Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

KNVBが新ルールテストのためにFuture of Football Cupを開催 (I)

今週 KNVBはZeistのKNVB Campusで国内外のチームの協力により、「将来の新ルール」テストのためにFuture of Football Cupを開催。水曜午後に最初の2試合が行われた。残り2試合は日曜日に行われる。

 

テストされた「将来の新ルール」は以下の5つ。
1. Tijdstraf: 時間罰 (イエローカードを受けた選手は5分間の退場処分となる)
2. Intrap of indribbel: スローインに代わりキックインまたはドリブルイン
3. Selfpass: フリーキックとコーナーでのセルフパス (リスタートを行った選手が再びボールに触ることができ、ドリブルでのリスタートが可能に)
4. Vliegende wissels/doorwisselen: プレーを止めない無制限交代 (4th officialでは無く、交代で入る選手が交代する選手の背番号が示されたボードを掲げ、インプレー中の交代が可能。一度交代しても再びフィールドに戻ることもできる)
5. Zuivere speeltijd: 30分x2での純粋プレー時間 (中継画面とフィールド横のスコアボードの時計も同期され、プレーが行われている時だけ時間が消費される)

 

時間罰はすでに数年前からIFABがテストを進めており、交代の迅速化と純粋プレー時間もよりフェアにするための有力な手段として検討されている。一方でキックインとドリブルイン、セルフパスはKNVBがホッケーでの大成功から数年前から独自にテストを行い、フットボールでも容易に導入でき、よりスピーディで魅力的な競技にできるとIFABに提案している。

 

Jong AZ - RB Leipzig O19/O23 6-0
Scoreverloop: 38. Barasi 1-0 (pen.), 43. Margaret 2-0, 46. Sedláček 3-0, 54. Dekker 4-0, 55. Griffith 5-0, 55. Barasi 6-0.

 

終始ボールを持ったJong AZがなかなかチャンスを作れなかったが、後半RB Leipzig O19/O23の愚かなファールにpenalty判定で先制。数分後にRB Leipzigの選手が警告を受け、時間罰による数的優位を得たJong AZが5分間の内に2得点。終盤にもRB Leipzigの選手が再び警告を受け、Jong AZが結局10人相手に計3得点を決めて勝利。

www.youtube.com

 

ドリブルインを試みるもボールが停止しておらず主審がやり直しを指示。そこからキックインで一気にチャンスに。
https://youtu.be/8sbYsdeLWt0?t=958

 

RB Leipzigの選手に警告で5分間の時間罰
https://youtu.be/8sbYsdeLWt0?t=5185
https://youtu.be/8sbYsdeLWt0?t=6029

 

Jong AZが5人を同時に交代した際の様子
https://youtu.be/8sbYsdeLWt0?t=5942

 

Richonell Margaret
「新ルールは最初ちょっと慣れが必要だった。スローインのところをドリブルできるのは良いね。すぐに再開できる。そのせいで試合はフィジカル面でかなりタフになった」

 

Jong PSV - Club Brugge O19/O23 3-4

フィジカルの強い相手に序盤 Jong PSVが劣勢でビハインドを背負ったが、ドリブルインからの縦パスで抜け出した選手が倒されてClub Bruggeのkeeperに警告とpenalty判定。同点にしたJong PSVがその後の5分間で数的優位を活かせなかったが、グリップを取り戻し、後半交代策の末に優位に立って逆転勝利。

www.youtube.com

 

Club Bruggeにkeeperに警告で時間罰。控えkeeperと自動的に交代になるため、代わりのフィールドプレイヤーが時間罰を受け、警告を受けたkeeperは通常のベンチに座って控え選手扱いになり、後半途中で交代により再び出場。
https://youtu.be/hna7kyVcH34?t=1301
https://youtu.be/hna7kyVcH34?t=5269

 

Club Bruggeのキックインでの大きな展開
https://youtu.be/hna7kyVcH34?t=768
https://youtu.be/hna7kyVcH34?t=968

 

前半残り16秒でキックイン/ドリブルインを得たJong PSVがゴール前に選手を上げてキックインもクリアされ、Club Bruggeがカウンターで大チャンスを得たが時間が切れて前半終了の笛。
https://youtu.be/hna7kyVcH34?t=3134


・キックインとドリブルイン、セルフパスの効果はすでに明白
スローインという非フットボール的要素を排除し、純粋なフットボール能力を活かせ、さらにプレーのスピードアップにも繋がると「競技の魅力」へのプラス面が非常に大きいルールなのはこれまでのテストでも証明済み。今日の試合では無謀なドリブルを仕掛けて即ボールを失うというシーンも少なくなかったが、スローインでは不可能なキックインでの大きな展開など、選手たちが慣れることで新しい戦術と魅力的なプレーが生まれる可能性が大きい。

 

・重すぎる時間罰
純粋プレー時間時間での5分間は予想以上に長く、警告が試合結果を大きく左右することになる。警告になる激しいファールを減らしてよりクリーンなフットボールを目指すという方向からすれば、選手側が時間罰を怖れて「大人しいプレー」をするようにはなるだろう。その結果 過度なコンタクトが避けられることでフィジカルよりもフットボール能力で試合が決まるようになる可能性はあるが、果たしてそこまでやる必要があるのかと思えるほど試合への影響が大きい印象。

 

・スムーズな交代手順
チームスタッフが4th officialに伝え、いちいちボードを掲げて交代選手を1人1人示すのは煩雑であり、その過程でのミスコミュニケーションで交代を行えないという状況も時にあることを考えれば、この通常の手順自体を省けるこのやり方はスピードアップになるだけで無く、チームにとっても審判団にとっても得るものが多いルールだろう。ただ逆に主審には全く交代が確認できないため、4th officialの存在が必須になる・・・