フットボール解説者を続けたければ時々でもスタディオンに試合を観に行かないといけない。そうしないと、自分が誰に向けて話をしているか見失うことがあるからね。
そう私は昨日のデ・カイプにいて思ったよ。良いところも悪いところもたくさんある楽しい試合だった。両チームとも試合を決められる選手を大勢欠いていた。個人的にもクーマンが怪我のフェルナンデスに代えて小さなアシャバールを投入したのには驚かされた。この若者は空中戦もスペースへの動きでもノーチャンスだったし、まだまだ多くを学ばないといけない。おそらくシセをスピッツに入れてサイドにカブラルかフィリェナを出した方が良かっただろう。
だが戦術の話は一旦置いておく。昨日の午後は正真正銘の真剣勝負だった。AZにも同情の気持ちを抱いているよ。フェルベークは1年間素晴らしい仕事をしてきたが、最後の最後に滑り落ちようとしている。トゥエンテで起きていることは私は監督だけの責任だと思うが、AZは全くの不運。モイサンデル、エルム、ベーレンスが揃っていなければほとんど上手く行かない。フェイエノールトも重要な選手たちを欠いていたが、ムルデル、クラーシ、フラール等がその穴を埋め合わせた。昨日の彼らのプレー振りは信じられないの一言。フェイエノールトは正当な勝利だったと思うが、スタディオンにいた人々こそ最大の勝利者だろう。
解説者としてはそうそうスタンドで人々の中に入っていくべきではないんだ。特にフェイエノールトではゴール裏からスカイボックスまで、人々の熱意があまりにも激しすぎるからね。私の周りにはベン・ワインステーケルスやロベルト・エーンホールンがいた。一方はフェイエノールトで、もう一方はニューヨーク・ヤンキースでプレーしていたトップアスリートだったが、二人ともフェイエノールトが上手く行かないとほとんど立ちっぱなしになり、フェイエノールトがシュートすると狂った子供のように飛び跳ねていたよ。それはそれで素晴らしい事だが、私はそのシーンを理解しようと自制して頭を働かせてしまうんだ。でも自分のクラブが重要な試合に勝てば嬉しいし、最高の気分になるのがフットボールというもの。
一旦落ち着いて話を戻そう。順位を見てアヤックス、フェイエノールト、PSVが並んでいることに私は喜んでいる。AZとトゥエンテの成功も私は認めているが、やはりこういう順位でないと。彼らが私たちの国の三大クラブだからね。フェイエノールトはここまでやってきた挑戦を続けていかなければいけない。普通に考えればトップ4には入るし、3位になれば素晴らしい結果。来シーズンは古くからの習わし通りアヤックスとティートルを争わなければいけない。昨年は最大の失望だったが、私はこの午後のデ・カイプに再び太陽の光が見えた。