オランイェは火曜夜のドイツ戦でショッキングな敗戦。ホームチームは巧みなテクニックを見せつけ、オランダ守備陣の左サイドを圧倒し3-0とした。
ロビン･ファン･ペルシ、ラファエル･ファン･デル･ファールト、アリエン･ロッベン、イブラヒム･アフェライを欠き、ウェズレイ･スナイデルも完全にはフィットしておらず、クラース･ヤン･フンテラールも鼻を骨折したままのプレーで、オランダの力不足は明らかだった。それは弁解にはなるだろうが、ベルト･ファン･マルワイクの口から弁解が語られることは稀だ。いずれにせよ火曜夜のハンブルクでは稲妻のようなドイツがオランイェを打ちのめした。
度々素晴らしいプレーを見せたドイツ人たち。特にMesut Özil, Sami Khedira, Miroslav Klose en Thomas Müllerのコンビネーションは卓越したものがあり、オランダの前線を上回った。当然ドイツの危険なシーンはオランイェがボールを失ったシーンから生まれ、特に中盤でのスナイデルとファン･ボメルのミスで十分なチャンスがあった。
Joachim Löwのチームのプレーに賞讃を与えるべきなのは間違いないだろう。特に右サイドからスピードのある、流動的で効果的な攻撃を見せ、エディソン･ブラーフハイトを大混乱に陥れた。
最初の15分でオランダの左サイドがウィークポイントなのはドイツの分析によって明らかにされ、未熟なブラーフハイトが泣きを見ることに。Thomas Müllerが後方から彼を誘い出すと、ポジションチェンジしたMiroslav Kloseの低く強いパスに対し、リス･マタイセンをあっさりとかわして1-0に。ステケレンブルフにはノーチャンスだった。
普通の試合にならないことが徐々に感じられ、観客のボルテージが上がり、オランイェはスペースを狭めようとしたが、ペナルティ･エリアの前で守るだけで中盤への10mのパスを届けられず、前半のチャンスは数回のみ。すでに4分にフンテラールがゴール前フリーでシュートを放ったが、決めるには角度がなさ過ぎた。スナイデルもカイトもよりいい角度にポジションを取っていたが、マスクを付けたスピッツは自ら打つ事を選択。
こうしたミスがオランイェのプレーを象徴していた。いつもなら頼りになるスナイデルやファン･ボメルといった選手が、ドイツの中盤の効果的なプレッシャーによって何度もボールを簡単に失ってしまい、そこからしばしばドイツは数秒で決定機へ結びつけた。26分には再びMüllerがブラーフハイトを誘い出したオランダ左サイドからMesut Özilがクロス。Kloseが鋭いヘディングで2-0とした。
一方で定期的にボールが渡るも、違いを作れないオランイェの前線の選手たち。特にスナイデルの卓越したスルーパスが数回届いたが、テクニックに限度にあるFW陣は相手のプレッシャーのもとでチャンスに繋げられなかった。HT直前にはフンテラールがボールを失った場面からドイツが3-0にするチャンスさえあった。
後半に入ると、多少活気づいてロッカールームから出てきたファン･マルワイクのチームがいくつかハーフチャンスを作るも、またもボールを失ったところからドイツのカウンターで危険なシーン。相手の素早い攻守の切り替えに攻撃的なDF陣は危うさを見せ、66分にまたしても失点。またしてもオランイェの左サイドからKloseとÖzilが素晴らしいコンビネーションでペナルティ･エリアを切り裂き、ステケレンブルフには何もできず。オランイェにとっては屈辱的な失点で3-0となった。
狂喜乱舞のドイツ人ファンを責める事は誰にもできないだろう。欠場者たちによって、この試合は相対的なとらえ方をするのが相応しいが、ベルト･ファン･マルワイクにはまだEKへ向けて十分な訓練が必要という提示にもなった。欧州タイトルを取るためにはかなり高い確率でこのドイツを破らなければならない。それが挑戦であることは今夜はっきりと知る事ができた。
Statistieken:
Duitsland - Nederland 3-0 (2-0).
Scoreverloop: 15. Müller 1-0, 26. Klose 2-0. 66. Özil 3-0.
Scheidsrechter: Cüneyt Cakir.
Geel: Sneijder, Klose.
Toeschouwers: 51.500.
Opstelling Oranje: Stekelenburg; Van der Wiel, Heitinga, Mathijsen, Braafheid; Strootman (64. Nigel de Jong), Van Bommel; Kuyt (86. Wijnaldum), Sneijder (86. Luuk de Jong), Babel; Huntelaar (75. Beerens).
http://www.onsoranje.nl/nieuws/artikel/10480/duitsland-maat-te-groot-3-0
ベルト･ファン･マルワイク
「この敗戦はとても悲しい。我々が良くなかったという事。ドイツは攻守の切り替えが非常に良かった。彼らは昔からそうだったが、今はとても良いフットボールもしている」
「弁解はするつもりはない。この敗戦は正当なもの。我々はクリエイティブな選手たちの大部分を欠いていたが、ドイツには選手層に大きなポテンシャルがある。Philipp Lahm も Sebastian Schweinsteigerもいなかったからね。ドイツにはクリエイティブな選手も多い」
「15分までの我々のプレーは良かったし、最初のチャンスもあったが、その後は最高レベルでのディテールの面で負けた。我々の守備が良くないのは確か。後半もスタートは良かったが、3-0にされて終わってしまった」
「スウェーデン戦では我々の方がかなり良かったが、3回の守備のミスで負けた。最近2試合の方がこのチームについて多くを語っている」
「我々のパフォーマンスが低調なのは確かだが、決定的な場面でのディテールの問題だ。今夜はそうした別格のクオリティが我々には欠けていて、ドイツにはあったという事。私がずっと言ってきた事が明らかになってきた。我々のトップ選手の層は厚くはない。この敗戦は近年のパフォーマンスとは別の視点で見るべきだろうが、いずれにせよこの負けにはとても悲しんでいる」
マルク･ファン･ボメル
「我々にも序盤はまだ何度かチャンスがあった。彼らが試合を掌握したのは2得点してから。彼らがゴールを決めた事が違いだ」
「ドイツとのレベルの差はそれほど無い。もっと大きいように思えるのは、彼らに飛び出すスピードがあるから。スピードとアグレッシブさで、事実彼らはセカンドボールに勝ち続けた」
「罰を受けるという感じはしなかったし、ボンズコーチもHTに怒ってはいなかった。実際WKでのオランダ－ブラジル戦のHTを見れば、流れを変える事はできるはず」
「ここ数試合はこれまでのようにいっていないが、怪我人が多くいる事を忘れてはいけない。弁解にするつもりはないが、彼らが揃えば我々は多くを期待してもらっていい」
「彼らは非常に上手く、決めるべき時に決めた。僕らがポゼッションしてる時が危険な相手だ。妥当な敗戦なのは確か。自分たちをしっかり見つめないと行けない。次回集まる2月までにしっかりと落ち着いて、EKへ向けてドームを作っていかないと」
クラシケルなドイツ戦ということでこの数日メディアは大いに盛り上がってましたが、蓋を開ければ予想通りスコア以上の完敗。15分までは相手の右バックを狙い目にボールを奪って多少チャンスを作っていたものの、失点してからは分かりやすくボール取られてカウンター。このプレースピードの違いはちょっと悲劇的です。中盤もミスしまくりでしたが、特に前線のクオリティの差。
両チームの年齢層の話になると、独ブンデス･リーガとエールディヴィジの話になって頭が痛くなるのであえて触れず。後半見ながらかなり頭痛かったんですが･･･。
ブラーフハイト一人のせいじゃないにしても、ドイツの強みのサイドとオランイェの弱みのサイドがぶつかってしまったのが完敗の要因。このレベルとやるにはピータース、アフェライ、ロッベンあたりは必須です。本番いるかどうか知りませんが。EKへ向けて暗雲立ちこめる、というほどでは無いにしても、やはり長期的に考えてドイツの若さに今後対抗できなくなっていく可能性は非常に高いわけで、ここらで『一世代のラストチャンス』をつかめるかどうか･･･。
