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POシステムの思わぬ弊害。最終節のヘーレンフェーンに奇妙な状況

今日日曜の午後に行われるエールディヴィジ最終節。史上最大の混戦となった2位争いはフェイエノールトが勝てば見事2位フィニッシュという有利な状況でフリースラントへ乗り込むが、その相手のヘーレンフェーンの「奇妙な状況」がこの数日オランダ・フットボール界最大のトピックだった。

 

ヘーレンフェーンは現在4位。フェイエノールトに勝てばもちろんEL枠(予選第3ラウンドから)を獲得できるが、実は仮に負けたとしてもEL枠(予選第2ラウンドから)が決定している。そしてさらに引き分けでもEL枠(予選第1ラウンドから)を得られることがほぼ間違いない。つまり結論から言えば、ヘーレンフェーンは引き分けよりも負けた方が良いという立場で最終節を迎えているのだ。

 

この奇妙な状況が生まれた原因はPOシステムにある。ベーカーフィナーレの勝者である現在3位のPSVにはEL枠が与えらていれるが、仮にPSVが2位フィニッシュするとその枠はベーカーフィナーレの敗者、現在12位のヘラクレスに与えられる。その結果リーグ3位と4位に続く残り1枚のチケットを5位から8位のPOで争うことになる。だがPSVが3位以下でシーズンを終えてCL枠を逃すと、ベーカーヴィナーに与えられるEL枠はヘラクレスではなくリーグ戦を5位で終えたチームに与えられ、この場合は計算上ここにヘーレンフェーンが入るのが間違いない。

 

さらに問題は難しくなる。金曜にUEFAがオランダにフェアプレー・ランキングでの追加EL枠(予選第1ラウンドから)が与えられたと発表。国内のでフェアプレー・ランキングでは最終節を前に1位ヘーレンフェーン、2位トゥエンテとなっており、ヘーレンフェーンにはPOで3枚目のチケットを逃したとしても、確実に4枚目が待っているという状況にある。

 

つまり、ヘーレンフェーンフェイエノールト

勝つ → PSV2位・フェイエノールト3位・ヘーレンフェーン4位 → ヘーレンフェーンはEL予選第3ラウンドへ。POは5位~8位。

 

負ける → フェイエノールト2位・PSV3位・AZ4位・ヘーレンフェーン5位 → ヘーレンフェーンは予選第2ラウンドへ。POは6位~9位。

 

引き分ける→PSV2位・フェイエノールト3位・AZ4位・ヘーレンフェーン5位 → ヘーレンフェーンは5位~8位へのPOへ進み、敗退でもEL予選第1ラウンドへ。

 

 

つまりヘーレンフェーンはどう転んでもELチケットを手にしていると言えるが、予選ラウンドを考えれば最終節は引き分けるより負けた方が得ということになる。2位の可能性を残しているPSVにとっては残念だろうが。

 

KNVBディレクター ベルト・ファン・オーストフェーンのコメント

「スポーツとして見て、引き分けより負けた方が良いのはあり得ない状況。我々は多くのシナリオを想定、検討してきたが、今回のケースは見落としていた。7月のルール決めで今回のような望ましくないケースを避けられるようにしたい。例えばベーカーフィナーレをリーグ戦終了後に行うなどだ。必要があれば、1枚ではなく2枚のチケットをPOで争うというやり方もあり得る」

 

フェイエノールト監督 ロナルド・クーマンのコメント

PSVヘーレンフェーンの状況に困っている?彼らは自分自身を見つめるべきだろう。あれだけの補強をして、あれほどのチームを持っているのだから、最終日に他の試合結果次第という状況になったのは完全に自業自得だ。それにまず彼ら自身が勝たないと話にならないということを忘れてはいけないよ・・・」

 

「私は2003年アヤックスの監督時代に最終節がヴィレムII戦だったが、フローニンゲンPSVはずっと0-0。残り35分間彼らはセンターラインでボールを回しているだけだった。PSVの人々はローマ教皇以上に独善的だ」