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トゥエンテ・ソープ決着。抗議委員会が土壇場でトゥエンテ残留を認め、スーパーブーレンがまさかの降格へ!

ライセンス委員会のFC トゥエンテのジュピラー・リーグ降格処分への抗議を受けて行われていた抗議委員会は金曜日に結審。トゥエンテに追加で181.000ユーロの罰金処分を科し、2016-2017シーズンもエールディヴィジ残留を認める決定を下した。これにより入れ替え戦で敗れていたデ・フラーフスハップがジュピラー・リーグに降格することになる。

 

一連のトゥエンテ問題はライセンス委員会のジュピラー・リーグ降格処分という良くも悪くもオランダらしいバランスを取ったどっちつかずの決定と、トゥエンテがKNVBを訴えた民事裁判で6月10日に訴えを退ける裁定が下されたことで、トゥエンテの降格はもはや免れないものと思われていた。巨額の負債を抱えるトゥエンテはジュピラー・リーグ降格の場合の契約改定条件を契約に盛り込んでいないため、降格によって大きく収入が減った場合には財政破綻を申告する他無いと明言。6月16日のDe Telegraafにはトゥエンテを財政破綻から救おうとオランダ・フットボール界とそれ以外のスポーツ界から著名人数十人が救済を訴える一面広告を出して話題になっていた(その中にはトゥエンテの降格処分は適切と語っていたエールディヴィジ各クラブの運営陣の名前も含まれていた)。

 

争点

民事裁判と今回の抗議委員会で争点になったのはライセンス委員会が2015年12月にトゥエンテに対して通達した、「5月までにクラブの過去を全て公表して清算した場合にのみライセンスを維持できる」という『清浄化通知要求』の解釈。トゥエンテは確かにこの要求を満たしはしたが、「2015年12月以降もトゥエンテの過去の不正が次々に新たになった」のは当然無視できないポイントだろう。

 

民事裁判の判決では「2015年12月の時点でKNVBはトゥエンテのエールディヴィジ・ライセンス剥奪を条件付きで決めており、トゥエンテとの間でさらなる調査を行うことで合意した。クラブは2016年6月1日までに過去の汚点を明らかにすれば罰せられないと考えたが、トゥエンテは12月の決定を免罪状として捉えるべきでは無かった」と判断され、トゥエンテの訴えは退けられていた。

 

さらに「ライセンス委員会のルールではジュピラー・リーグへの降格処分はできない」というトゥエンテの主張に対しても、裁判所は「ライセンス委員会はライセンス剥奪を適切な罰と考えたが、これはトゥエンテの財政破綻も意味し得る。そのためライセンス委員会はクラブをジュピラー・リーグに戻し、トゥエンテに新しい将来が生まれることを期待した。ライセンス委員会にはこの裁定を行うだけの理由があった」とし、この処分が可能だと判断した。

 

では抗議委員会でなぜ全く逆の決定が下されたのか?

抗議委員会は「12月の『清浄化通知要求』が通知された段階で、ライセンス委員会とトゥエンテの間に解釈の重大な違いがあった」と指摘。「トゥエンテは2015年12月から2016年4月の間の期間でクラブが公表した不正はライセンス委員会の処分査定に含まれないと解釈したが、ライセンス委員会は実際それを含んで審議していた。トゥエンテは12月に決定された条件を完全に満たしており、新たな不正の証拠が出たのもその結果」と判断し、抗議委員会はトゥエンテのライセンス剥奪は重すぎる処分として、12月から5月までに新たに出た不正についてそれぞれ最高額、計181.000ユーロの罰金を科すと決定した。

 

すでにオランダ・プロ・フットボール界全体を巻き込んでの長い騒動となっているが、これによって最後まで付き合わされた形になったデ・フラーフスハップの降格が決定。これだけ長引いた全ての責任は当事者のトゥエンテと当然KNVBにあるのは明白であり、デ・フラーフスハップも裁判に訴える可能性を検討しているが、新シーズンに向けてもはやここから時間を巻き戻すのは不可能に近いタイミングと言える。もちろんそれでも今回のプロ・ライセンスの扱いは多くのクラブに禍根を残したことも間違いない。

 

http://www.knvb.nl/nieuws/betaald-voetbal/licenties/18882/beroepscommissie-fc-twente-behoudt-licentie-en-krijgt-boete

 

デ・フラーフスハップ コマーシャル・ディレクター マルティネ・ザイル:

「何週間も希望と不安の間で生きていて、最後がこれだ。しかし我々はまだ終わっていない。弁護士と共に何ができるか検討する」

「ライセンス委員会の決定がこれで完全い覆されたのは信じがたい。この決定は全てのクラブのライセンスに混乱を起こすものだ」

「トゥエンテが財政破綻の危機だと叫んだことが抗議委員会の決定に影響した?そう思うね。この数日行われたロビーが大きな役割を果たした」

 

デ・フラーフスハップ テクニカル・マネージャー ペーター・ホフステーデ:

「残念だし驚き。まず第一にライセンス委員会がトゥエンテは降格処分と判定した。賢い人々で構成されている組織だ。そして民事裁判でもライセンス委員会が正しいと判定されたのに、いま抗議委員会が全く逆の決定を下した。こちらも賢明な人々で構成されているはず。だからこそ彼らが『ライセンス員会は全て間違っている』と言うのは驚きだ。おかしな話」

 

「我々は27日間にわたって人質状態にされたんだ。エールディヴィジでプレーするのかエールステ・ディヴィジでプレーするのか不透明な状態が続いたんだ。だからこそこの決定は非常に奇妙。私はこの決定は全く予想していなかったし、誰も予想していなかっただろう。我々はこれからどうすべきかを検討し、弁護士と話し合う。どうすべきか議論する」

 

トゥエンテ 暫定ディレクター オンノ・ヤコブス:

「もちろん抗議委員会のこの決定を受け入れるよ。FC トゥエンテが過去に実行されたポリシーを恥じているということはもう一度強調しておきたい。そこに議論の余地は無い。それに対してトゥエンテが罰金を払わなければならないのも正当な結果。我々はこれで過去に一線を引き、KNVBや他のクラブと共に一体となって進んでいけることを願っている」

 

トゥエンテ アシスタント・コーチ ユーリ・ムルデル:

「これはとてつもないソープであり、KNVBが自ら引き起こしたもの。フットボール国としてのオランダはバナナ共和国のようなものだ。しかしデ・フラーフスハップも文句は言えないだろう。彼らの降格はスポーツ面での結果」