日曜午後に行われたエールディヴィジ第17節、フェイエノールトはシーズン前半戦を最高の形で締めくくった。ロナルド・クーマンのチームはスペクタクルなゲームでトゥエンテに3-2と勝利。デ・カイプは最後の最後まで緊張感のある展開だった。前半ジョン・グイデッティがハットトリックで3-0のリードをもたらしたが、後半はトゥエンテが盛り返し、最後の25分間はフェイエノールトがわずか1点のリードを見事に守りきった。終盤ステファン・デ・フライが足首の怪我から復帰を果たしている。
デ・カイプのサポーターたちはHTに自分たちが記憶に残るフェイエノールトの前半に立ち会ったことを実感していただろう。ロナルド・クーマンのチームはカンピューン候補のFC トゥエンテに対してその時点で3-0のリードを奪い、試合をほぼモノにしたように思えた。ロッテルダム・サイドのフローテ・マンとなったのはジョン・グイデッティ。この数週間好調の彼は文句の付けようがないハットトリックで観客を魅了、賞讃を浴びた。前半フェノメナールなパフォーマンスで3本のシュートを3回とも決めて見せたこのスウェーデン人スピッツのために、HTに入った瞬間レヒューンは大きな声で歌い始めていた。
試合開始わずか8分でグイデッティはチームに先制点をもたらす。右サイドからのバッカルの測ったようなクロスに対し、ファーポストに飛び込んだグイデッティが素晴らしいタッチで合わせ、華麗な攻撃を締めくくった。
先制点から15分後にはバッカルが自ら2点目のチャンス。素早いリスタートからまずMF カリム・エル・アマーディがシュート。これをGKに阻まれると、リバウンドを拾ったバッカルがミドルレンジから狙ったが、低い弾道で飛んだボールはポストに嫌われてしまう。
HT前、まずは守備が第一だったフェイエノールトに対しトゥエンテはCKの空中戦を狙うが、それに失敗。逆にフェイエノールトが電光石火のカウンターでリードを広げることに成功。エル・アマーディのパスがグイデッティに届くと、ゴール向かって左からニアポストを打ち抜いた。
さらに1分もしない内にスウェーデンのフェノメーンはこの午後3点目、そして今シーズン11点目を決める。キックオフ直後のボールをフェイエノールトが奪うと、グイデッティが自らシュートポジションに持ち込んで二人のDFをかわし、今回は左足でニアポストを打ち抜いた。
前半ほとんど何もできなかったFC トゥエンテだが、後半に入って突然フットボールをするスペースを得てしまう。バッカルが4-0にする大チャンスでシュートをミハイロフに当てた後、20分でトゥエンテが3-2に。これはフェイエノールト自身の責任と言わなければならない。およそ60分過ぎにCKからのナセル・チャドリのゴールを止められず、その10分後にはルーク・デ・ヨングにエルヴィン・ムルデルのゴール逆隅に決められて試合に緊張感を取り戻させてしまった。
フェイエノールトにとってこの試合残り25分のタスクはハッキリしていた。チームは守りに人数を掛け、わずか1点に縮まった点差を守ることに全力を尽くすと、あらゆる手段を駆使して勝利を守りきったフェイエノールトはなんとか逃げ延びることができた。
Feyenoord – FC Twente 3-2
Scoreverloop:
8’ 1-0 Guidetti
43’ 2-0 Guidetti
44’ 3-0 Guidetti
56’ 3-1 Chadli
66’ 3-2 De Jong
Scheidsrechter: Liesveld
Geel: Rosales (FC Twente), Bakkal, El Ahmadi (Feyenoord)
Opstellingen:
Feyenoord: Mulder; Leerdam, Vlaar, Martins Indi, Nelom; Clasie, Bakkal, El Ahmadi; Schaken (87’ De Vrij), Guidetti (83’ Biseswar) en Cabral (70’ Mokotjo).
FC Twente: Mihaylov; Rosales, Wisgerhof, Douglas, Tiendalli (86’ Berghuis); Landzaat (65’ Janssen), De Jong, Brama; Chadli, Janko (73’ Fer) en John.
http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail/S1/10010000039496-999-10010000000003.aspx
ロナルド・クーマン
「このグループを誇りに思う。シーズン残りに多くの事を約束してくれる勝利だ。ホームでPSVに完勝したが、今回はFC トゥエンテも倒した。私には現時点でこのグループにこれ以上の事は望めないよ」
「すぐにFC トゥエンテのプレッシャーに晒されると思ったが、そうはならなかった。我々は落ち着いてボールを持ち、特にサイドから脅威を与えていた。グイデッティはファンタスティックだったよ。強力な二人のCB相手にしっかりよボールをキープしてくれていた。彼はマカーイとのトレーニングでああいうフィニッシュをたくさん練習しているが、全部のシュートを決めているんだ」
「後半はかなり後退してしまった。しかし後半もベストチャンスは我々の方にあったと思う。もし後半開始直後にバッカルが4-0にしていれば、試合は決まっていたはず」
「この順位(単独5位)はチーム内にさらなる明確さと自信と落ち着きを与えてくれる。この数週間を見ると、まだ試合中に調子が落ちることはあるが、そういう時も一つのチームでいられている。我々は勇敢に前へ出てガッツを持ってプレーしている。フィジカル的にも前進したし、本当に良いフットボールをしている。さらに我々にはファンタスティックな中盤、とても迫力のある前線、そして代わりとなる選手たちもいる。17試合を終えて31ptsはフェイエノールトにとってファンタスティックなスコアだよ」
http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail.aspx?contentcode=20111218_twente_koeman
ジョン・グイデッティ
「この勝利は僕の力によるものじゃない。今日の僕は最後の所でボールを押し込んだだけ。この勝利はチームとサポーターみんなの力によるもの。素晴らしい午後だ」
「ゴールパフォーマンスのプランは昨日家で友人たちと考えたんだ。楽しかったよ。友達と、ゴールを決めたらああしようって決めていた。あれで上手くいったから、これからもあれを続けないといけないかもね」
「終盤はベンチからほとんど見てられなかった。でもステファン・デ・フライのリロイ・フェルへのタックルは素晴らしかったよ。僕らはチームの全員がみんなのために働こうとしているんだ。みんなでファイトし続け、それが報われて良かった」
毎試合父親を含めてスウェーデンから多くのサポーターが応援に来ている
「今夜はリラックスして家族や友人たちと勝利を噛みしめるよ。スウェーデンのボンズコーチが来ていた?期待していようかw」
http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail.aspx?contentcode=20111218_guidetti_twente
ステファン・デ・フライ
終盤にペナルティ・エリア内で決定的なタックル
「あそこはタックルする以外になかった。つま先はボールに行っていたから、そんなに問題は無かったと思うよ」
「相応しい勝利だ。でも不必要に自分たちを苦しめてしまった。もっと早く決めるべきだったね」
順位表では頂点も十分狙える位置
「なるべく長く上に付いていかないといけない。苦しい時期もあったけれど、フィテッセ戦からまた巻き返せてこの数週間の好調に繋げられた」
「怪我で苦しんでいたけど、チームに戻っていい仕事ができて嬉しいよ。自分の力で貢献したかった。今日はまたプレーできて喜んでいる」
http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail.aspx?contentcode=20111218_twe_de_vrij
素晴らしい勝利。前半最高の内容で大揺れのデ・カイプも、後半苦しんで全員一丸となって守るチームを必死に応援するデ・カイプも、「これこそフェイエノールト」というこのクラブ本来の姿そのものでした。あらゆる意味で自分がかつて魅せられたフェイエノールト本来のクラブカルチャーが戻って来ていてる気がします。それが本当に嬉しい。どちらもホームとはいえ、トッパー2連勝も久しぶりな気がします。
前半は今シーズン最高の出来と言って良いでしょう。トゥエンテがヤンコを起用してきたことで、向こうの中盤が薄くなったのを逆手中盤を完全に圧倒。今日もクラーシの支配力がよく行き届いていて相手に全くフットボールをさせませんでした。ゴールに近づけさせなければヤンコなど怖くも何ともないというもの。デ・クラシケルで見せたハイプレッシングで相手DF陣に組み立てを許さず、特にロサーレスとティエンダッリの両SBから面白いようにボールをカット。両サイドは完全に圧倒。
とにかくスーパーグイデッティにはどれだけ賞讃の言葉を並べても足りません。すでにエールディヴィジ最高の偉大なスピッツ。デ・カイプのヒーローです。野心的な自信家でありながらハットトリックの後にもチーム全体の勝利を強調するコメントなど、非常に考え方のしっかりした子です。フェイエノールトを愛し、サポーターからも愛される「フェイエノールトのカラー」に合ったスピッツ。ファン・ヘールが全力でレンタル延長に成功してくれることを祈ります・・・。
こういうスペースがある相手だとスハーケンは活き活きするというか、妙に頼り甲斐がありますね。相手に襲いかかっていく方が性格に合っているのかプレーに迷いがなく、2点目のカウンターの起点になったボールカットなど決定的な役目をしていたシーンが多かったです。左サイドからのクロスもなかなか様になってきたような。
ステファンはよくぞ間に合ってくれました。途中出場ですがチームを救う決定的なタックル。まさに3ptsプレー。ブルーノもよく頑張ってるし、CBの層ははしばらく安心です。
セットプレーからの失点は仕方ないとして、失点後ラインが間延びして2失点目のシーンでは中盤良いようにボールを回されてしまったのが反省点。まぁ試合を決めるチャンスがたくさんあったのも事実なので、やっぱりもう1点決めて楽に勝ちたかったですね。戦術的に3トップはかなり走ってるので終盤運動量が無くなったのも今の時期は仕方なかったか・・・。セクが怪我でいなかったのでギオンの出場停止(残り1試合)が微妙に響いています。
まぁこれで単独5位。下はフィテッセに2pts差、ヘーレンフェーンに3pts差。良い時のパフォーマンスを見ればどっちもライバルと言うほどのチームではない気がしますが、後半戦どれだけ安定したパフォーマンスができるか。怖いのはヘーレンフェーンですかねぇ。でもどっちもエースに移籍話があるようなないような。ライスが復活したらフィテッセが怖いかも。
ちょっとだけ上を見てみるとトゥエンテと020にわずか2pts差。4位だとEL予選はPOからだたったかな。うーん、楽ですねぇ。
いろいろあったシーズン前半も無事に終了。ここまでは期待以上にやってくれてます。クラブもカテゴリー2復帰が事実上決まり上昇ムード。ウィンターストップのトレーニングキャンプはマルベラで、バーゼルとなどと練習試合。後半戦はまずVVV戦なので軽くひねって良い形で入りたいところ。きっちり5枚目のイエローカードを貰ったエル・アマーディはアフリカカップでしばらくいません。デ・クラシケルにいないとか、中盤はどうなるのかまず注目。今のところモコチョを入れるしかないでしょうが・・・。
移籍市場の話もぼちぼちと出ていて、フォルメルは3年契約ほぼ決定との噂。あとは左利きのいない中盤にホーセンス興味持ったり、イマイチ層の薄い右バックにヤンマート興味持ったり。まぁ誰を獲るにしても来夏の話ですが、いろいろと先が楽しみになってきて良い気分で年越しです。