ロシアでのWK 2018はオランダ代表とオランイェレヒューン抜きで行われる。スウェーデンがルクセンブルクに8-0勝利した時点ですでにハッキリしていたが、火曜の夜のアムステルダム・アレナでオランイェのWK出場の野望は正式に消滅。オランダは特に前半に素晴らしいプレーを見せて2-0で勝利したが、WKチケットを得るには不十分だった。
奇跡への望みはオランイェにとってスウェーデン戦を前にすでに存在しなかった。それだけの大差で勝つことがあり得るか?いや、キャプテンのアルイェン・ロッベンも「7-0は無い。最も重要なのは自分たちが良いパフォーマンスをすること」とコメント。ボンズコーチのディック・アドフォカートはまだ諦めない姿勢を崩そうとしなかったが、それも「『どうしようもない』と最初から思っていては良いプレーはできない」という理由からだった。
それらの言葉は耳の遠い人々に向けてのものでは無く、先日亡くなったアムステルダム市長 エベルハルト・ファン・デル・ラーンへの1分間の静寂の後、オランイェはすぐさま主導権を取る。非常に躍動的なロッベンのリードのもと、スタートから相手を後方に押し込め、数回チャンスを逃したものの、15分過ぎにボールがペナルティスポットに置かれた。
そのボールの前にロッベンが立ち、短い助走のからパネンカを決断。これはほぼ完全な失敗に終わったが、ボールが上手く飛んでくれたことでネットが揺れ、オランイェは望んでいたとおりの早々の先制。
しかし次のチャンスはオランダにではなくビジターチームに。マルクス・ベルフが完全にフリーでヘディングを放ったが、オランダ代表にとっては幸運なことにボールは正確にヤスパー・シレセンの手の中に収まった。その後はオランイェが再び攻勢に。ロッベンのFKからボールがジョルジーニョ・ワィナルドゥムの足元に落ち、このMFがシュートしようとしたが、最後の瞬間にブロックされてしまった。
スウェーデンのDF陣はケニー・テーテが得た大チャンスにほとんど対応できなかったが、このDFのシュートはRobin Olsenの守るゴールを大きく上に超えてしまった。チャンスでの精度が全く違ったのはその数分後。ライアン・バベルが左サイドでフリーになり、ペナルティエリア際に加速してくるロッベンを発見。左バイテンの出したボールにロッベンがフェノメナールなシュートでOlsenを破り、そのクラッセを披露してみせた。
HT明けにオランイェはフィンチェント・ヤンセンに代わってバス・ドストを投入し、さらにゴールを目指す。しかしこのスピッツに何度もボールを届けてることに成功するも、そこから大きなチャンスはほとんど生まれなかった。スタンドから「アレス・オフ・ニーツ」が響いたが、時間が進む毎に素晴らしいサプライズへの希望は消えて行き、スウェーデンも散発的に空を破ったが、シレセンを本当に慌てさせることは一瞬も無かった。
最後なのはロッベン自身も同じ。オランイェレヒューンによって個人的声援を受けていた彼はもう1回スピードを活かして突破を見せたが、難しい角度からのシュートはOlsenを破るには速さが足りなかった。レヒューンはそれも気にせず、スタンドからの「ロッベン、ロッベン」の大歓声は「ロッベン、ベダンクト」に変わり、試合終了の笛、そしてオランイェがこれまで得た史上最高の選手の一人がピッチを1周するまで止むことは無かった。
オランイェは勝利も予選敗退に終わったが、それでもオランイェレヒューンとの今予選のお別れを良い形で終えることができたと言えるだろう。それだけでなく、UEFA係数ランキングで12位に勝ったことがより重要な意味を持ち、オランダはWK2018の後に開催されるNations League Aに入ることができる。
Nederland - Zweden 2-0
16’ Arjen Robben 1-0
40’ Arjen Robben 2-0
Opstelling Nederland:
Cillessen; Tete (71’ Janmaat), Van Dijk, Rekik, Aké; Wijnaldum (71’ Klaassen), Blind, Vilhena; Robben, Janssen (46’ Dost), Babel.
アルイェン・ロッベン
「(試合後に子供たちとピッチを周り)楽しんだよ。変わった、でも難しい試合だった。ほぼ不可能だったけれど、まだ何かすることがあったからね。自分のラストというのは十分良く分かっていた。試合前から、何もかもこれが最後だと実感してとても苦しい気持ちだった。でも『もう一度』自分の力を見せたかったんだ。それができた。僕は本当に良い試合をしたと思う。これこそが僕がオランイェで14年間見せようとしていたもの」
「代表引退は昨日今日ではなく、かなり前から考えていたこと。何度も引退を考えたけど、その度に続けることにしていた。その選択に後悔は全く無い。良い形で終わりたかったんだ。これからはクラブに集中したい。フィットしていると感じているし、なるべく長くトップでプレーしたい」
「今日はもう少しで3点目も決められたんだけどね。そうすればちょっとハットトリックを決めて引退したディルクみたいだろ。でも彼はカンピューンになったからね。それがとても悔しい。僕らもその夢を持っていたんだけど」
ディック・アドフォカート
「契約延長の可能性?ルイと同じ。『絶対に無い』とは言わない。お別れはしたが、まだだ。少なくともあと1ヵ月ある。あとはKNVBが良い候補を見つけないと」
「ロッベンから試合前にこれが最後の代表戦と聞いていた、しかし『多分』とほのめかしてもいたよ」
「先制後に我々にはまだ5回のチャンスがあったし、そこで1,2点は取らなければいけなかった。後半はエネルギーが落ちてしまった」
「私が失敗した?そう思うならそう書くべき。WKに進むために私は就任し、それは適わなかった。どこに問題があったか?我々はフランスに勝てなかったが、彼らの方が上であり、そこは私にはどうしようもない。前もって我々は5試合中4試合に勝てばPOに進めると考えていた。そしてそのとおりの結果を出した」
「来月の練習試合で今のセレクションを続けるが、選び直すか。いまのチームの大部分はまだ良い年齢。しかし彼らにまだこの先代表に何をもたらすことができるか?それを考えなければいけない。ブリントは中盤で素晴らしいプレーをしたと思う。どうすればこのチームで最高の結果を出せるかを考えなければいけない」
オランダ・フットボール史上最高の選手の一人 ロッベンが綺麗にお別れ。
試合自体は最近の中では割とまともに、全員それなりにやる気を見せて無難に勝利。ヤンセン、ワィナルドゥム当たりに現状ゴールの雰囲気が無いので、この先 誰がゴールを決めるのかというのが差し当たっての問題でしょうか。あとはブリントが久~しぶりに6番を務めてさすがのプレー。そろそろ諦めて固定して代わりに左バック問題で悩んだ方がマシという結論になりそうです。
ということでヨング・オランイェの予選も微妙な状況の来月はどんな選考になりますか。