フェイエノールトは遂に再び敗北を体験。木曜夜のイスタンブールで監督 ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルストのチームはFenerbahçeに1-0で敗れ、今シーズンの公式戦連勝は9でストップ。18分にEmmanuel Emenikeがこの試合唯一のゴールを決めている。
ELグループステージ2試合目で特に露わになったのはフェイエノールトの攻撃面の無力さだった。チームはボールを長くキープすることができず、前半は枠内シュートを1本も打てなかった。
激しいFenerbahçeにすぐにプレッシャーを受ていたジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルストのチームはトルコ人観客の迫力にも呑まれていたかもしれない。Sükrü Saracoglustadionは満員にはほど遠かったが、序盤からフェイエノールトの選手がボールを持つとスタンドから耳をつんざくようなブーイングが飛び、ホームチームが攻撃に移ると大歓声が沸いた。
2012年から2015年にFenerbahçeでプレーし、それを身を以て知っているディルク・カイトはこの日すでにフェイエノールトを待ち構える大釜を予見し、フェイエノールダーの多くがこの環境でのプレーに慣れている訳では無いと気づいていた。だからこそまさにその彼が18分の失点を招いてしまったのは辛いことだった。
迷える息子のように歓迎されていたカイトが中盤でボールを失い、そこからFenerbahçeが凄まじい勢いのカウンターを仕掛けてEmmanuel Emenikeが先制点。トルコ・チームのトップスコアラーは正確にゴール逆隅を突くシュートでブラッド・ジョーンスを破った。
Manchester United戦やPSV戦のようにコンパクトで組織的なプレーを選んだフェイエノールトは、そのプレースタイルを少なからず捨てるしかなくなったものの、それでも攻撃に出れることははほとんどなかった。HT前にカイトにたった1回チャンスが来る気配があったが、シュート直前にGK Volkan Demirelが立ちふさがった。
HT明け直後もカイトはゴールに近づいたものの、再びVolkanがセーブ。Fenerbahçeのバックパスのミスから生まれたチャンスというのが、後半もフェイエノールトが自分たちでまともな攻撃を仕掛けるのに苦しんでいた象徴と言えるだろう。
Fenerbahçeが2点目のチャンスを逃したことでフェイエノールトは1ptの希望を持ち続けることはできた。チームは残り20分で良いチャンスもあったが、ニコライ・ヨルゲンセンのシュートはゴールライン上、トニー・フィレーナが押し込もうとする直前にMartin Skrteによってクリアされる。エリック・ボテギンに代えてミヒル・クラーメル投入など交代策を行った最後の15分間でフェイエノールトはこの試合初めてリスクを冒して前に出たが、この2ヶ月間で最初の敗戦を避けるには不十分だった。
Fenerbahçe - Feyenoord 1-0
Scoreverloop:
18’ Emmanuel Emenike 1-0
Scheidsrechter: Jonas Eriksson
Gele Kaarten: 18’ Emmanuel Emenike, 75’ Hasan Ali Kaldirim (Fenerbahçe), 26’ Karim El Ahmadi, 29’ Jan-Arie van der Heijden, 44’ Terence Kongolo (Feyenoord)
Opstellingen:
Fenerbahçe: Volkan Demirel; Gregory van der Wiel, Simon Kjær, Martin Škrtel, Hasan Ali Kaldirim (77’ Ismail Köybasi); Ozan Tufan, Mehmet Topal, Josef de Souza Dias; Jeremain Lens (86’ Alper Potuk), Emmanuel Emenike (77’ Robin van Persie), Moussa Sow.
Feyenoord: Brad Jones; Rick Karsdorp, Eric Botteghin (82’ Michiel Kramer), Jan-Arie van der Heijden, Terence Kongolo; Dirk Kuyt, Karim El Ahmadi, Tonny Vilhena; Steven Berghuis (57’ Bilal Basaçikoglu), Nicolai Jørgensen, Jens Toornstra.
ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
「前半は本来の我々では無かった。チーム内に信じる気持ちが見えなかった。Fenerbahçeのようなチーム相手には確信が必要。自分自身への確信と、ボールを持った時の確信だ。我々はボールをキープできず、プレッシャーをかわせなかった。そのおかげで今日は全く試合に入れていなかった。」
「Fenerbahçeがプレッシャーを掛けてくるのは分かっていた。彼らはホームだし勝利が必要だからそうせざるを得ないが、それに対応できなかった。ただ最大の要因は我々がボールを持った時に良くなかったこと。CBがボールを持った時にほとんど選択肢を与えられなかった。熱狂的な雰囲気のチーム相手のアウエーゲームでは試合の中でプレーを成長させていかなければいけないが、我々はそれをせず、自分たちで試合から消えてしまっていた」
「後半はより競り合いに持ち込めるようになり、同点のチャンスも多少あった。それを決められなかったのは残念。終盤は我々の方がフィジカル面で強くなり、テンポを維持できるようになって相手は低調になったが、最終的にはチームとしてあまりに迫力不足だった」
https://www.feyenoord.nl/nieuws/nieuwsoverzicht/van-bronckhorst-baalt-na-europees-verlies
https://www.fr12.nl/nieuws/39045-van-bronckhorst-we-speelden-onszelf-uit-de-wedstrijd.html
ディルク・カイト
「僕らは怖れは無かったけど、自分たちのプレーができなかった。単純に十分ではなかった。もっとやれるはずだと思ってたか残念。終盤彼らは力尽きていたから、僕らは彼らを痛めつけることもできたはず」
「自分が致命的ミスをしたのはとても悔しい。逆方向に反転しようとしたけど、レンスがあのボールをあそこからタックルできると予想してなかった。失点は僕の責任。自分で挽回したかったし、小さなチャンスもあったけれど、残念ながら僕らは針を刺すチャンスを活かせなかった」
「自分たちの本来のレベルが発揮できなかったのは残念。でも一方でタオルを投げる必要は無い。すぐに立ち直って日曜はしっかりやれるところを見せないといけない」
https://www.fr12.nl/nieuws/39052-kuyt-jammer-dat-ik-het-niet-goed-heb-kunnen-maken.html
http://www.fr-fans.nl/nieuws/26660/ik-ben-er-doodziek-van-dat-die-fout-cruciaal-is
カリム・エル・アマーディ
「自分たちのプレーができなかった。特に最初の10分間でかなりプレッシャーを受けてパスミスを繰り返してしまった。試合全体を見ればFenerbahçeは勝利に相応しかったと思うけど、僕ら自身のせいでもある。欧州のレベルでは多くのチャンスは得られないし、Fenerbahçe相手でもそう。得たチャンスは決めないといけない。僕らが負けたのは自分たちの責任」
「僕らはまだ大きな自信を持っているけど、連勝を続けられなかったのは残念。自分自身に厳しくないといけないけど、でも日曜はまた別の試合。ロッカールームでその話はしていないけど、この敗戦をいつまでも引きずるべきじゃない。僕らはエールディヴィジで差を付けて首位にいるんだし、まずはそれに集中しないといけない」
https://www.fr12.nl/nieuws/39047-el-ahmadi-we-hebben-van-onszelf-verloren.html
イェンス・トールンストラ
「Fenerbahçeがすぐに来るのも観客が彼らを支えるのも分かっていたこと。その対応をちょっと安易にやり過ぎて失点に繋がってしまったと思う。僕らは本来のプレーができていなかったけど、それでももう少し良い結果が得られたはず。最後まで僕らは1ptを目指していた。ニコライのチャンスや、バサチコグルの良いクロスもあった」
「Fenerbahçeに負けるのは常にあり得ること。でも僕が言ったように僕らは最後まで同点ゴールを目指していた。ガッカリだけど、今はこの痛手からしっかり立ち直ってリーグ戦の連勝を続けないといけない」
https://www.fr12.nl/nieuws/39049-toornstra-we-hebben-gestreden-tot-het-laatste-moment.html
ヤン・アーリー・ファン・デル・ハイデン
「ブーイングはそれほど問題なかった。信じて勇気を出そうとしたし、実際ブーイングでは無く声援と思うようにしていた。むしろスタディオンのブーイングがさらに激しくなるようにしてやれとね。後半はFenerbahçeのファンが自分たちのチームに対してブーイングする時間帯もあったけど、僕らはそれを十分い活かせなかった」
https://www.fr12.nl/nieuws/39050-fluitconcert-fenerbahce-fans-doet-van-der-heijden-niets.html
久しぶりに国内では経験できないハイプレッシャーとブーイングを受けて内容的にはほぼフルボッコでの完敗。これだけプレッシャーを掛けられるとフットボール能力の不足が明らかに。それでも守備面で上手くボールが取れれば試合になるものの、相手のスピーディな攻撃にほとんどついて行けず、なかなかの無理ゲー感がありました。レンスは2人で行っても止められないくらい無双状態で、ちょっとどうにもならず。
もう少しできたはず、というのも事実でしょうが、これだけのプレッシャーを受けると問題に陥るのも確か。ボテギンに気の利いた組み立ては望めませんし、カリムもこのレベルのプレッシャーを受けるといつもの弱点が露わに。ニコライはハイボールを競り勝てず、しかも近くにチームメイトがいないということでほぼ詰んでました。
フットボール面の問題は多分根本的なものなので置いといて、明るい材料はトルコに戻って妙に良かったビラルのプレー。唯一単独で違いを作れていたので、毎回このレベルなら文句無しでスタメンなんですが、果たして今度こそそれが期待できるのかどうか。