サポーターの行為がラシズムに当たるとの理由でフェイエノールトが昨年UEFA規律委員会から受けた処分が軽減されることになった。UEFA規律委員会がクラブに科した処分は5万ユーロの罰金と次の欧州戦での1試合無観客。この処分に対し、フェイエノールトはまずUEFA抗議委員会に抗議し、そこで答えが得られなかったことでスポーツ裁判所(CAS)に訴えていた。
CASは5万ユーロの罰金処分はそのまま留めたものの、欧州戦無観客の処分については3年間の執行猶予に。つまり向こう3年間で再びラシズムと見なされる事件が起きた時にこの処分が実行され、フェイエノールトは欧州戦1試合無観客で行わなければならなくなる。3人の審判員によるとCASが処分を軽減したのは、無観客試合の処分は今回の出来事に見合っていないとの理由。
フェイエノールトは2015年2月26日のAS Romaとのホームゲームで試合中観客によってピッチにバナナ風船な投げ込まれたことで、UEFAによって昨年中頃に欧州戦1試合の無観客と5万ユーロの罰金を科されていた。これに対してフェイエノールトは様々な専門機関に抗議、最終的に2月12日にCASに訴えていた。結局CASはフェイエノールトの訴えを一部正当と認め、無観客試合の処分を執行猶予に。これによる2016-2017シーズン最初のデ・カイプでのホームゲームは通常通り観客を入れて行えることになった。
https://www.feyenoord.nl/nieuws/nieuwsoverzicht/cas-vermindert-straf-feyenoord
エリック・フッデ
「倫理観的にはこのペナルティは痛恨の思いだ。フェイエノールトは他民族の街の他民族のクラブ。ピッチを見ても、スタンドやユースを見てもラシズムが我々からど遠いのは誰でも分かる。その意味でCASで6時間かけたサポーターの行為がラシズムというのはナンセンスだという我々の主張が、完全には受け入れられなかったことに失望している。私は失望しているだけでなく、驚き、怒ってもいる。特に我々はバナナをピッチに投げ入れたサポーターがアンティル諸島出身だと証明できたのだから」
「我々にとってクラブイメージが最も重要な問題だったが、スポーツ面と財政面を考えても、欧州戦1試合無観客の処分は執行猶予になったことはもちろん非常に大きい」
「我々が今後数年間UEFAから拡大鏡で見られるのは明らか。我々が自分たちのスタディオンで状況をしっかりコントロールしているかどうかをじっくり見られることになる。そのために我々は欧州戦で観客をかなり減らすことや、厳しい所持品検査など強力な手法も行い、ピッチへの投げ入れを防ぐネット設置もするつもりだ。雰囲気が損なわれるのは悲しいが、小さなグループは自分たちの行っていることを理解していない。そのために我々にはもう他にやりようが無く、大きなグループを苦しめなければならない。もう一度間違いが繰り返されることは許されない」