ビデオ判定が導入
2018-2019シーズンの大きなトピックがビデオ判定の導入だったのは間違いない。特にシーズン前半は様々な議論を引き起こし、終わってみればレッドカードは67枚、ペナルティキックは103回と、どちらも記録的な数字に。近年の比較ではレッドカードは57→47→67、ペナルティキックは77→84→103. 特にレッドカードはシーズン前半戦だけで39枚が出て、主審の判断に大きな影響を与えていたのは間違いない。イエローカードは908→930→895と近年の増加傾向にやや歯止め。そしてカードはどちらもシーズン後半戦には平年並みに戻ったため、ビデオ判定の長期的な影響は来シーズン以降を待つ必要があるだろう。実際選手たちのプレーにはほとんど影響していないという印象が強く、相変わらすルーク・デ・ヨングはセットプレーの度に引っ張られ、レッチェルトはほぼ常にVARが介入できない絶妙な線引きで相手を引っ張り、ベウヘルスダイクはペナルティエリア外で相変わらず激しいファールを続けて13枚のイエローカードを受けた。
得点数はさらに上昇
一昨シーズンの884(1試合平均2,9)、昨シーズンの960(1試合平均3,1)から1061(1試合平均3,5)と1997/1998以来久々の4桁に。トップ・トゥヴェーが合わせて200点以上と大きく稼いだのはもちろん、下位クラブでも軒並み40点以上と、ごく一部のクラブを除いてオープンな展開で主導権争いを好む傾向は依然健在。
ティートル争い
アヤックスがカンピューンスハップを制したのは誰もが予想した順当な結果。むしろシーズン終盤までもつれたのが意外だったと言える。今シーズンもフェイエノールトは低調なフットボールでウィンターストップを前に脱落し、PSVとアヤックスの争いになったが、新米監督 ファン・ボメルのもとで戦力的に不十分なセレクションで13連勝の好スタートを切ったPSVがシーズン後半戦で不安定になったのはやむを得ないと言える一方、アヤックスもなぜかウィンターストップ明けに怖ろしく不安定なプレーで次々と勝ち点を落とす謎の展開。巨額の投資で近年では圧倒的な戦力差を付けたにも関わらずフェイエノールト、ヘラクレス、AZに敗れ、特にデ・カイプでは6-2という赤っ恥の結果。シーズン前半にはトップ・トゥヴェーとそれ以外の差が広がりすぎたと大きな議論になったが、ウィンターストップ明けはそれを覆す結果となり、結局今シーズンもフェイエノールトを含む直接対決以外の結果がカンピューンスハップを決めた。
サブトップ
AZがシーズン前半に苦しみつつも年明けに巻き返し、順位表で完全に孤島と化したフェイエノールトには及ばなかったが今年も4位と安定した成績を継続。フィテッセとユトレヒトがそれぞれ苦労しつつもPO枠に問題無く入ったのも予想通りだったが、それに続くチームはおらず、近年の「大きな層の中位グループ」という傾向が顕著なシーズンに。VVVが8位、フォルトゥナが9位で年を越したのもそれを象徴する出来事だっただろう。長期的に見ても今後チーム力を大きく上げられるサブトップはおらず、トップ・トヴェーとの差はさらに広がりそうな雰囲気に。
残留争い
フォルトゥナ、デ・フラーフスハップ、エメンの昇格3クラブの争いになるかと思われたが、NAC、エクセルシオールがそれを上回る低調さ。シーズン前半戦はフローニゲンとPECも降格圏に入るなど、近年稀に見る予想外の大混戦だった。結局シーズン後半戦も巻き返せなかったエクセルシオール、デ・フラーフスハップ、NACがボトム・ドリー。エメンとフォルトゥナが見事に14,15位で直接残留に成功した一方で、エクセルシオールとデ・フラーフスハップはナーコンペティツィで競り負けて降格。この夏も3クラブの入れ替えと、下位クラブは長期的プランが立てられない苦しい戦いが続いている。
トップスコアラー争い
ルーク・デ・ヨングがリードしていたが、シーズン後半戦でスピッツ起用されたタディッチがPKを含めて追い上げ、逆にデ・ヨングは10番起用でしかもクロス供給源の両バックがフォームを失ったことで伸び悩んで両者28得点(タディッチは内PKで11得点)で個人タイトルを分け合う結果に。3位にダルマウ(19)が入り、特筆すべきは4位のエル・カヤティ。17得点12アシストで9位になったADOは彼がいなければ残留も厳しかったはず。
1 Ajax 28勝2分け4敗 得点119失点32 (+87) 86pt
(2. 15勝1分け1敗 得点60失点8 (+52) 46pt)
自分たちで育てたタレント重視から移籍市場に積極的に投資するポリシー転換により、資金力にモノを言わせた圧倒的戦力差ながら最終節まで持ち込まれたのは恥だが、結果だけ見ればようやくのティートル奪還。テン・ハフがボス以上に攻撃的な采配を見せたこともあって無駄に勝ち点を落とした試合が多かったが、ハマった時の強さはCLで証明。シーズン序盤にドルベルフを見限りフンテラールがチャンスを逃し続けた結果、最終的にはタディッチのスピッツ起用でツィエクとネレスの両サイドとなり、ファン・デ・ベークを10番でスタメン起用できる好結果になったのが大きかっただろう。
問題はCLとこの夏の移籍市場での巨額収入をどう使うか。レヒターライチェを丸ごと買える別次元の資金力を得たが、戦力を保ちつつ補強するにはオランダ人市場だけでは明らかに無理があり、多国籍チームへ舵を切るか、フェイエノールトとPSVからも選手を買ってオランダのBayern München化の野望に突き進むか。
2 PSV 26勝5分け3敗 得点98失点26 (+72) 83pt
(1. 16勝1敗 得点60失点8 (+52) 48pt)
控え目な補強で戦力を落としてのシーズン。新監督 ファン・ボメルのもとで前半戦16勝1敗というほぼ完璧な成績も、後半戦は勝負強さに欠ける不安定な戦いぶりで勝ち点を落とし続けた。前半戦に中盤のスタメンをほとんど変えずなかったファン・ボメルが、後半戦は毎週のようにスタメンを入れ替え、イハターレンやサディレクといったタレント起用で試行錯誤を見せ、最終的にはルーク・デ・ヨングの10番起用に行き着いたが結果には繋がらず。ファン・ボメルは後半戦もプレーは悪くなっていないと言い続けたが、苦しい試合にも勝ち続けた前半戦に比べ、ウィンターストップ以降はあまりに簡単に勝ち点を落としていた。ただ現実的に見ればこのセレクションでティートルを獲るのはかなりの離れ業であり、特に守備ブロックが脆弱で、前半戦躍動したドゥムフリースとアンジェリーニョの両バックもトップチームでの1年目でシーズンを通してフォームを維持できなかったのもごく自然。普通ならカンピューンに十分な83ptsを得たことを讃えるべきだろう。
ズート、ベルフワイン、ロザーノら主力に移籍の可能性が高く、戦力を落とさないためにもこの夏はかなり大きな補強が必要なはず。
3 Feyenoord 20勝5分け9敗 得点75失点41 (+34) 65pt
(3. 11勝3分け3敗 得点35失点20 +15 36pt)
失望の昨シーズンからほぼチームを維持して巻き返しを狙ったが、結果的には昨シーズン以上に低調なフットボールでさらに迷走。トッパーでは突発的に爆発力を見せる一方でレヒターライチェ相手に次々に勝ち点を落とし、今シーズンも上位2チームに大きく差を付けられた。シーズン序盤にボエチウスを規律違反で放出し、シーズン中もベルフハイス、クラーシと規律違反での出場停止が続くなど、ファン・ブロンクホルストの統率力に陰りが見え、ファン・ヘールとファン・ブロンクホルストの退任で空気を入れ換えるのも必然と言える流れ。
新監督にヤープ・スタムが決定済みだった一方、肝心の新テクニカル・ディレクターは望んでいた候補は得られず、内部から長年クラブのテクニカル・ポリシーに関わっていたのシャーク・トローストが1年限定という形で就任する、近年のフェイエノールトらしい実に微妙な結果に。ファン・ペルシが引退、フィレーナが移籍濃厚など、ユース重視に舵を切ることはすでに決定済みで、新たな軋轢が生まれることは無い人事だが果たして・・・
4 AZ 17勝7分け10敗 得点64失点43 (+21) 58pt
(7. 7勝 4分け6敗 得点30失点26 (+4) 25pt)
ヤハンバクシュとヴェフホルストの穴が大きく、シーズン前半を終えて7位と苦しんでいたが、ウィンターストップ明けに素晴らしいフットボールを見せて5連勝で一気に3位まで上がって今シーズンも欧州戦の目標はさほど苦労せずに達成。その後再び調子を落としてフェイエノールトに抜かれたが、戦力的に見れば最大限の結果として十分満足できるものだろう。ブレイクが期待されたボアドゥがシーズン序盤で長期離脱、シーズン途中で長期離脱から復帰したステングスはまだ力強さに欠け、違いを作っていたイドリシもウィンターストップ以降次第に低調に。その中で奮闘したのはマヘルとマッツ・スーンチェンスで、それぞれコントローラーと流動的なスピッツとしてチームに大きく貢献。特に古巣復帰で復活したマヘルはフットボール能力の高さを見せ、国内トップレベルのMFであることを改めて証明。そしてオランイェのセレクションに定着しつつあるビゾット、後半戦フィットして力強さが戻ったフラールも評価されるべきだろう。
この夏は何よりもマヘルを引き留められるかが大きな鍵・・・だったがオファーを断られてどうやらお別れという厳しい結果に。ファン・デン・ブロムとお別れし、新監督にアシスタントのスロットが大きな期待を持たれつつ就任。
5 Vitesse 14勝11分け9敗 得点70失点51 (+19) 53pt
(5. 7勝5分け5敗 得点27失点21 (+6) 26pt)
新監督 スルツキが注目を集めたが、インタビューでユニークな語り口を見せる一方で感情的になるシーンも度々。ピッチ上でも決して手腕を納得させるパフォーマンスでは無く、特に総入れ替えとなった守備陣の脆弱さに適切なバランスを見つけられない時期が永く続いた。マタフスがフィットしなかったこともあり、結局途中で4-4-2にシステムを変更。その結果エーデーガールトを10番に置き、そのクオリティを最大限に活かせるようになったことでチーム全体のパフォーマンスも上がり、得点数が大きく上昇。シーズンの最後は怪我人が続出してPOs finaleでユトレヒトに完敗したが、スルツキ1年目は十分な成果を得られたと言えるだろう。
この夏はエーデーガールトがレンタルバック、キャプテンのリンセンが移籍濃厚と攻撃陣の再編が必要に。
6 FC Utrecht 15勝8分け11敗 得点60失点51 (+9) 53pt
(4. 8勝4分け5敗 得点30失点23 (+7) 28pt)
テン・ハフの退任でクラブイコン ジャン・パウル・デ・ヨングをアシスタントから監督に昇格させるも、選手グループの支持を得られずシーズン前半途中で解任という大きな失望の結果に。しかしそこから就任したアドフォカートの手腕はさすがの一言だった。信頼関係を築いて早々にチームをまとめ上げ、攻撃陣の明らかなクオリティ不足に苦労しつつも、層は厚かったことで選手たちを上手くやり繰りし、セレクションの最大限のパフォーマンスを発揮させることに成功、POsを制して欧州戦チケット獲得に見事に成功した。
この夏は新監督にファン・デン・ブロムが就任し、再び大きな転機に。
7 Heracles Almelo 15勝3分け16敗 得点61失点68 (-7) 48pt
(6. 8勝2分け7敗 得点33失点35 (-2) 26pt)
ドイツ人監督ヴォルムートを迎え、走力を活かしたコンビネーション・フットボール路線を継続。シーズン序盤にペーターソンが得点を量産し、ペーターソンの調子が落ちたその後はダルマウが定期的に得点を重ねた。クヴァスもやや不安定ながら10得点10アシストと存在感を見せ、攻撃陣は成功したと言えるが、守備が時にあまりにオープンになって大量失点する試合も度々。ドイツ人GK ブラスヴィッヒが度々好セーブでチームを救ったが、サブトップで争うにはあまりにもDF陣が脆かった。
この夏はクヴァスが去ることが決まり、ペーターソンはレンタルバック、ダルマウも移籍濃厚で攻撃陣の再編成に。
8 FC Groningen 13勝6分け15敗 得点39失点41 (-2) 45pt
(15. 4勝 3分け10敗 得点18失点28 (-10) 15pt)
新監督に若手のデニー・バイスを迎えたが、非常に低調な内容で残留争いのシーズン前半戦に終わり、冬に急遽レンタルで大量補強。さらに怪我が多かったマヒーが戻ったことが大きく、後半戦は守ってカウンターという現実的な戦いぶりで勝ち点を積み重ねてPOsにも進んだが、ハルフェ・フィナーレでフィテッセに完敗して終戦に。昨夏の補強は全く失敗だったが、バイスがまだ未熟だったのも明らかで、クラブ内にフラストレーションが溜まった1年だっただろう。
ナイラントとヤンスの両ディレクターが去り、後任はヴァウター・フッデとフレデールスというリーグ最年少デュオに。マヒーとレンタル選手もいなくなることから特にフレデールスの仕事は多い。
9 ADO Den Haag 12勝9分け13敗 得点58失点63 (-5) 45pt
(11. 5勝 5分け7敗 得点23失点34 (-11) 20pt)
シーズン序盤は残留争いにも巻き込まれていたが、エル・カヤティの活躍で中位に上がると、シーズン終盤はベッケルが調子を上げ、件案のスピッツ不在もインマルスが代役を務め、フィットしたネシドもジョーカー役で活躍。後半戦はエル・カヤティの得点よりアシストが大きく伸びたのがチームが機能していた証拠だろう。結果的には欧州戦POsまであと一歩という見事な成績。
フルーネンダイクと契約を延長し、久々の長期政権になりつつああるが、さすがにもうエル・カヤティを留めることは困難。
10 Willem II 13勝5分け16敗 得点58失点72 (-14) 44pt
(12. 5勝 4分け8敗 得点26失点34 (-8) 19pt)
コスターを新監督に迎えたが、補強組の内 アニータ、アフディジャイ、エズビリスが期待を裏切り、12位で年越し。しかし冬にマタイセンが再び良い仕事をしてステップアップしたソルと契約解除のアフディジャイ、エズビリスの代わりにフルザイ、イサク、パフリディスの強力な前線(VIP)でさらに得点力を強化。特にイサクは16試合で13得点6アシストと大ブレイクし、大きなインパクトを残した。中盤も冬にレンタル補強したターピアが力強さを見せてシーズン終盤に欧州戦PO圏内にも入ったが、最後はベーカーフィナーレに敗れて3連敗で終了。
この冬はレンタル組など主力の多くが去り、マタイセンの手腕が必要。
11 sc Heerenveen 10勝11分け13敗 得点64失点73 (-9) 41pt
(10. 5勝 5分け7敗 得点36失点39 (-3) 20pt)
新監督 リーケリンクのもとで迎えたシーズンも大きな進歩は無く、クラブ内はさらに騒然として冬を前にジェネラル・ディレクター アイセンハとRvCが総辞職と運営陣が一新。ランマースとフラップが共に16得点と結果を残したが、ザネリの穴埋めに冬にレンタル補強した出戻りのデニス・ジョンセンはほとんど印象を残せず、スハールスを欠いたチームのフットボールはシーズンを通して低調だった。4月にリーケリンクを解任し、アシスタントのジョニー・ヤンセンが暫定監督に就任。結局最後の5試合も1勝分け2敗で終わったが、クラブはヤンセンを新監督に据えるプランも歩埋めて検討。
この夏はピーリ、スハールス、コバヤシ、フラップ、ランマースと多くの主力が去り、TD ハムストラの手腕が問われる。
12 VVV-Venlo 11勝8分け15敗 得点47失点63 (-16) 41pt
(8. 6勝 5分け6敗 得点 21失点24 (-3) 23pt)
レーマンス、ティら主力を失いながら、ボールを持たずにフィジカルを活かしてロングボールから競り合いでチャンスを作るという現実的なフットボールをスタインが推し進めてリンカーライチェで年を越すと、後半戦も大きく崩れること無く余裕の残留。エールディヴィジ トップレベルのGKという評価が定着したウネスタールを中心に組織的な守備を見せる一方、前線ではムラパが15得点を記録した他、後半戦は特にヨーステンが得点力を見せて活躍した。
スタインはフェイエノールト、PECなど具体的関心を多く受けるも契約延長済みで残留の意向。この夏はまずはウネスタールの後任探しが最優先課題。
13 PEC Zwolle 11勝6分け17敗 得点44失点57 (-13) 39pt
(16. 4勝 3分け10敗 得点17失点30 (-13) 15pt)
ウィンターストップを待たずにファン・スキップを解任し、新監督にスタムを迎えると、年明け3連勝で一気に10位に。その後もデ・フラーフスハップ-thuisで0-3など負けが続いたが、エクセルシオール-uit, エメン-thuisと3月の重要な2試合に勝ってその後は問題無く残留。特に10番起用されたナムリが別格のプレーを見せ、チャンスの増えたティの得点ペースが増えた事が大きなプラスに。
スタムが半年で去ることが決定済み。新監督探しに苦労しており、補強も含めてナイカンプは多忙な夏になるかと思われたが、そのナイカンプがアメリカ行き濃厚に。
14 FC Emmen 10勝8分け16敗 得点41失点72 (-31) 38pt
(13. 4勝 5分け8敗 得点19失点36 (-17) 17pt)
クラブ初のエールディヴィジ・シーズンで戦力的に圧倒的最下位候補と見られたが見事に直接残留という今シーズン最大のサプライズ。13位での年明けから後半戦は2月3月に連敗が続いて一時は17位にまで落ちたが、そこから最後の6試合で4勝1分けと見事に立ち直り。シーズン前半は得点力不足が課題だったが、後半戦も大きく得点を量産した選手はおらず、全員の活躍で僅差の試合を競り勝っての残留。讃えられるべきルキーンの手腕で、特にシーズン終盤はフリーロール役のアンコ・ヤンセンを左サイドに置くシステムが見事に機能して良いフットボールを見せた。
15 Fortuna Sittard 9勝7分け18敗 得点50失点80 (-30) 34pt
(9. 5勝 5分け7敗 得点29失点30 (-1) 20pt)
昇格シーズンでほとんど残留争いに巻き込まれず、最終的には1pt差ながら余裕のある逃げ切り。後半戦は力強い守備を見せていたダンマースの負傷離脱が響いて守備が崩壊。ロドリゲスが2回退場など退場者も続き、4失点が8試合と大量失点が非常に多く、最終的に80失点とレッドカード7枚で共にクラブワースト記録。しかしエメン、エクセルシオール、NACにホームで勝って残留に必要な勝ち点を確保した。全体的にフィジカルを活かして果敢にプレッシャーを掛けるスタイルを選び、ディーメルスが7得点7アシストと大活躍。冬に大きな期待で獲得されたバーリッチはミスを連発する酷いスタートを切るも、攻撃的な位置にあげられた後はまずまずの活躍だったか。
レンタル組と契約終了組が多く、契約の残るディーメルスらも移籍が濃厚と、この夏は主力のほとんどとお別れ。監督のアイエルとのお別れも決まり、順当に行けばライセンスを取るホフラントが正式に監督就任のはず。
16 Excelsior 9勝6分け19敗 得点46失点79 (-33) 33pt
(14. 4勝 4分け9敗 得点23失点45 (-22) 16pt)
フィジオ上がりの新監督 ポルデルファールトが結果を残せずシーズン終盤に解任。リカルド・モニスが後を引き継いだが大きな改善は起きず、ナーコンペティツィでRKC相手に敗退、5シーズンぶりに降格に。タレントのスハウテン、ベテランのコールワイクとブラインスを中心に良いフットボールを見せる試合もあったが、スピッツのオーマルソンが結果を残せず、フリーだったエル・ハムダウィを獲得したが明らかにフィットしておらず効果無し、レンタルのエドワーズは切れ味の鋭いドリブルは見せたがそれ以上のクオリティは無く、攻撃陣の迫力不足は明らかだった。
17 De Graafschap 8勝5分け21敗 得点38失点75 (-37) 29pt
(18. 3勝3分け11敗 得点14失点43 (-29) 12pt)
昇格シーズンで予想以上に苦しい戦い。アウエーでも主導権を取りに行く積極的なスタイルで多くのチャンスは作ったが、セラーレンス、ベンスホップら攻撃陣があまりにそれを決められず。エル・イェブリは10得点7アシストと違いを作ったが、チーム全体が低調な試合が多すぎ、特に受け身になると守備陣が脆かった。GKをシーズン終盤に不安定なユルユスからベルトラムスに変更も決め手にはならず、結局最下位は避けられたもののナーコンペティツィでスパルタにまさかの競り負けで1年で降格。
18 NAC Breda 5勝8分け21敗 得点29失点74 (-45) 23pt
(17. 4勝 3分け10敗 得点21失点38 (-17) 15pt)
ファン・デル・ハーフを新監督に迎え、レンタルで作る多国籍チームからよりオランダ人中心のセレクションに変更も、結果的にクオリティの足りないチームが全く形にならず。17位でシーズン前半戦を終え、ウィンターストップに補強したルントクヴィストが価値を示したが、シーズン終盤重要な局面で新監督 ルート・ブロートのもとでようやくボールが届き始めたテ・フレーデが悉くチャンスを逃すツキの無さ。結局最後までメンタル面が脆い、不安定なプレーでラト・フェルレーフ・スタディオンの大歓声を力にすることはできずに最下位降格。
大きな挫折のシーズンの中でクラブ運営陣も次々に退陣し、KKDで今後の舵取りがどうなるかもまだまだ不透明。