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KNVBが新ルールテストのためにFuture of Football Cupを開催 (II)

今週 KNVBはZeistのKNVB Campusで国内外のチームの協力により、「将来の新ルール」テストのためにFuture of Football Cupを開催。木曜に続いて日曜午後に最後の2試合が行われた。特にJong AZ - Club Brugge O19/O23の試合ではインプレー中の交代が数回あり、分かりやすい例に。

 

mijnfeyenoord.hateblo.jp

 

テストされた「将来の新ルール」は以下の5つ。
1. Tijdstraf: 時間罰 (イエローカードを受けた選手は5分間の退場処分となる)
2. Intrap of indribbel: スローインに代わりキックインまたはドリブルイン
3. Selfpass: フリーキックとコーナーでのセルフパス (リスタートを行った選手が再びボールに触ることができ、ドリブルでのリスタートが可能に)
4. Vliegende wissels/doorwisselen: プレーを止めない無制限交代 (4th officialでは無く、交代で入る選手が交代する選手の背番号が示されたボードを掲げ、インプレー中の交代が可能。一度交代しても再びフィールドに戻ることもできる)
5. Zuivere speeltijd: 30分x2での純粋プレー時間 (中継画面とフィールド横のスコアボードの時計も同期され、プレーが行われている時だけ時間が消費される)

 

Jong AZ - Club Brugge O19/O23 6-0
Scoreverloop: 4. Griffith 1-0, 7. Barasi 2-0, 13. Griffith 3-0, 36. Barasi 4-0, 39. Barasi 5-0 (pen.), 53. Daal 6-0.
Gele kaarten: Sedláček, Jacobs (Jong AZ), Spileers (Club Brugge).

www.youtube.com

 

Jong AZがintrapからチャンス
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=1840


Club Bruggeのインプレー中の交代
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=3259
前半残り4:51でJong AZの選手に時間罰 (後半開始9秒後にフィールドに復帰)
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=3561
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=5063


Jong AZの交代選手がなかなか入れない様子
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=5531


16mないでの接触(残り21:10)からプレーが続き、約1分後(残り20:15)にVARが主審を呼んでpenaltyと警告。VARがチェック中のプレーで消費された時間はそのままで再開。
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=5861


Jong AZにも警告で約2分間10人対10人に
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=6268


Jong AZの交代の様子
https://youtu.be/3JzsfNUE9j0?t=6856

 

Joey Jacobs
フリーキックで直接ドリブルするとプレーが加速する。キックインはスローインとは全く違う作業だし、それはある種のコーナーのように使うこともできる。僕らがKeuken Kampioen Divisieで対戦するようなよりフィジカル的な相手には不利になる可能性もあるだろう。イエローカードでの時間罰も奇妙な感じ。それほど厳しく罰せられる必要がないもので5分間ベンチに座らなければいけなかった」

 

Jong sc Heerenveen - Jong PSV 0-2

www.youtube.com

 

PSVの交代の様子
https://youtu.be/NBNoOVHEVQI?t=3666

 

Heerenveenの選手に警告
https://youtu.be/NBNoOVHEVQI?t=5295

 

Gijs de Jong

「我々はFIFAで物事がどう行われるか知っている。これは明日決まることでは無い。我々はvoetbalの人気をを維持し、将来それをさらに広げたい。だから何を改善したいかに目を向けることもすべき」
「キックインはかなり簡単に導入できると思う。キックインとセルフパスが最も可能性がある。すでに5回の交代が認められているため、無制限交代は多少関連性が低いだろう。純粋プレー時間はより公式戦のためのもの。時間罰については誰もが熱狂的な訳では無いが、モラルの観点から考えるのは興味深いかもしれない」
「この主題はまだ国際的には議論になっていない。いま我々は初めてこのルールでプレーするトップ選手たちの映像を得た。これが国際的な議論になる事に役立つのを願っている」

 

現実的な可能性は?

純粋プレー時間: 所謂timekeeperがいれば非常に有効なルールだが、いないと実践的にかなり難しいため、未だに現実的とは思えない。

プレーを止めない無制限交代: 交代の手続きとタイミングを完全に選手側に委ねることで交代時の煩雑さが無くなる一方で、フィールド上でいま誰がプレーしているのかの確認が困難に。主審としては完全に手に負えず、第4審判にその管理を全面的に委ねる形になるが、そもそも第4審判の存在が必須になるのが現実的かどうか・・・

時間罰: 純粋プレー時間での5分間は『非常に』長かった。イエローカードかどうかで比較的誤審が多いのを考えても、それに対して試合結果を十分左右しかねない罰を与えるのは非常にリスクの高いルール。IFABはテストを進めているが、論理的に純粋プレー時間と併用が前提のルールという印象も強く、まだ現実味が無い。

セルフパスとキックイン/ドリブルイン: プレーを加速させるのは確か。今回のトーナメントではそれほど戦術的なインパクトは無かったが、多少慣れが必要というのもあるだろう。競技の性質は変わらず、特にストレスの溜まるスローインの廃止はむしろその純度を高める。何よりも導入が非常に容易なルールでメリットが大きいため、IFABがいつやる気になるかだけの問題という印象。