカードがエールディヴィジに影響が出る可能性が高いことですが、ジョニーが活躍したんで、まぁ大丈夫かな・・・。若いですね~。
ダルレイは足元が不安すぎ、ブルーノもかなり危なげでした。20歳になったカブラルもそれほど良くなかったので、まぁ若手はしょうがないか。ワィナルドゥムは前半ややボールロストが多かったものの、トップ下として成長の跡。後半スペースができてからは流石の活躍。
新戦力(予定)は何と言ってもシモン。ポジションプレーはビセスワールよりも期待できそう。ジョニーへのアシスト、ゴール前での落ち着きに欠けるこのチームには必要なモノ。獲得は決まりでしょう。