オランダ代表はヘルシンキでベストの姿は見せられず多くのチャンスを逃したものの、ケヴィン・ストロートマンの卓越したゴールと途中出場 ルーク・デ・ヨングの試合終了直前のゴールでフィンランドを下しEK予選8連勝を果たした。
前半からフィンランドの守備を切り裂いたオランイェ。ホームチームは明らかにカウンター以外の攻撃の糸を見せず、前半本当に危険なシーンは無し。しかしオランダもチャンスを活かすことができず、ディルク・カイトが大チャンスを逃した1分のシーンがこの試合全体を象徴していた。この調子でオランダは試合全体で少なくとも8つの決定機を逃したが、幸運にもまだ「青い」代表選手、ケヴィン・ストロートマンとルーク・デ・ヨングがそれぞれ初ゴールを決めてくれた。
真の鋭さを欠いたオランイェに対し、フィンランドは周知のごとくフィジカルプレー。サンマリノ相手の11-0の反動を感じさせたオランダだが、フィンランドのフィジカルを活かした守備的プレーに対して、前半は効率的にそれをかき乱す攻撃を見せる。開始1分でウェズレイ・スナイデルからディルク・カイトのパスが通り専制下と思われたが、GK Lucas Hradeckyが立ちはだかり、15分過ぎにはスナイデルのFKからジョン・ハイティンハがネットを揺らしたがオフサイドで取り消された。
奇妙な展開は約30分、紛れもないクラッセの瞬間で終わりを告げる。まず不屈のマルク・ファン・ボメルがボールを勝ち取るも、その腕がチームメイト ケヴィン・ストロートマンとの鼻にヒット。ストロートマンはピッチサイドに出て治療を受け、オランダは一旦10人になるも、突然ピッチに戻ったストロートマンはそのままペナルティ・エリア内でフィンランド選手のマークを受けることなく、スナイデルからのパスを受けた。
そこからヴェレルトクラッセのプレー。ストロートマンはまだ綿の玉が腫れた鼻の穴に詰められた状態ながら、スナイデルの左サイドからのクロスをファーポストから左足アウトサイドで合わせ、ゴール左隅へ突き刺すという卓越したシュートテクニック。まだ「青い」代表選手が素晴らしく美しいゴールを決めて見せた。その後オランイェは再びコントロールを取り戻し、フィンランドに大きなエネルギーを使わせる。
後半に入るとフィンランドが前に出はじめ、その後開始5分でロビン・ファン・ペルシが2度のチャンスを逃す。最初は見事なトラップから良いシュートを放つもGKがセーブ。しかし数分後にカイトのクロスからフリーで合わせたヘディングは決めるべきだっただろう。フィンランドにとってこの試合、助けになったのはドイツ人主審 Manuel Gräfeがフィジカルプレーに笛を吹くのをあまり気乗りしなかったことだ。58分のカウンターでは抜け出したKasper Hämäläinenがロブでステケレンブルフの上を越したが、エリック・ピータースがライン上でクリアした。
苦戦していたオランダだが、審判の助けを得る。前半既にマルク・ファン・ボメルへのファールでイエローカードを受けていたPerparim Hetemajが中盤で倒れると、少なくとも主審 Gräfeの目にはそう映ったのか、2枚目のイエローカードを提示。怒る観衆の中、フィンランドは10人となった。
しかしまたしてもそれを活かせないオランダ。66分にストロートマンの力強いプレーからフンテラールがフリーでボールを受けるも、スピッツのシュートはGKに阻まれ、リバウンドを狙ったファン・ペルシも大きく枠を外した。このアーセナルの選手は非常に多くボールを失い、何度もチャンスを逃してしまった。そのためにファン・マルワイクが彼を替えたのも驚くことではない。彼とフンテラールに代わり、ルーク・デ・ヨングとエルジェロ・エリアがピッチに入った。
途中出場の二人は最後の15分間で二度のチャンスを作る。素晴らしいスナイデルとのワンツーでエリアはGK Hradeckyと1対1になるも決められず、その1分後にはエリアのクロスからファーポストのデ・ヨングが狙うもシュート失敗。しかしロスタイムにエリアからのクロスをルーク・デ・ヨングがしっかりと決めて見せて、二人の途中出場選手がその価値を証明することができた。ようやく安全圏のリードを奪ったオランイェ。もっと簡単に勝つことができたし、そうしなければならなかっただろう。
こうして乱雑なオランイェの混乱した試合は終わったが、少なくとも素晴らしい勝利ではある。ベターにはほど遠かったオランダだが、無用に長引かせた試合を最後に決める事ができた。
この勝利でオランイェは全9グループでベストの2位以上が確定し、EK本大会のチケットを獲得した。
Statistieken:
Finland – Nederland 0-2 (0-1).
Scoreverloop: 29. Strootman 0-1, 90+3. Luuk de Jong 0-2.
Rood: Hetemaj (2x geel).
Toeschouwers: 21.580.
Scheidsrechter: Manuel Gräfe (Dui).
Opstelling Oranje: Maarten Stekelenburg; Gregory van der Wiel, John Heitinga, Joris Mathijsen, Erik Pieters; Mark van Bommel (c), Kevin Strootman; Robin van Persie (67. Eljero Elia), Wesley Sneijder, Dirk Kuyt; Klaas Jan Huntelaar (67. Luuk de Jong).
ベルト・ファン・マルワイク
「全く満足していない。我々はあまりにも怠惰すぎた。もちろんあってはならないこと」
「5-0か6-0にできた試合。しかし我々は2点目を決められず、相手に同点にさえされかねなかった」
マルク・ファン・ボメル
「狙い通り勝利をあげられた。これでEK出場にかなり近づくのは分かっていたからね。チャンスは十分作ったし、本当に苦しんだ試合では無かったが、我々はフィニッシュが雑だった」
「フィンランドは我々をリスペクトして、完全に我々に合わせたプレーをしてきた。チャンスを活かせなかったのが残念。1-0の後もリードを手放しかねないシーンがあった。あってはならないこと」
鼻血でピッチを出た後に先制ゴールを決めたストロートマンに対して
「相手選手とちょっと区別が付かなくて、突然ケヴィンが立っていたんだ。得点能力がある選手がたくさんいるのが我々の強み。それにウェズレイ・スナイデルのようなあんなパスを出せる選手がいるんだから・・・」
「サイドを使う事が足りなかった。チャンスをしっかり決めていれば5-0か6-0にできたはず」
「2点目を取るまでだいぶ長くかかった。スタートは良くて最初の20分で4,5回チャンスを作ったけど、そこで1点しか決められなかった。あの時間帯に試合を決められたはず」
「フィンランド相手に簡単でないのは分かっていた。でもロッテルダムではもっと苦戦したからね。今日は十分な快勝。普段の僕らはたくさんポジションチェンジをするけど、ちょっと少なかった。もっとサイドを使っていかないと。今回はみんなが集中してしまった」
「いまもフットボールをするのがとても楽しくてたまらないんだ。良いプレーができているし、ピッチ上で楽しめている。このチームではたくさんフットボールができるから、僕は毎秒毎秒を楽しんでいるよ」
ケヴィン・ストロートマン
「鼻を叩かれたのは本当に痛かったよ。でもピッチに戻った時にウェズレイから素晴らしいパスが来た。右足で蹴るボールだったけど、ちょっと自信が無かったから左足でシュートしたんだ。派手なパフォーマンスはできなかったよ。鼻が痛くてね」
やはりフィンランドとはかみ合わせが悪いようで、この予選ホームに続いて大苦戦。それでも思ったよりラインを高くしてきてくれたお陰で裏への飛び出しでチャンスは十分作れていたので苦戦したのは自業自得か。
コンパクトな守備のために前線でぼーるが収まらず。前の3人も悪かったけれど、スペースがないため後ろから長いパスが多くなる中盤も問題あるような。VDVがいればまた違ったんでしょうが。それでもやっぱりチャンスを決めとかなかったFW陣が悪いか・・・。
ストロートマンはいよいよ「らしいパス」が増えてた上に素晴らしいテクニカルなゴール。お見事です。テオ・ヤンセンはもういらないですね。もうちょっと前への飛び込みを多くしてくれると助かりますが、元々そういうキャラでも無いので今後の成長ポイントか。この面子だとスナイデル一人がハードワークしているような印象になってしまうような・・・。本人は楽しそうですが。
とりあえずEK出場決定、おめでとうございます。タイトルへの道はまだまだ険しい。