2012-2013シーズンへ向けて新たなスピッツを求めているフェイエノールトだが、この夏も基本的には移籍市場で出す資金の用意はなく、依然難航が続いている。今のところ来シーズンのセレクションでこのポジションでプレーする契約選手はギオン・フェルナンデス、アナス・アシャバール、ミチェル・テ・フレーデの3人。後者二人はまだトップチームでの実績に乏しく、エールディヴィジのレベルで確実に結果が見込めるのはフェルナンデスのみ。欧州戦出場が濃厚な来シーズンには、今シーズンのクラブ・トップスコアラー ジョン・グイデッティの代わりが絶対に必要になるのは疑いない。
マンチェスター・シティからのレンタル選手であるグイデッティについてはすでに延長オファーを出しており、本人もマンチェスターでの出場機会が得られる見込みがなければもう1年ロッテルダムに残ることにも前向き。しかし欧州の多くのクラブが関心を持っている状況で全ては所有権を持つシティ次第。仮にシティが再レンタルを認めたとしてもレンタル料に150万ユーロを請求されると言われている。ビッグクラブは動きが遅いため、現時点ではフェイエノールトも再レンタルに期待は抱かずに来シーズンへの準備を進めている。
グイデッティに代わる、いや、それ以上のデ・カイプのヒーローとして理想的な存在がディルク・カイトなのは間違いない。32歳になる「ベテラン」はリバプールでの出場機会激減でこの夏の移籍が濃厚な状況。これまでずっと夢だったフェイエノールト復帰の約束を果たして引退までの最後の数年間をプレーするか、ドイツやイタリアなど欧州の別のトップクラブでもう一花咲かせるかの選択を迫られている。カイトとリバプールの契約には移籍金無しでフェイエノールトに戻れるという条項が含まれており、クラブ間合意には問題が無く、全てはカイトの決断次第。ここでフェイエノールトに戻らなかったとすれば、2年後ならもう34歳。プレースタイルからいってもトップコンディションは望めないだろう。フェイエノールトはすでにカイト本人と接触、複数年オファーの打診も済ませているが、まだ期待巻を抱ける状況では無いというのが現実。カイトはEK前までに結論を出したいと言っていることから、シーズン終了時前後に答えが出るだろう。
より現実的な選択肢が昨夏ミラノへ旅立ったルク・カスタイニョスだろう。インテルでは出場機会を得られていないため、本人に一時的にでもデ・カイプに戻るつもりがあれば実現は可能に思える。デ・カイプのプレッシャーに耐えられることは昨シーズンの活躍で証明されており、未だレヒューンの中でも出て行ったことが惜しまれている存在であることから、再びファンの支持を得るのにも問題は無い。