三度目の正直。これが現実にならないことは度々あるが、残念ながらフットボールにおいても同じだ。我々はUSAでの1994年、フランスでの1998年の2回のWKでブラジルに敗れたが、三度目の今回はこのチームに立てるとは確信できるという事にはならないのだ。そうだったら簡単なんだが。これまでの結果がこれからの結果を保証するものではない、という事と似たようなものだ。一つ一つの試合はまったく別のものだからね。
簡単な試合にはならないのは明らかだ。実際私の目にもブラジルが有利に見える。本当に良いチームだよ。特に右バックのマイコンが上がってくる右サイドは非常に危険だ。そして良いパスを出すクリエイティブなブレインであるカカ、スピッツにはフィジカルが強いファビアーノ。オランダは汗をかかなければならないだろう。さらにブラジルには危険なセットプレーもある。
ウェズレイ･スナイデルとロビン･ファン･ペルシのちょっとした衝突の後にすぐ話をさせたベルト･ファン･マルワイクについて、私は賢明だったと思う。悪くなかったよ。他の優勝候補よりも彼はずっと上手くチームをまとめている。決していつもみんなああいう適切なことができるわけではない。クリスチアーノ･ロナウドを見てみるといい。火曜日のスペイン戦で敗れた彼は、自分に相応しい振る舞いをすべきだったが、彼にはできなかった。背負うものがあまりにも重かっただろうが、私はロッベンのような者ならプレッシャーを上手く操れると思っている。ああ、彼はベドム出身だね。非常に冷静だ。彼は自分の周りをそれほど熱くしないようにしている。
私はブラジルの優勢に賭けている。チームとしてもこのトーナメントで成長してきているからね。ボンズコーチのドゥンガの影響が大きいだろう。元々彼はDFであり、モノの考え方が違う。彼はブラジルをとてつもなくソリッドにした。それが彼の目指す所だったんだろう。そのために彼はロナウジーニョのようなタイプを国に置いてきたんだ。彼にとってはチームの利益が全てに勝るんだ。それは今のところとても上手く行っている。彼らは本当のチームになった。そして今やソリッドなだけでなく、良いプレーもし始めている。
でもオランダにチャンスが無いとも私は思わないよ。そうでなかったらここまで来ていない。重要なのはブラジル人たちをゴールから遠ざけておくことだ。チリはそれができず、そして結局飲み尽くされた。それにオランイェはかなりコンパクトにプレーしなければならない。みんなが距離を近くすることで、マークの受け渡しも上手く行くだろう。例えばジョバンニ･ファン･ブロンクホルストはおびき出されないように注意しなければならない。彼らはそうやってくるだろう。右ウィンガーがウロチョロした場合は、中盤の（マルク･ファン･ボメルとナイジェル･デ･ヨングの）ブロックがしっかり捕まえなければならない。そうすればファン･ブロンクホルストはフリーでいられる。そうだ、左サイドには攻撃のためのスペースができて、ファン･ペルシのポジションまでボールを運べるだろう。
そうやってMFとDFがお互い上手くやれば、ロッベン、カイト、スナイデルにもチャンスがやって来るはず。後は特に不必要にたくさんボールを失うことをしなければ勝てるかもしれない。リードを奪われないことが重要だろう。そうなると彼らがカウンターというメスで脅してくるのは間違いない。ブラジル人はスピードもあるし、そうなるとスペースも無くなってしまう。そう、それは本当に問題だ。でも全てが上手く行けばオランイェは勝てるし、決勝への道が開かれる。「何もかも終わりだ」と言われるよりは良いんじゃないかな。
