ヨング・オランイェは新たな予選シリーズをイングランドに引き分けでスタート。監督 アルト・ランゲレーのチームはデ・ファイフェルベルフで長時間優勢にたっていたが、それを勝利に変えることはできなかった。オランダの唯一のゴールを決めたのはバルト・ラムセラール。
こういう予選では紙上で格下の相手に落ち着いて始めたいものだが、ヨング・オランイェにとって実際はその正反対。ヴェレルトカンピューン イングランドをヨング・オランイェの新たなホームに迎えての予選スタートとなった。
しかし不安は全く無かった。ヨング・オランイェはオランダのチームならこういうプレーをしたいと思うとおりの試合の入りをし、勇敢で、自信に溢れ、多少の軽々しさもあった。このオランダ流のプレーのシンボルとなっていたのは流動的なスティーヴン・ベルフハイスとスピードのあるジェルファーネ・カスタネール。後者はサイドでコンスタントに対戦相手を抜き去ってクロスを提供。自らシュートも狙った後にはさらにフース・ティルにもチャンスを提供したが、このMFのシュートはGK Angus Gunnが触って枠外に。18分にはベルフワインが先制にこれ以上なく迫ったが、PSVのFWの強烈なシュートはバーを直撃した。
一瞬の不注意でヨング・オランイェはビハインドを背負うことに。トーマス・アウエヤンがオフサイドを取り損ねたことでAdemola Lookmanの見事なパスからDominic Calvert–Lewinが裏に抜け出し、このEvertonのスピッツがチャンスをしっかり決めて0-1.
しかしヨング・オランイェは動じることなく、10分後に同点に。イングランドの完璧な空軍を破ったのはピッチ上で最も小さな選手の一人であるバルト・ラムセラール。このPSVのMFがアウエヤンのクロスに美しい弧を描くヘディングでネットを揺らした。
後半のヨング・オランイェは多少イングランド人たちに主導権を手渡し、前半のハイテンポを捨ててチャンスはほとんど生まれない展開に。HT明け15分に再びゴールに迫ったが、ベルフワインのパスを受けたフレンキー・デ・ヨングはまずコントロールよりもダイレクトでシュートした方が良かっただろう。結果、このアヤクシートのシュートはブロックされた。
デンゼル・ドゥムフリースもイングランドのGKをテスト。何度も前線に駆け上がっていた内の一つでこの右バックは自らシュートも狙ったが強さを欠いた。最も危険なシーンを作ったのは再びベルフワイン。シュートするスペースを長時間探していたFWはようやくそれを見つけたが、そのシュートはライン上でクリアされてしまった。対してイングランド人立ちは1回も危険なシーンを作ることがなく、90分を終えてスコアボードが引き分けのままだったのを喜ぶべきだっただろう。
悪い結果ではないが、ピッチ上の力関係を見ればヨング・オランイェの新世代にはもっと良い結果でも良かった。火曜にチームはスコットランドを訪れて次の予選を戦う。
Jong Oranje – Engeland 1-1 (1-1)
Scoreverloop
20. Calvert – Lewin 0-1, 32. Ramselaar 1-1
Gele kaart
Kastaneer (Ned), Gomez (Eng)
Opstelling Nederland
Drommel, Dumfries, St. Juste, Van Drongelen, Ouwejan, Rosario, De Jong (76. Van Amersfoort), Til, Ramselaar, Kastaneer (71. Zivkovic), Bergwijn (88. Idrissi).
http://www.onsoranje.nl/nieuws/jong-oranje/70532/jong-oranje-gelijk-tegen-engeland
アルト・ランゲレー
「我々はこれまで数回負けると、監督たちはいつも『チャンスが作れなくなったらその時に本当に心配すべき』と言っていた。そういう意味では私は心配する必要はない。しかしそれは気楽な考え方だ。チャンスはゴールではないのだから」
「ロッカールームでは『ファンタスティックなプレーだった。自分たちを上手く売り出した』と話をしたよ。我々はオランダが本当にタレントを持っていることを示したし、とても良いチーム相手にしっかりやれていた」
それなりに力のありそうな世代とは思いましたが、WK Onder20を制した世代のイングランド相手に素晴らしい試合で予選をスタート。ホームなのでできれば勝ちたかったくらいの内容ですが、ベストの2位4カ国も直通なのを考えれば十分良い結果のはず。
素晴らしかったのはドゥムフリース、ラムセラール、ベルフワイン。特にベルフワインは流動的なスピッツとして広範囲を動いてボールを受け、パスを出し、反転して自らドリブルでゴールに向かうなど万能性を示しました。実はバイテンスペーラーより適性があるのではないかと思えるほどの出来で、当分この世代のスピッツは確定か。クライフェルトが怪我でいなかったのでティルが偽の右バイテンに入って自由に動いていたもののあまり機能的な役割はできず。まぁロザーリオとデ・ヨングも微妙でしたので、中盤はもうちょっと頑張って欲しいところ。ファン・ドロンゲレンとシン・ジュステのCBデュオは力強いプレー。
層の薄さが例のごとく気になるところですが、イングランド相手に全くフィジカル負けせずにしっかりフットボールをしてチャンスを何度も作るなど、久々の予選突破に向けて十分期待が持てるスタートなのは確か。とりあえず次のスコットランド戦です。