2017-2018シーズンの全日程が終了。PSVが再びカンピューンスハップを奪回し、今世紀最も安定感のあるベストクラブであることを改めて証明した結果になった。トップ・ドリーとサブトップの差は依然として変わらないが、不安定な時期が長かったフェイエノールトを今シーズン最も見応えのあるAZが順位で上回ったのはポジティヴなサプライズだろう。
得点数が再び大きく上昇
今シーズンのエールディヴィジの傾向として、全体の得点数が昨シーズンの884(1試合平均2,9)から960(1試合平均3,1)と大きく上昇。昨シーズンが例外的に少なすぎたとも言えるが、依然としてゴールを量産するトップスピッツたちが各クラブとも不在の中でチーム全体で多くの選手がゴールを決める傾向が如実に現れた。
ティートル争い
昨シーズンのカンピューン フェイエノールトが怪我人続きでほとんどティートル・レースに絡めず、アヤックスもカイザー→テン・ハフへの監督交代が思うような結果をもたらすこと無く、結果的に非常に安定していたPSVが83ptsという圧倒的な成績でカンピューンに。アヤックスが銀行に貯めた資金を有効に使えなければ(これ自体無駄な仮定だが)、今後も長期的なPSVの覇権は揺るがないだろう。むしろAZがシーズン終盤まで2位争いに絡んでの3位で終わったことがアクシデント気味な出来事とはいえ、大きなトピックと言える。
3クラブが降格
最下位トゥエンテに続いてローダがアルメレに、スパルタがエメンにPOで敗れて降格。3クラブの入れ替えという歴史的な結果に終わった。エールディヴィジ下位とジュピラー・リーグ上位に大きな差が無いことは近年証明されていたが、アルメレ、エメン共にジュピラー・リーグの上位クラブでさえ無かったため、今シーズンのエールディヴィジ下位は想像以上に低レベルだったということ、ジュピラー・リーグで良いフットボールをしているクラブならPOで十分チャンスがあることが示されたと言える。
トップスコアラー争い
予想通り得点力のあるトップスピッツが不在の中でトップスコアラー争いも歴史的なゴールの少なさで進んでいたが、最終節でハットトリックを達成したヤハンバクシュが21ゴールと、無事に20得点超え。スピッツのゴール数が伸びず、バイテンスペーラーがその分のゴール数を稼ぐ大きな傾向は今後も続いていくだろうが、その中でも逆足バイテンスペーラーではない、右利きの右バイテンであるヤハンバクシュがトップスコアラーとなったのは特筆すべき出来事だろう。
GKの低調なシーズン
フェイエノールトのジョーンスから多くの下位クラブがGK問題に苦しんだシーズンだった。最も象徴的なのがフィテッセ、ヴィレムII、トゥエンテだろう。共にシーズン途中でGKを入れ替えたが、代役たちも不安定なパフォーマンスで問題が解決されることは無かった(エクセルシオールはクリスティンソンの後にズワルトフートで落ち着いていたが、シーズン終盤にWK行きの可能性があるクリスティンソンを再び起用)。その中でVVVのウネスタールの活躍が一躍脚光を浴び、ヘラクレスがカストロの後任の新GKにドイツ人のブラスヴィッチを迎えるなど、ドイツ市場にGKを求める流れは今後も続きそうな気配。
1 PSV 26勝5分け3敗 83pt 得点87失点39 +48
グアルダードとモレーノという中心選手を失い、大きな補強はロザーノだけという状況でシーズン前の評価は低く、EL予選敗退に始まって予想通り苦しいシーズンになるかと思われたが、終わってみれば3節を残してのカンピューン決定という圧倒的な数字に。昨シーズンのフェイエノールトに続いてチームの一体感がもたらした結果と言えるが、明らかな個々のクオリティ不足を組織と戦術でカバーして最大限の成果を得たという点で、セレクションの能力に早期に見切りを付けてそれに相応しい戦術を採用したコクーの果たした貢献は誰よりも大きいだろう。格下相手にも主導権を取らずにブロックで守ってのカウンターを主体にした戦術は大きな批判を浴びたが、全くぶれること無く現実的な選択をし続け、シーズン後半にはフェイエノールトとアヤックスとのトッパーで共に素晴らしい内容で完勝したことで文句無しの正当なカンピューンという評価も得た。
個々の選手に目を向ければファン・ヒンケル、アリアス、シュワープ、ズートがチームを牽引した程度で、それ以外にはリーグ全体を見てもトップレベルの活躍をした選手はいなかったが、イシマツとベルフワインの成長、10番起用に応えたペレイロ、クロスを得られずに苦しみながらシーズン終盤にゴールを量産して空中戦の強さに健在ぶりを見せたルーク・デ・ヨングなど、組織の中で個々がそれぞれの仕事をしっかりこなしたことでカンピューンスハップに繋がった。
来シーズンに向けては、テクニカル・ディレクター ブランツが遂にクラブを去ることを決断。これにより国内のTD市場にも動きが出ることになり、大きな影響を与えることは想像に難くない。レンタルバックのファン・ヒンケルや移籍濃厚なロザーノなど少なからず主力流出があるはずであり、CLを考えれば特に脆弱なDFラインなど相当の補強が無ければさすがに厳しいだろう。
2 Ajax 24勝4分け5敗 79pt 得点89失点33 +56
ボスの退任からマルセル・カイザーを新監督に迎えたが、ボスほど攻撃的では無く成績も微妙な中で終えたシーズン前半後にカイザーらテクニカル・スタッフを電撃解任してテン・ハフを後任に迎えるも、この数ヶ月の内容を見てもクラブに合っていないことは明らか。クラブ内の権力争いがピッチ上のパフォーマンスに影響するのはいつも通りだが、来シーズン欧州戦でそれなりの内容を見せるか、やり方を変えて国内で圧倒的な内容と結果を見せない限りテン・ハフがいつまで続くかも大いに疑問。当然vdサールとオーフェルマルスの責任も問われるだろう。
来シーズンに向けてはツィエクの移籍は避けられず、さすがにシェーネも衰えが大きいため、長期離脱したフレンキー・デ・ヨングが中盤に戻るのは確実だが、ヌーリが務めるはずだったツィエクの後継者役をどうするかが注目。
3 AZ 22勝5分け7敗 71pt 得点72失点38 +34
攻撃的で魅力的なフットボールを標榜し、内容と結果の伴った素晴らしいシーズンでトップ・ドリーの一角を崩すことに成功。外では無く中に切り込む攻撃的な両バック、流動的で奥行きを作る中盤、中に切り込んでシュートを狙うことも外から決定的パスも出せる両バイテンで今シーズンのエールディヴィジでは最も見ていて楽しいフットボールだった。シーズン開始当初に中心を担うと期待されていたヴェイノヴィッチとステングスが序盤で重傷を負ってシーズン終了となったことを考えれば驚嘆に値する出来事。ファン・デン・ブロム、そしてアシスタントとして加わったスロットは大きく評価を高めた。ただそれでもトップ・ドリー相手に今シーズンも1勝もできず、トップ・ドリーとそれ以外に依然大きな差があることが証明されてしまったのも事実。今後もトップ・ドリーの中で調子を崩したチームがサブトップのトップパフォーマンスに追い抜かれる可能性はあるが、それがトップ・ドリー全てに起きることはほとんど考えられず、トップ・ドリー以外がカンピューンスハップを争うのは奇蹟に近い偶然が必要だろう。
特に安定感と効率性が増して21ゴール12アシストとトッププレイヤーにステップアップしたヤハンバクシュは圧巻のパフォーマンス。この夏の移籍は間違いなく、WKで活躍できれば移籍金も期待できる。同じく18ゴール6アシストと高い数字を残したヴェフホルストにも移籍の可能性があるなど、好成績を残したことでこの夏の大きな主力流出は避けられないが、スヴェンソン、ミチューなどスカウティングの有能さは折り紙付きなため、クラブ内や国内で後任を得られなくとも何かしらのhit商品を見つける期待はある。
4 Feyenoord 20勝6分け8敗 66pt 得点76失点39 +37
国内サブトップから大きな補強を行い、クラブ史上2度目の連覇を目指したが4位という結果に終わり、ベーカーを獲りはしたが失望のシーズンなのは間違いない。シーズンに入ってベースを固めようとする時期にヨルゲンセン、ボテギン、vdハイデンという中軸選手が揃って負傷離脱し、チームのフットボールを前進させるどころか、昨シーズンのベースさえ失われた状態でCLを戦い、自信喪失に繋がる悪循環に。ただそれでも巻き返しを期して迎えたウィンターストップ明けの9試合でわずか3勝1分け5敗という悲劇的な成績だったのは弁解のしようは無い。その後は冬に帰還したファン・ペルシが短い出場時間で効率良くゴールを重ねたこともポジティヴな効果をもたらして8連勝で何とか4位でシーズンを終えることができたが、トッパーで1ptも取れず、対VVVとNAC相手の4試合でわずか1ptは恥じるべき結果。ほぼ全員がトップパフォーマンスだった昨シーズンの再現が難しかったとしても、ベルフハイスを除くほぼ全員が低調なシーズンだったことはテクニカル・スタッフにも構造的な問題があったのは否定できない。その中でマラシア、フェンテ、バイローというユースのタレントたちがデビューして多少なりとも結果を残せたのが小さな光明だった。特に今シーズンのジョーンスが低調で多くの批判を浴びたことを考えれば、バイローには第1GKを争える可能性が十分あるはず。
来シーズンに向けてはヴァウタースに代わる新アシスタント・トレーナーが誰になるか(クラブはランツァートを望んでAZと交渉中との報道)。ヨルゲンセンやエル・アマーディのWK組や18ゴール12アシストという分かりやすい結果を残したベルフハイスには移籍の可能性もあるため、この夏もファン・ヘールは多忙になるはず。
5 FC Utrecht 14勝12分け8敗 54pt 得点58失点53 +5
ハレルという大きな存在を失いながら5位フィニッシュは評価すべき結果。マルキノクはあっという間に怪我でシーズンが終わり、ゲルトラーとデッセルスも期待に応えられず、後半戦途中で獲得されたフリーのボイマンスはそもそもフィットでもできなかったため、穴は全く埋まらなかったが、フィジカルとスピードに優れたケルクがある程度成長を見せ、ラビアトがフリーマンとして決定的な仕事(12得点)をしたことで固い組織力をベースにヴィレム・ヤンセンのリーダーシップとクライベルのハードワークなどが光って今シーズンも安定した戦いぶりに。テン・ハフ退任後もジャン・パウル・デ・ヨングのもとでウィンターストップ明けに好スタートを見せたが、終盤はやや失速して欧州戦POもフィテッセに競り負けで終了。
新シーズンに向けてはアユプとラビアトが去り、新10番にグスタフソンを獲得。件案の左バックにドイツのレオン・グワラと補強を進めているが、やはり問題はスピッツ陣だろう。
6 Vitesse 13勝10分け11敗 49pt 得点63失点47 +16
シーズンをとおして不安定なパフォーマンスが続き、POに向けて結果がでなかったことでフレーザーを途中解任。後を受けたストゥーリングのもとでも起用されたハウエン、ビュートネルらがやはり不安定でプレー自体はほとんど改善されなかったが、なぜかシュート決定率だけが25%近い驚異的な数字を記録して得点数が急上昇し、リンセン、マタフス、マウントを中心にPOも効率良くあっさり制して欧州戦チケットを獲得。
新シーズンに向けてはロシアのSlutskyが新監督に。攻撃的なフットボールを志向するコメントを出しているが、マネージャータイプとの指摘もあり、欧州戦も含めてどうなるかは未知数。大黒柱のカシアが移籍濃厚と、補強も大きく必要に。
7 ADO Den Haag 13勝8分け13敗 47pt 得点45失点53 -8
前評判を大きく覆し、7位と欧州戦POにも進む好結果のシーズンに。フルーネンダイクの手腕は讃えられるべきだが、ベウヘルスダイクが力強いシーズンを過ごし、帰還したインマルスがコントローラーとして裏方に徹し、エル・カヤティがクリエイティヴィティをもたらし、ジョンセンが19ゴールを決めたようにセンターラインが強力だったのが大きいだろう。特にシーズン序盤は疑問視されていたジョンセンが終盤に得点を量産し、成長を見せたことでスカウティングも正しかったことが証明された。
新シーズンに向けてはエル・カヤティやカノン、ジョンセンに移籍の可能性。エブエイの後任探しと合わせて今後も注意で安定した戦いを続けるための補強を、どの程度の野望と現実のバランスで行っていくか。
8 sc Heerenveen 12勝10分け12敗 46pt 得点48失点53 -5
結局昨シーズン後半からの悪い流れを変えることができず、不安定なシーズンだったのは途中では前進守備と良いフットボールを諦めて、明らかに引いてカウンターを狙う時期もあったことからも十分に窺える。何よりも問題は得点力の欠如であり、ホーチャネヤド、フェールマン、ファン・アーメルスフォールトという得点を期待される選手が合わせて15得点ではあまりに物足り無く、フィニッシュの局面でプラスαをもたらすことを期待されたエーデーガールトもほとんど数字を残せなかった。数少なプラスポイントは新加入 ドゥムフリースが結果を残し、ザネリも左バイテンでポジションを得てようやくブレイク。
新シーズンに向けてはストレペルとお別れで新監督にはヤン・オルデ・リーケリンクを迎えることが決定。国外で経験を積んだが監督としての経験が豊富な訳でも無く、未知数の部分が多い。攻撃的で魅力的なフットボールを志向する発言をしているが、ホーチャネヤドは出て行くはずで、まずはそれなりの補強が必要だろう。
9 PEC Zwolle 12勝8分け14敗 44pt 得点42失点54 -12
ファン・スキップを監督に迎えてシーズン前半は4位の成績で終えるも、後半戦はわずか3勝と悲劇的な崩れ方で欧州戦POに進めず。固定できるスピッツが不在だったためにパルツィチェク、ナイラント、オンダーン、メニフが毎週のように代わる代わるスタメン出場し、チーム全体に流動性と前進力があった前半戦こそ良いコンビネーション・フットボールを見せていたが、ウィンターストップ以降は結果が出ずに全体に低調で停滞感が生まれた中でボールを預けられる頼れる存在が前線に不在だったことで悪循環を招く結果になった。シーズン開始当初からすれば9位は望み通りの結果ではあるが、後半戦の悪い流れをどう評価するか。
新シーズンに向けてはトーマス、モクタールらベストプレイヤーの流出は避けられず、この夏もチーム再編成から。
10 Heracles Almelo 11勝9分け14敗 得点42pt 50失点64 -14
今シーズンンもステーヘマンのもとで大きく崩れること無く安定した戦いぶりを見せて問題無く残留。欧州戦POには進めなかったが、レヒターライチェ上位クラブとして落ち着いた存在になりつつある。今シーズンは中盤に加わったモンテイロの存在が大きく、ローダ時代と比較して驚きの存在感だった。クオリティを見抜いたスカウトは良い仕事をしたと言える。ウィンターストップにペルペシーが抜けるも組織的なフットボールの中でクヴァスが違いを作り、トータル13アシストを記録。惜しむらくはクラブトップスコアラーがニーマイヤーの8ゴールというスコアラー不在の状況だっただろう。
新シーズンに向けてはステーヘマンが退任し、監督人事から。カストロ、ナフラティルが契約終了、バース、フラドンはレンタルバックで当然クヴァスにはステップアップの可能性が大きく、エールディヴィジ最年少TD フレデールスの責任は大きい。
11 Excelsior 11勝7分け16敗 40pt 得点41失点56 -15
今シーズンもファン・デル・ハーフのもとで安定したフットボールを見せ、第27節終了時点で35ptsを獲得して残留確定の上、昨年の12位を上回る11位とクラブ史上に残る成功のシーズンに。特に例年のヴァウデスタインでの強さとは逆に、アウエーで8勝という謎の強さが光った(原因は全く不明だが・・・)。特にコールワイク、ファイク、ブラインスらを中心とした中盤のフットボール能力が高く、ハッセルバインクの移籍によって生まれた縦の突進力の穴をパスの確実性で埋め合わせ、ファン・ダイネンがフィニッシュワークとポストワークでも仕事を果たしたことで好結果に。
新シーズンに向けてはファン・デル・ハーフの退任が決定し、後任人事はこれから。ファイクの移籍は濃厚など、この夏も出入りが多くなる。
12 FC Groningen 8勝14分け12敗 38pt 得点50失点50 0
赤字運営の中でマヒーを敢えて売らずに残すリスクを冒したが、スポーツ面でもマーケティング面でも成功には繋がらず。特にフェルトワイクを巡るロッカールームの騒動でチームが落ち着かなかったが、後半戦はようやく平穏が戻り。トムvdローイとバクーナ、ドーアンの中盤でフットボールができるように。ドーアンとファン・ヴェールトがゴールを決め始めたことでそれなりに良い形でシーズンを終えることができたとは言えるだろうが、そもそもリスクを冒したシーズンだったことを考えればそれに見合った結果だったのかやはり微妙。ホームで7勝7分け3敗とある程度の数字は残したが観客数も伸びなかったのにもそれなりの理由があった。
新シーズに向けてはファーベルの退任、デニー・バイスの監督就任が決定済み。アマチュア・フットボールで経験を積んだが、プロ・フットボールでの監督は初。この数年の低調なフットボールを改善する期待が持たれているが、どこまでそれに応えられるか。ドーアンの完全移籍は決まったが、バクーナにはステップアップの可能性が。
13 Willem II 10勝7分け17敗 37pt 得点50失点63 -13
ソルの得点力とクリエイティヴな中盤に脆弱なCB陣と不安定なGKという陣容で5-3-2を選んだエルヴィン・ファン・デ・ローイがチームを起動に乗せることができずに途中解任されたが、直後の第27節 PSV-thuisで5-0というセンセーショナルな勝利を挙げるとそこからの残り8試合を4勝2分け2敗と終えて終わってみれば問題無く残留。暫定監督として後を受けたロベモントは良い仕事をしたと言えるだろう。特に4-3-3に戻してベン・リーンストラをゴールに近づけたことでミドルシュートでの得点数が急激に増加したのが大きかった。
新シーズンに向けては新監督にアドリー・コスターが就任決定済み。ソルとリーンストラの移籍は決定的で、度重なる怪我に苦しんだオフベチェともお別れ。今シーズン合わせて36ゴールの穴をどう埋め合わせるか。チリヴェラ、チミカスらレンタル組も去り、マタイセンにとって非常に多忙な夏に。
14 NAC Breda 9勝7分け18敗 34pt 得点41失点57 -16
ManCityからの大量レンタル路線で迎えた昇格シーズン。予想通りの不安定さとクオリティ不足で苦しんだが、ローダ、スパルタ、トゥエンテ相手の直接対決6試合わずか1ptで14位という振り返れば奇跡的な結果に。特にフェイエノールトに2勝、ユトレヒトとフィテッセに1勝ずつと、リンカーライチェ相手にカウンターで勝ちを重ねたのが大きかった。アンジェリーニョの大ブレイク以外にも、マヌ・ガルシアが違いを作り、サディク・ウマルが桁違いのパワーとスピードでゴールを決めるなど、サプライズな要素はあった。
新シーズンに向けては3回スタンド送りになったスタイン・フレーフェンとお別れを決定。キャラクター的には完全にクラブにフィットしていたが、新監督には望んでいた全く違うタイプのミチェル・ファン・デル・ハーフを迎えてどうなるか。そして大部分がレンタル組のスタメン選手が去って再び補強をどれだけクリエイティヴに行えるか。
15 VVV-Venlo 7勝13分け14敗 34pt 得点35失点54 -19
最後の8試合でわずか1ptと、最終的には15位で終わったが、その1ptを得た第29節で当初の目標ライン34ptsに到達して狙い通り直接残留成功。ジュピラー・カンピューンとしての昇格シーズンで大きな補強を行わずに継続路線を志し、守ってカウンターという現実的な戦いで勝ち点を重ね、ファルクスとスタインによる成功と言えるだろう。特にドイツ人GK ウネスタールは大hit商品で、残留争いをするチームがどこもGK選びに苦しんだ中で、勝ち点を掴めるGKがいたことは大きかった。
新シーズンに向けてはファルクスとスタインが今のところ残留だが、何が起きるかは誰にも分からず。
16 Roda JC Kerkrade 8勝6分け20敗 30pt 得点42失点69 -27
コロタエフ騒動でクラブの行く末も不透明な中、今シーズンもまともなチームを作ることができず。フットボール能力も守備力も得点力も無く、モーレナールはかなり厳しい戦力でそれなりの仕事をしたが、あまりにクオリティが足りなかった。グスタフソン、シャヒン、アフディジャイで毎試合それなりにチャンスは作るも決めることができず、自分たちは簡単に失点を重ねて迷走。シーズン終盤に最後の7試合で13ptsと稼ぎはしたが、NACとの差を詰めることはできず、結局POでジュピラー・リーグ9位のアルメレに競り負けて納得の降格。まずはクラブの将来を1日でも早く決めて落ち着くべきだろう。
17 Sparta Rotterdam 7勝6分け21敗 27pt 得点34失点75 -41
明らかな戦力不足はあったが、パストールをウィンターストップに解任し、後を引き継いだアドフォカートも結局ピッチ上で明確なプランを実行させることは最後までできなかった。ドス・サントス、フライデー、アハナハ、ネロムという冬の補強も成果は無く、唯一戦力アップだったドイツ人GK フートもPOは怪我でプレーできず。後半戦途中でフリー移籍で加わり、それなりにゴールを決めていたクラーメルが規律問題で契約解除になってからはフライデーが全く機能せず、全体のフットボールも低調だったことで、判定の不運はあったがPOでエメンに競り負けたのも致し方ないだろう。
新監督には実績のあるフレーザーが決定済み。相変わらず育成は優秀でタレントを輩出しているが、今後どれだけタレントを留めてトップチームの戦力にできるかが再昇格に何年かかるかの鍵になる。
18 FC Twente 5勝9分け20敗 24pt 得点37失点63 -26
2年前に降格で償うべきだった過ちを自ら償った結果に。サブトップの降格はリーグ全体にとっても悲劇ではあるが、財政状況が悪すぎ、不当な資金運用で結果を残していたとなれば、降格が国中から諸手を挙げて歓迎されたのも当然としか言いようが無い。今シーズンに限ってもファン・ハルストがテクニカル・ディレクターとコマーシャル・ディレクターを兼任する異例の人事に始まり、ルネ・ハーケが途中解任、後任を任されたヘルジャン・フェルベークも全く結果を残せずにシーズン終了を待たずに解任など、セレクションのクオリティ不足を差し引いてもクラブ運営陣の判断がドタバタを招いたのは間違いない。
エールステ・ディヴィジに降格したことで来シーズン以降はいよいよクラブ存続との戦いに。