3シーズン連続でCL出場権を逃して2000万ユーロの負債が報じられたPSVだが、火曜日にアイントホーフェン市が約5000万ユーロの財政援助計画を可決。各スポンサー、銀行からの援助は総額8000万ユーロに昇ると見られており、裏技的手法で危機的な財政状況から一転、夏の移籍市場で大きな動きを見せた。
バラーシュ・ジュジャクの移籍と、ベテランのオルランド・エンゲラールが放出候補になっている事から、以前から目を付けていたFC ユトレヒトのドリース・メルテンスとケヴィン・ストロートマンに猛アタック。1度は二人合わせて1000万ユーロのオファーを拒否されたが、二人合わせて1300万ユーロに提示額を上げてユトレヒトと合意。さらに返す刀でフェイエノールトのフローテ・タレント ジョルジニオ・ワィナルドゥムの移籍でも約500万ユーロでほぼ合意と1日で大補強をほぼ確定させた。
PSVはメルテンスとはすでに4年契約で合意済みであり、メディカル・チェックを済ませて水曜日中にサインに至る見込み。ストロートマン、ワィナルドゥムとも水曜日中に交渉を全て完了させたい意向だ。
ユトレヒトの補強は?
2年前にメルテンスを60万ユーロ、半年前にストロートマンを85万ユーロで獲得したユトレヒトはクラブ史上まれに見る大きな収益を得て、これから市場活発な動きを見せるだろう。シルバーバウアーに続きストロートマンと昨シーズンのスタメン・コントローラー二人を失ったことから、まず獲得候補に挙げているのがADOの『ダイナモ』イェンス・トールンストラとヘーレンフェーンのタレント ヘールト・アレント・ロールダ。特にロールダは根っからのフリースであり、ヘーレンフェーンをマイン・クラブとして愛しているが、昨シーズン監督のロン・ヤンスから戦力外扱いでエクセルシオールへレンタルに出されたことから関係は未だ上手く行っておらず、ユトレヒトへの移籍の可能性を排除してはいない。
その他にユトレヒトはADOのCB ティモシー・デライク、そしてデ・フラーフスハップのウィンガー スティーヴ・デ・リデルを狙っている。
フェイエノールトの補強は可能か?
フェイエノールトはユトレヒトに比べて遙かに難しい立場にある。クラブ財政はいまだカテゴリー1でKNVBの管理下にあるため、ジニ・ワィナルドゥムの移籍金も全てそのまま負債返金に使われて移籍市場に回すことは不可能。フリーやレンタル以外の選手を獲るには投資家の援助が必要になる。
しかしセレクションで唯一の『10番』の穴は絶対に埋めなければならず、フェイエノールトは以前からリストアップしているNECのトップ下 ラッセ・シェーネ獲得をVvFの力を借りてなんとか成功させたいところ。
フェイエノールトはリロイ・フェルもFCトゥエンテに狙われており、ジニ・ワィナルドゥム同様契約延長が成らなければ移籍の可能性は大きいが、コントローラーの駒は揃っているために代わりを探す必要は特にないだろう。