2014年夏の移籍市場で最大の衝撃を残したケネト・フェルメールのフェイエノールト行きだったが、その背景にはフェイエノールトのディレクター陣のアヤックスへの怒りがあったとDe Telegraafが報じている。
近年クライフのビロード革命により、クラブポリシーをユース重視に転換したアヤックスはCLと移籍市場で大きな収入を得つつも、補強に大金を投じる事はせずに、育成費につぎ込んでいる。先んじてユースのタレントたちで成功を収めたフェイエノールトの後追いと思われたが、その実体が前から変わらない『国内外のプロ契約前のタレントの買い集め』なのは周知の事実だ。
それどころか前以上にユース選手のスカウティングに力を入れ始めたアヤックスは近年、『オランダのトップ3間でユース選手を奪わない』という”紳士協定”を無視してPSVからトップタレントを強奪。不文律ながら「紳士協定は間違いなく存在した」というPSV関係者の言葉を尻目に、「そんなものは無かった」とオーフェルマルスは平然とコメントし、実にアヤックスらしい傲慢さを示していた。
そしてその手はもちろんオランダ最高のユースであるフェイエノールト・アカデミーにも伸び、2年前にCユニオールのトップスコアラーだったノア・ラングを連れ去り、昨年にはファルケノールトの『黄金の双子』と呼ばれていたCユニオールのクインテン&ユリエン・マドゥロ兄弟を強奪。
10歳以前からの育成を重視しているフェイエノールトのフロントの嘆きと怒りは想像に難くない。フェイエノールトとアヤックスの間の移籍にセンチメントな障害があるのは今回のフェルメールの移籍でも証明されたが、アヤックスがそれを先に破ったため、フェイエノールトはアレナからフェルメールを奪うという形で報復した、とDe Telegraafは推測している。