コートジボワールとの練習試合はこれ以上無い結果となった。暫定監督 フレッド・フリムの”引退試合”は5-0という華々しいスコアでの勝利に終わり、オランイェはぱっと見怪我人もおらず、さらにヴェズリー・スナイデルはエドウィン・ファン・デル・サールの代表記録に並んだ。
さらにデ・カイプも他国にとって難攻不落の要塞であり続けている。ロッテルダム・ザイトでのここ22試合でオランイェは負け無し。
フレッド・フリムはルクセンブルクとのWK予選に向けて最後の練習試合で多くの選手に出場時間を与え、モロッコ戦(2-1勝利)からスタメンを8人入れ替え。ジョエル・フェルトマン、メンフィス・デパイ、フィンチェント・ヤンセンだけがスタメンに残り、ヤスパール・シレセンがイェルーン・ズートに代わりゴールを守り、フェルトマンとブルーノ・マルティンス・インディがCBデュオを形成。”合流遅れ”のアルイェン・ロッベン、デイヴィ・クラーセン、ケヴィン・ストロートマンもスタメンに並んだ。
両国の対戦の歴史はかつてたった1回だけだが、甘美な記憶として残っている。ドイツでのWK 2006でオランイェがロビン・ファン・ペルシとルート・ファン・ニステルローイのゴールで2-1勝利。しかし今回のオープニングはオランダ代表によって遙かに楽しいものになった。オランイェの最初のCKで完全にフリーになったジョエル・フェルトマンがヘディングからボールを肩に当てて1-0. 彼にとって代表16試合目での初ゴールに。
30分過ぎにはホームチームが2-0リード。フィンチェント・ヤンセンがコートジボワールのGKに倒され、アルイェン・ロッベンが11mからシュートを決めた。さらにその5分後にもデ・カイプにまた歓声が起こり、コートジボワールが再びフェルトマンを見逃して3-0リードで折り返し。オランイェにとって未だかつて無い上首尾となった。
脆いオランダ代表はこれにより大きな自信を掴み、水曜日のアガディールでの勝利に続いて1週間に2つめのブーストに。さらにシーズンを締めくくる次の金曜のルクセンブルク戦に向けてパーフェクトな助走になった。
緊張感の抜けた後半はさらに得点するチャンスが生まれ、ヤンセンが大チャンスを逃し、デパイの撒いたシュートがバーを叩いた後、デイヴィ・クラーセンが交代直前にチャンスをモノにして4-0. その後に彼と交代したヴェズリー・スナイデルはエドウィン・ファン・デル・サールの持つ代表出場記録130試合に並んだ。
さらにフィンチェント・ヤンセンもゴールを決め、終盤にはシレセンも美しいセーブで活躍。彼らにとってもパーフェクトな夜となった。
Nederland - Ivoorkust 5-0
Scorverloop:
13’ Joël Veltman 1-0
32’ Arjen Robben 2-0
36’ Joël Veltman 3-0
69’ Davy Klaassen 4-0
75’ Vincent Janssen 5-0
Opstelling Nederland: Cillessen; Tete, Veltman, Martins Indi, Blind; Pröpper (63’ Wijnaldum), Klaassen (70’ Sneijder), Strootman (84’ Ramselaar); Robben (78’ Promes), Janssen (77’ Dost), Depay (77’ Berghuis).
http://www.onsoranje.nl/nieuws/nederlands-elftal/69573/oranje-beleeft-fijne-avond-tegen-ivoorkust
フレッド・フリム
「我々はチームとして10日間一緒に過ごした。みんなで一緒にやれたのは良いことだし、この期間に2つ勝てたのは大きな自信になる。さらに選手たちがそれぞれゴールも決めた。ポジティブなことばかりだ」
「試合の入りは良くなかった。しかし前半の第2フェイズと後半はとても良かった。その時間帯は多くのチャンスを作り、ゴールも決めることができた」
「アドフォカートは必要無さそう?私もさっきそう聞いたところだよ。まぁディックとはしっかりライン上で繋がっているから、やることは全く同じ。大事なのはこの期間を上手く次に繋げてゆくことだ。いまからはルクセンブルク戦だけが重要。すべてそこに掛かっている」
アルイェン・ロッベン
「良いテストだったよ。僕はネガティブなことを言うつもりはないけど、この結果にそれほど拘るべきじゃ無い。前半の後も僕らはそれほど良いプレーじゃなかった。時々時間が掛かりすぎているし、テンポを維持しないと。チャンスを得たなら決めなければいけないという点では幸運にも僕らがそれができた。この勝利を自信にしないといけないけど、一方で何が良くて何が良くなかったかは現実的に見ないといけない。僕らはもっと上手くやれる。重要なのは今後数日間でしっかりそこを考えて金曜に繋げること。今日よりももっと観客が多いことを願っているよ」
「個人的にも2週間以上プレーしてなかったからちょっと慣れが必要だった。だから今日プレーできたのは良かったよ。金曜はもっと良くなるはず」
「PK’er争い?問題無いよ。フィンチェントも蹴れるし、僕も蹴れる。今回は僕が蹴った」
ヴェズリー・スナイデル
「5-0はデ・カイプのおかげかもしれない。デ・カイプの力は今年のカンピューンたちにも現れている。金曜もここでプレーできるのが嬉しいよ」
「ファン・デル・サールは約40歳で、僕は約33歳。この年齢で彼に並べたのは本当にファンタスティックだ。GKは平均的なフットボール選手よりかなり長くやれるからね。GKにとっての方が記録を作るのは簡単」
「僕を批判している人々にはさせておこう。嫉妬と捉えておくよ。刺激程度だし、僕はこの記録をさらに伸ばせるようになるべく長く続けたい」
まぁロッベンのコメントでだいたいまとまってます。モロッコ戦から『スタメン組』に入れ替わって出だし20分ほどドタバタしていたのは主に2コントローラーの責任。果敢に前にプレッシャーを掛けてボールは取れていたものの、雑なプレーでボールを失っては空けたスペースを使われてました。特にプロッペルがPSVでのシーズンを引きずって悪かったですが、まぁこれは招集した方が悪い。
で、コートジボワールの悲劇的なCKの守備とGKの判断の悪さで得たPKでなぜか3-0になり、その後は2コントローラーが無理にポジショニンから離れずに落ち着いたことで守備が安定し、ようやく試合をコントールできるように。もうちょっともつれた方が練習になったでしょうが。後半はコートジボワールから交代策を繰り返して典型的な練習試合ムード。
これでいよいよアドフォカート&フリット体制がスタートするということで、基本の4-2-3-1でのスタメンとプレースタイルはすでに見えてきてますが、やはり肝の2コントローラーをどうするかでしょうねぇ。ストロートマンはまず使うとして、隣はワィナルドゥムかデ・ローンかで相手にあわせて、というのが無難なところか。前線はデパイが人生を考え直してフィンチェント・ヤンセンがフォームを取り戻すまでロッベンが怪我しないことを祈るくらいでしょう。