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マリオ、フェイエノールトを去る・・・

プレシーズンのトレーニングが始まり3週目、エールディヴィジ開幕まであと3週間というタイミングでフェイエノールトは監督を失う事態となった。マリオ・ベーンは3年契約の最後の1年に臨もうとしてたが、2年半前のヘルトヤン・フェルベークに続いて「信頼していた選手たちからの裏切り」という形でクラブを去るという結果に終わってしまった。

 

エルメロでトレーニング・キャンプに入ってたフェイエノールトだが、水曜午前のトレーニングが突如中止に。昼の13:00からテクニカル・ディレクター マルティン・ファン・ヘールとキャプテンのロン・フラールが会見を開いた。

 

ファン・ヘール

フェイエノールトで働くTDとしてとても動揺している。映画を見ているような気分だが、24時間前には想像もしていなかったことだ。 こんなにあっという間に決まってしまった事が信じられない。私はマリオやスタッフたちと良いシーズンを迎えるためにやって来たというのに」

 

「選手たちが月曜日にみんなで話し合っていた。スタッフの誰も、私もいなかった。その夜にキャプテンのフラールからすぐに話をしたいとsmsが来たんだ。そしてすぐ選手たちがもうマリオ・ベーンを信頼していないとハッキリ知らされた。」

 

「火曜の投票で18選手中13人が監督への信頼を失った方に入れたらしい。投票を棄権した選手たちもいる」

 

「ロンとの話の中で、この決定が君たち自身にあると理解するように言った。私は責任を負わないとね」

 

「その翌日選手たちが再び話し合い、私に電話が来た。『マリオは知っているのか?何かサインを出したのか?』と選手たちに聞いたが、彼らは黙っていた。それで『では私がやらなければならない』とマリオと話をすると彼らに伝えた。その言葉で空が晴れることを期待したが、このグループをなだめることはできないと分かった」

 

「マリオに彼の状況を説明したところ、彼はすぐにバッグを手に出て行った。彼はとても信頼していた選手たちに裏切られたように感じたんだ。マリオは信頼感をもとに仕事をする人物。選手たちからの信頼が失われれば、彼が荷物をまとめて出て行ってしまうのは明らかだった」

 

「これはフェイエノールトの全員にとって悪い事態。もう一度言うが、私もディレクター陣の残りもこの決定を全く支持していないし、責任も持たない。誰に責任があるか、自分たちで分かっているだろう。いや、ディレクター陣が選手たちに責任を押しつけるという意味ではない。彼らは自分たちでマリオにサインを送らなければならなかった」

 

「このニュースはまだ出たばかりで、まだみんな最終決定を飲み込めていない。まずはスタッフと選手でこの1週間でしっかりとした答えを出さないと行けない」

 

ロン・フラール

「この会見に出たくなかったし、こんな事は起こしたくもなかった。でもみんなのサインを拾い上げるのが僕の仕事。キャプテンとしての義務だ。みんなの間に不満が高まっていたのは気づいていた。みんなからかなりの事を言われて、無視はできなかった。」

「まだマリオとは話をしてない。彼がどこにいるのかも知らない」

 

「選手で話し合いを始めた時はこの結論は予想してなかった。まったくの驚き。シーズン前の緊張感が決め手になった。僕等は昨シーズンと同じ事にはなりたくなかった」

 

「今年は強いチームになれると僕は確信している。今回の事で違った目で見られると分かっているからね」

 

「何とかしようという試みがもし成功していたら?分からないな。でもみんなベーンとの話し合いにはオープンだった」

 

「この決断に至った本当の理由?このままでは昨シーズンよりも良くなるという確信が無かった」

 

 

エクセルシオールで監督キャリアをスタートさせたマリオ・ベーンはNECナイメヘンでの2シーズン目である2007/2008シーズンにEL-POを勝ち抜き、翌シーズンにはEKのグループステージをTottenham Hotspur, Udinese, Spartak Moscow, and Dinamo Zagrebと強豪相手に見事な戦い振りで突破。ベスト32のトーナメント1回戦ではHSVの前に敗れ去ったが、クラブ史上最も成功したシーズンとなり、若きマリオ・ベーンの手腕は高く評価された。

 

その翌2009年夏から自身の夢の一つであったフェイエノールトの監督に就任。サポーターから熱烈な支持を受け、クラブ再建を託された。苦しい経営状況からほとんど補強が出来ない中で、1シーズン目はマカーイ、ホフラント等コンディションの整わないベテラン勢を容赦なくスタンド送りにして4位と好成績。ベテラン勢が一挙に去った2シーズン目はユースに掛けざるを得なかったが、シーズン序盤から苦しい戦いが続き、PSV戦10-0に至るクラブ史上最悪のシーズンとなり、この夏はサポーターからも不満が高まっていた。

 

フェイエノールトはとりあえずアシスタントのレオン・フレミングスが指揮を取ることを発表。マリオ・ベーンはキャンプ地を去り、「これを受け入れるには時間が必要」とそのまま空港からスペインへと旅立った。契約が残り1年あるために、解任の場合違約金が発生するが、代理人ロブ・ヤンセンがクラブと話し合い、合意したとのこと。ジェネラル・ディレクターのエリック・フッデは「両者にとって的確な金額。ここでもマリオはフェイエノールトへ素晴らしいジェスチャーを見せてくれた」とコメントを残した。

 

 

ほぼ最悪のタイミングです。ベテラン勢の反乱から2年半、今度は子供たちの反乱が起きるとは誰も予想できず・・・。確かにマリオは良い結果を残せてませんでしたが、当然彼に全ての責任があるわけではなく。

 

NECで大成功し、将来のボンズコーチ候補との呼び声も高い中で、財政危機の状況から言って成功よりも明らかに失敗のリスクの高いフェイエノールトの監督を敢えて引き受けてくれた根っからのフェイエノールダー、クラブのアイドル的存在だったというのに・・・。覚悟はしていると言っていたものの、やはりそのキャリアに傷を付ける事になってしまったのが残念でなりません。もう一つの夢だった、「イタリアで監督をすること」が果たせる日が来るのを願ってます・・・。