スティーヴ･マクラーレンは火曜にFC トゥエンテの監督を辞任することを発表した。2012年1月にコ･アドリアーンセの後を受けて再びトゥッカースの指揮を執ったが、内容、結果共に高い期待に応えることはできず、2013年に入って6試合で勝利無しと、大きな批判を浴びていた。月曜に会長 ヨープ･ムンステルマンは「私はまだ彼を支持している」と解任を否定したが、本人自らクラブを去る事を決断した。アシスタントのアルフレッド･スロイデルが仕事を引き継ぐ。
スティーヴ･マクラーレン
「クラブは一個人よりも大きな存在だ。トゥエンテは私の心であまりに大きく、これ以上前進する道を妨げることは私にはできない」
「土曜のヘーレンフェーンでの敗戦後にクラブが置かれている苦境をどう解決するかフロントと話し合った。クラブの期待、欧州戦への予選の重要性から、我々は絶対に4位以内に入らなければならない」
「我々はウィンターストップまでコップローパーとタイだったし、4週間前まで2位。しかしこの数週間の結果にはサポーターとメディアから多くの批判が起き、抗議のデモンストレーションも行われた。この状況を変え、チームをプレッシャーから解き放つにはどうすれば良いか話し合い、私がクラブを去るのが最良の決断だと我々は決めた」
「私は残り10試合でチームを残して去るが、彼らはまだ何かをやれるはず。トゥエンテはまだトップ4で終われると私はポジティヴだよ。トゥエンテの監督ができたことを誇りに思いながら、多くの素敵な思い出を手に私は去る。2010年のティートルを勝ち取ったのは私のキャリアで最高の日々の一つ」
Profiel Steve McClaren
Geboren: 3 mei 1961 in York (Eng).
Carrière als speler: (middenvelder) Hull City AFC (1979-1985), Derby County FC (1985-1988), Bristol City FC (1988-1989), Oxford United (1989-1992).
Carrière als hoofdtrainer: Middlesbrough (2001-2006), bondscoach Engeland (2006-2007), FC Twente (2008-2010), VfL Wolfsburg (2010 tot februari 2011), Nottingham Forest (juli tot oktober 2011), FC Twente (6 januari 2012 tot 26 februari 2013).
Grootste successen: kampioenschap FC Twente (2010), finale UEFA Cup Middlesbrough (2006), winnaar League Cup Middlesbrough (2004).
『オランダ人よりもオランダらしいフットボールをさせる』とかつては高く評価され、2010年にFC トゥエンテにランズティートルをもたらしたクラブにとっての『生ける伝説』は、この約1年で最終的に『イングランド･スタイルのアンチ･フットボールをさせるだけ』と、そのサポーターから'clean shit'と侮辱される存在にまで堕ちてしまった。なぜマクラーレンのトゥエンテ復帰が失敗したのかという問いに対する答えとして、今シーズンのチャドリやフェルらキープレイヤーに怪我が続いた不運は確かに大きな要素だが、2010年のチームと2012年のチームとの差、その間のクラブの補強戦略も観て考えなければならないだろう。
2010年のトゥエンテにはケネト･ペレス、テオ･ヤンセン、ブレイズ･ヌクフォといった名手がチームにおり、国内のトップクラブや欧州戦でも高いクオリティのフットボールができるチームだった。ペレスとヌクフォが去った後もブライアン･ルイスの獲得とルーク･デ･ヨングの成長でチーム力を大きく落とすことは無かったし、貴重なユース出身であるオラ･ジョンのブレイクもあった。しかしチームのフットボールの中核的存在だったテオ･ヤンセンが抜けた穴はあまりに大きかったと言えるだろう。かつての華麗にパスを回していたチームの姿はもはや無く、ナセル･チャドリとドゥサン･タディッチのクリエイティヴィティに頼るのみだが、彼らもまだルイスほどの決定的存在ではない。
ただこの数年間でPSVに匹敵する補強費を費やしたトゥエンテには、抜けたキープレイヤーの穴を埋める能力もあったはずだ。しかし毎年ダグラスの後継者を獲得してはダグラスの売り時を逃すという状況を繰り返しているように、近年のムンステルマンの移籍市場でのポリシーには迷走感が拭えない。クラブ史上最高額の7milで獲得したマルク･ヤンコを1年半で見切り、リロイ･フェルの獲得交渉ではマルティン･ファン･ヘールに粘られて5.5milを出し、挙げ句にフェイエノールトが1.5milで売った先のインテル･ナツィオナーレで1年間ほとんどプレーしていなかったルク･カスタイニョスに6milを払ったのは暴挙としか言いようがない。ボール配球能力に大きな疑問を持たれていたヴァウト･ブラマのポジションにも全く手を付けないなど、クラブのスカウティング能力とユースの育成能力の低さを指摘されても仕方がないだろう。
アドリアーンセを半年で切ってマクラーレンを招聘したのはかつてのフットボールを取り戻したい気持ちからだったが、現実のチームはフットボール能力が大きく落ち、自分たちがトップクラブだと認識するサポーターが内容と結果を共に求める中で、マクラーレンにとってはあまりに難度の高いハードルだったかもしれない。今シーズ前半は結果こそ残していたが、明らかに歯車の噛み合っていないチームが1度フォームを失えば下位相手にも勝てなくなるのは当然だろう。
一旦バトンを引き継ぐスロイデルがどういう仕事をするかは注目だが、フェルのフォームが戻り、チャドリが復帰する3月半ば以降にまでこれ以上勝ち点を落とさなければトップ4で終われる可能性は十分にある。エールディヴィジの特殊性のため、6試合勝利無しでもまだ首位との差は6pts。しかしフィテッセやユトレヒトなど欧州戦を狙うサブトッパーにすでに挟まれており、今週末からのホームでのトッパー2連戦(ajax-thuis, Vitesse-thuis)でも連敗すればその目標も厳しくなる。
