シーズン前、AZをランズカンピューンの候補に挙げた専門家はほとんどいなかったが、12節を終えてヘルトヤン・フェルベークのチームは堂々とトップを走っている。フレッシュに、エネルギッシュに手の行き届いたフットボール見せているAZ。監督自身から見ても、このセレクションには夢を抱いている。
「年齢の面でも、キャラクターの面でも、左利き、右利きのバランス、マルチローラーの存在と、理想的な選手たちの組み合わせだ」
「このグループはとても外向的。みんなオープンでお互いに話し合おうとする。みんなが全体の一部になっている」
昨シーズンはイタリアのグラツィアーノ・ペッレを含め、ラテン系のグループを抱えていたフェルベーク。その中で重要な役割をしていたのは、ドアを叩いて手を骨折したこともあるアルゼンチン人GKのセルヒオ・ロメロだった。
「去年は南アメリカ人たちがお互いを探す事が多かった。それ自体は悪い事ではない。今シーズンもスカンジナビア人たちがそうしているが、彼らは外向的で、他の選手たちともお互いに関わり合おうとする」
理想的なミックス
AZのセレクションはリハビリ明けの選手たち(ベーレンス、マルセリス、アルティドール)、自分を証明したいタレント(マヘル、フィールヘーフェル)、AZを飛び台により高くへステップを踏みたい選手たち(エルム、ホルマン、ポウルセン)から成り立っている。そして彼らには、グループプロセスを厳密に見守る監督がいる。
これまでキャリアの中でトレーニングしてきた各クラブで影響を与えてきたフェルベーク。ただヘラクレスでは僅か1シーズンではセレクションに手を付ける事はできず、フェイエノールトでは多くのベテランと多くの若手という矛盾したセレクションにぶつかったが、AZでついに伸びシロのある理想的なセレクションに出会った。
「ここではもう学ぶ事がないという選手がいない。AZには勝利者たちがいるんだ」