現在34歳のディルク・カイトは今シーズンでFenerbahçeとの契約が終わるため、来夏の移籍に向けてフェイエノールト復帰を希望していると先日メディアで口を開いた。
「フェイエノールトがマイン・クラブなのが今もこれからも変わらないよ。再びあそこでプレーするのが今も夢だ。お金は問題じゃない。大事なのは評価してもらえること。それに僕は引退後もクラブに是非関わりたいんだ。Fenerbahçeは僕をイスタンブールに留めたがっている。フェイエノールトもどうしたいのかを教えて欲しいんだ。僕は彼らのビジョンを知らないからね。フットボールの世界も人生同様に決断にはそれぞれの側が必要。でも僕はまだまだフィットしていると感じているよ」
http://www.fr12.nl/nieuws/29685-kuyt-feyenoord-moet-het-ook-nog-maar-willen.html
デ・カイプを去る際に『いつかフェイエノールトに戻る』と約束していたカイトだが、34歳を迎えてもそれが実現していないのはそれぞれに理由があるという。
「人生ではいろいろなことを言うし、時に思ったことにオープンすぎるのが僕の弱点だ。 ただ3年前はほとんどデ・カイプに戻りかけていたんだ。ただ僕が適切なフィーリングを持てなかった。フェイエノールトは本当に僕を獲得できたか、それを望んでいたはず。でもいくつかの点で僕らは一直線に合わなかった」
http://www.fr12.nl/nieuws/29688-kuyt-over-eerdere-beloftes-dat-is-mijn-tekort.html
カイトが32歳になる2012年夏、実際Liverpoolとの契約が残り1年で若返りを図るために構想外になったカイトがデ・カイプへ戻る可能性はかなりあったと見られている。2011年にLiverpoolとの契約延長を選んだのは十分理解できる。実際当時の彼は心情をこう語っていた。
「正直に言えば、リバプールで契約延長する度に心の中でフェイエノールトのことを思うんだ。今回もそうだった。でも自分としては欧州のトップクラブにいるし、もう一度カンピューンになってベーカーを獲るためにプレーしたい気持ちがある。僕はその力になれるし、そうしたいんだ。10試合で9得点を決めたり、1月のオランダ代表での5得点のような最近のプレーをしていると、自分は欧州のトップ争いに入れるんだと悪くない気持ちになる」
「もちろんいつかフェイエノールトに戻りたい気持ちは変わらない。でもそれはフェイエノールトで自分がカンピューンになれる時だけだ。35歳で戻るつもりはない。それでは以前デ・カイプを出て行ったディルク・カイトと全く違う自分をみんなに見せる事になってしまう。2年後にまた考える時が来るだろう。33歳なら帰路に着くのも悪くない。僕は何かを成し遂げるためにプレーしたい。フェイエノールトは再びタイトルを獲らなければならないい、それがすべてのベースだ」
ならばフェイエノールトがクーマンのもとで復活を果たし、グイデッティの穴を埋めるスピッツを探していた2012年はデ・カイプに戻って自らの力でチームを牽引し、コールシンゲルに立つ最高の機会ではなかったのか?秘密裏に行われていたフェイエノールトとの交渉がなぜ頓挫したのか、正確な情報は明かされていない。サラリー減額の条件とトルコでの高額サラリー提示が要因の一つだったのはカイト本人も認めているが、妻 ヘトルーデの言葉に拠れば、フェイエノールトが指導者になるための引退後の保証を与えなかったことが最大のポイントだというが(http://www.ad.nl/ad/nl/5619/Feyenoord/article/detail/3651709/2014/05/08/Feyenoord-wilde-Kuyt-niet-hebben-Hij-was-te-oud.dhtml)。いずれにせよ結果としては事実上の喧嘩別れに近かったようで、実際2014年夏にもペッレが移籍したフェイエノールトはグイデッティのケースとは対照的にカイト獲得に動くことは全く無かった。それについて当時マルタイン・クラベンダムはこう語っている。
「彼は2年前に戻るチャンスがあったんだ。しかし3年間で600万ユーロのサラリーを選んだ。カイトの名前はそれ以来フェイエノールトで挙がっていない。この(2014年の)夏もだ。彼らはもう彼が戻ってくるとは思っていないし、私もカイトが戻って来るとは全く信じていない」
http://www.fr12.nl/nieuws/28130-krabbendam-naam-kuyt-is-niet-bij-feyenoord-ge.html
最近のカイトの”ロビー活動”を受け、クラベンダムはtwitter上でフェイエノールト・サポーターにカイト復帰の可能性について意見を集め、多くのリアクションが届いたが、実際カイト復帰を望む声は少数派であり、せいぜいが「通常のサラリーなら」という程度のものだ。Geen woorden maar dadenをカルチャーとして持つクラブのサポーターにとって2年半前の出来事はそれほど大きな失望だった。そして現実的にフェイエノールトの経営ポリシーを考えても、現在のスピッツはカジム・リチャーズが不動の存在であり、シーズン後半戦もさらに活躍を続けられれば買い取りオプションを行使することが濃厚なため、来夏のタイミングでさらに引退間近のベテラン(本人は40歳までやれるとドクターに言われているとコメント)を獲得して競争させるメリットはほとんど無いと言える。