先週土曜のヨハン・デルクセンの言葉から始まった「アヤックスを優勝させたくないフェイエノールトファンはむしろPSV戦での敗戦を望んでいる」との報道は週をあけてもオランダメディアの様々なニュースで様々な形で取り上げられている。
日曜のヴィレムII戦で快勝した後でのインタビューでもマリオ・ベーンや選手たちが質問に答える形で「ファンがアヤックスの優勝を望まないのは理解できる。しかし我々はPOに向けて勝ち続けるだけ」と口を揃えたが、火曜になってもADがフェイエノールトの公式サポータークラブFSVのスポークスマン Joop Verschuurenのコメントを発表。
「今回の敗戦を望む声は昨シーズンほど酷くないと思う。しかしアヤックスがタイトル獲得に向かう手助けをしたくないために、日曜のPSV戦で負けたいと思うファンがかなりいる。フェイエノールダーとしてアヤックスの手助けはしたくないからね。
でも今回我々はPOに進むために3ptsが必要。その上ホームだしアイントホーフェンでの10-0の借りを返すチャンスだ。それに我々のファンが何らかのアクションで意思表示をしようという証拠は私には届いていない。それは昨シーズンとは違う」
昨シーズンは確かに状況が違った。カンピューンスハップはPSVが大きく後退し、首位のトゥエンテとウィンターストップ明けから凄まじいパフォーマンスで猛追していたアヤックスのどちらかに限定されており、シーズン終盤のエンスヘデでのフェイエノールト戦は大きな山場。一方フェイエノールトはカンピューンスハップから大きく離され、AZと4位を争う状況だった。当時のフェイエノールト・ファンの中には実際アヤックスの優勝を阻むために「エンスヘデでの勝利を望まない」との声は大きく、これは悲しむべき事だが一部のファンがトレーニングに乱入して直接対話に出た事件もあった。実際のところホームで無敗を誇っていたエンスヘデに対して、フェイエノールトの勝ち目はひいき目に見ても大きくはなく、結局試合も個人のミスから失点し良いところなく完敗している。
今回の一連の報道は明らかに去年の一件を受けてのもの。しかし実際サポーターの中に「PSV戦での敗戦を願う」という声はほとんどないと言っていい。様々なフォーラムを覗いても、アイントホーフェンでのあの屈辱的敗戦のリベンジを望む声ばかりであり、中には12-0、10-0の数字が勢いよく並ぶコメントもあり去年とは明らかに雰囲気が違う。さらにホームゲームであり、最終節にアヤックスとの直接対決を残しているとはいえまだトゥエンテもアヤックスの1pt上にいる状況は昨シーズンとは大きく違う。この報道に対しても「負けた方が良いなんて言ってる奴は周りに一人もない」という声ばかりだ。
ではこの報道はどこから来たのか?憶測は様々だが、「メディアはアヤックスを助けるためにはラジオ、新聞総出でやる。いつも最初は憎たらしいアヤックス出の奴らがいるVIからだ。アヤックスのために繰り返されるロビー活動がstudio voetbalでの放送に繋がり、ヨハン・デルクセンがそれを助長する。こういうアムステルダマースの傲慢な態度がデン・ハーグ、ロッテルダム、アイントホーフェン、フローニンゲン、ユトレヒトであいつらを嫌われ者にしているんだ」との意見が大きな支持を得て、アヤックスファンへの憎しみをさらに増す結果になっている。またADに掲載されたJoop Verschuurenの「負けたいと思うファンがかなりいる」コメントについても、「FSVが実際本当のファンとコンタクトを取ったことはもうずっとない」、「Verschuurenは頭の悪い無能な人物」と総バッシング状態である。
日曜のデ・カイプでレギオンがいつも以上にチームを支援することは間違いなく、この報道に対しても何らかのリアクションがあるだろう。
ちなみにADはホームでトゥエンテ戦に臨むADOサポーターの微妙な状況も報じている。その中でADOの公式ファン・クラブ会長Dennis de Bruijnがコメントしている。
「トゥエンテとアヤックスの直接対決が残された最終節から3試合というタイミングなのが助かった。これでこの試合が決定的な決め手になることはない。これが最終節に組まれていたら?間違いなく大事になっていただろうね。
我々は今シーズン アヤックスに2回勝っている。最終的にそれがモノを言うだろう。最後までアヤックスとPSVの争いになると思うけど、勝つのはもちろんPSVだ」