オランダ代表にとってWK予選のスタートはSolnaでフラストレーションの溜まる夜に。相手より遙かに優勢でありながら、無様なゴールを与え、ロスタイムには不当なゴール取り消しを受け、その結果1-1での1ptに甘んじなければならなかった。
Solnaでの試合は予選のさらに続く9試合への序章だけで無く、即座に”決定的な”意味を持つ試合でもあった。ロシアでのWKへの直接枠はグループウィナーにしか与えられず、混沌とした状況と木曜のギリシア戦の敗戦(1-2)もあり、敗戦が痛い以上の結果であるのは明らか。
ボンズコーチ デニー・ブリントはギリシアとの練習試合から7つのポジションで入れ替えを行い、ダリル・ヤンマート、フィルジル・ファン・ダイク、デイヴィ・クラーセンらがスタメンに。
スウェーデンの最大の不在はズラタン・イブラヒモヴィッチ。スウェーデンの歴代トップスコアラーである元アヤックスなどのスピッツは先のEKの後に代表チームに別れを告げており、ジョン・グイデッティ、マルクス・ベルフ、アンドレアス・グランクフィスト、オスカル・ヒルイェマルクといった、かつてオランダで糧を得ていた元エールディヴィジの選手たちがスタメンに並んだ。
前半を見た者なら、スウェーデンがリードしてHTに入ったのはほとんど信じられなかっただろう。オランダは間違いなく前半良いプレーをし、スウェーデンに苦労したのはたった1シーンのみ。オランイェは開始5分でクラーセンが大チャンスを得て夢のスタートを切ることもできたはずで、その後もこのアヤクシートが再び素晴らしい攻撃の最終地点となったが、そのヘディングにはパワーもコースも無かった。フィンチェント・ヤンセンの強烈なシュートとヴェスリー・スナイデルの見事なシュートでオランダは完璧に圧倒していたが、ただ最も重要な、ゴールを決めるということだけが欠けていた。
それでもHT前にゴールは生まれたが、しかしスウェーデンの側に。ケヴィン・ストロートマンの無様なボールロストで先制のチャンスを得た元PSV’er マルクス・ベルフが美しいロブ。オランイェの置かれている苦しい時期を象徴するシーンと言えるだろう。
自信を失っていたオランイェにとって厳しい一撃であり、良いプレーをして十分なチャンスを作っていてもビハインドを背負ったことはフラストレーションでもあったはずだ。これで後半は自分たちがゴールを決めてもうチャンスは一つも与えないのが任務なのは明らかに。
オランイェは再び多くボールを持ったが、チャンスは多く生えられず。クラーセンとファン・ダイクのヘディングの後、「一度遠目から狙ってみよう」と考えたヤンマートの左足の強烈なシュートをスウェーデンのGK Olsenが対処しきれず、リバウンドからスナイデルがしっかり決めて1-1.
終盤オランダは何とかもう1点決めようとし、残り5分でバス・ドストにこの試合最大のチャンスもシュートはバーの上に。ロスタイムに入った瞬間、この途中出場者は確かにゴールを決めたが、相手を押したという非常に疑わしい理由で得点は認められず。これで最後までSolnaの夜はフラストレーションの溜まるものとなった。
同じグループではベラルースがフランスと引き分け(0-0)、ブルガリアがルクセンブルクに4-3で勝利。10月7日にオランイェはベラルースをホームに迎えて次の予選を戦う。
Statistieken:
Zweden-Nederland 1-1 (1-0).
Scoreverloop
42. Berg 1-0, 67. Sneijder 1-1.
Scheidsrechter: Orsato (Italië)
Gele kaart: Lustig, Granqvist (Zweden), Strootman, Van Dijk (Nederland)
Opstelling Nederland
Zoet; Janmaat, Bruma, Van Dijk, Blind, Strootman, Klaassen, Wijnaldum (66. Dost), Sneijder, Janssen, Promes (78. Berghuis).
http://www.onsoranje.nl/nieuws/artikel/21202/gelijkspel-oranje-zweden-1-1
デニー・ブリント
「1-3か1-4の勝利がごく普通の結果。1-0になるまえに自分たちで勝負を決めなければいけなかっただろう。彼らはほとんどチャンスを得ていなかったし、セットプレーに賭けるだけだった」
「ストロートマンがミスをしたのは確か。私はそれ以上彼について触れることはしていない。彼もすでに十分分かっていた。あの失点は痛かったが、HTはこのまま同じやり方を続けなければいけないと強調した」
「我々のプレーには満足しているが、ただ自分たちに報いることだけ忘れていた。最後にはドストのシーンに主審が立ちはだかった。彼はかなり良い笛を吹いていたと思うが、あれは彼の信じられないミス。紛れもないゴールだった。だがこれもあり得ること。我々がフィニッシュを決められなかったのが残念。間違いなくここで2ptsを失った」
ヴェスリー・スナイデル
「僕らの側に運が無かった。特に前半。優勢だったけど、ゴールは反対側に決まった。ドストも普通に体を上手く使って上手くヘディングを決めたと思う。あれで相応しい勝利を得ていたはず」
「僕らがやり続けたプレーの仕方に対し、チームは賞賛に値すると思う。プレーには満足?少なくとも負けはしなかったけど、もっと良い結果が欲しかった」
ケヴィン・ストロートマン
「信じられないミス。自分がしたことが分からない。2ptsを失ったのは僕の責任だ。ボールをクリアすべきだった。間違いなく僕のミス。普通なら自分には無いこと。ここで引き分けたのは完全に自分の責任。僕のミス以外、僕らは全く一つのチャンスも与えていなかった」
「ドストのゴールは認められるべきだった?他人のミスについて話すのは僕の仕事じゃ無い。僕は自分のミスについてだけで中武運。それ以外、この試合について語ることは僕にはそれほど無い」
バス・ドスト
「紛れもなくゴールだったと思う。ヘディングの時に多少押し合うのはいつものこと。あれがファールなら主審はもっと頻繁に笛を吹くことになる。ああいう競り合いはごく普通」
あからさまにブリント解任の流れになってましたが、普通に新チームのスウェーデンがクオリティ不足だったのと、スナイデルの偽左バイテン起用が完璧に機能してなかなかの好内容。チャンスを逃しまくったクラーセンと致命的ミスを犯したストロートマンのせいで引き分けになりましたが、これでとにもかくにも一旦沈静化…はしないでしょうけど。
ヨリトスマが留任になる可能性がまだありそうですが、新アシスタントを決めるまで、もしくは決めてからもまだまだいつも通りのゴタゴタが続くはず。
ほとんど全てスナイデル一人でプレーを作っていた試合ですが、ストロートマンのキープ力と展開力が働いているのに対して、ゴール前に走り込むだけのクラーセンとワィナルドゥムの二人はほとんど存在感が無し。実際彼らのプレーエリアでチームがプレーをしていないのでほぼどうにもなりませんが、それなら2コントローラーでストロートマンが上がった時のリスク管理をした方が普通に良い気が… このやり方をどれだけ信じられるかはもう少し強いチームとやってみないとなんとも言えませんねぇ。
スウェーデンはカウンターでもう少し良いパスを出せる選手と、スピードで脅威になれる選手がいれば、という印象。グイデッティにシュートチャンスがほとんど無かったのが残念。