金曜夜にブダペストで行われたEK予選、オランイェはグループ2位のハンガリーに0-4で勝利しEK本大会へ大きく前進した。オランイェはやや低調なスタートを切ったものの、相手をノーチャンスに封じ込め、突発的にだがハイレベルなポジションプレーを見せた。ラファエル・ファン・デル・ファールト、イブラヒム・アフェライ、ディルク・カイト、ロビン・ファン・ペルシがゴール。ロスタイムは取られなかった。
この試合でウェズレイ・スナイデル(26歳と289日の史上最年少)とディルク・カイト(6年と203日で史上最速)が75キャップに到達している。
前半はFerenc Puskás Stadionの荒れたピッチのためにドタバタしたスタート。ハンガリーが何度かチクチクと攻撃を仕掛けていたが、すぐにオランイェが効率の良さを発揮。8分にスナイデルのスルーパスを前線のスペースで受けたファン・デル・ファールトがシュートを決めて先制した。
早い時間帯の先制点で自身をつかんだオランイェは次第に優勢に立ち始める。ポジションプレーが向上し、ハンガリーにほとんどボールを持たせなかった。30分過ぎにバラーシュ・ジュジャクのシュートがフォルムを脅かすも、ゴールは割られず。フォルムは冷静さと安定感を印象づけ、終盤も素晴らしいセーブを見せた。
31分にはファン・ペルシのパスを受けたアフェライが2-0のチャンスを得るも、バルセロナの選手がこれを外してしまう。その後オランイェは再び不安定になり、度々ボールを失ってハンガリーが試合を振り出しに戻すかにも思える展開に。ファン・マルワイクがベンチ前から飛び出し怒りを露わにするシーンが数回あった。
38分にはファン・ペルシとスナイデルがより好位置にいた状態でカイトがチャンスを逃す。しかし前半終了1分前、ファン・ペルシとグレゴリー・ファン・デル・ヴィールの素晴らしいアクションからアフェライが強烈なシュートを決めて0-2。オランイェはボンスコーチ ファン・マルワイクをようやく落ち着いて座らせる事ができた。
後半開始直後もオランイェにはファン・ペルシとファン・デル・ヴィールがGKと1対1になり0-3のチャンスを得たが決められず。3点目はその5分後、この夜最も美しい攻撃から生まれた。スナイデルのパスが前線のファン・ペルシに届き、最後はカイト。ワンタッチが3回続く、オランイェのワンタッチフットボールだった。
7分後(61分)にはハンガリーにとってさらに悪い結果に。ファン・デル・ヴィールがハンガリーゴールに流し込むかに見えたが、ゴール前にマイナスのパスを出し、ファン・ペルシがWKカメルーン戦以来のゴールを決めた。
ハンガリーは次第にオランイェの速いFW陣をファールで止めるようになり、アフェライが3回のキックを受けてエルジェロ・エリアに交代。そのエリアも入って数分でハンガリーDFのハードなファールを受けた。
ハンガリーがイエローカードを集める一方で、スナイデルの素晴らしいドライブシュートが決まりかけたが、バーを直撃。リバウンドを狙ったカイトも決められず。
オランイェは残り時間ボールを回し、数分間ハンガリーに全くボールに触らせないデモンストレーションを見せる。数回あったハンガリーのチャンスもフォルムが危なげなくセーブした。ロスタイム前には一人のハンガリーサポーターがピッチに乱入。
後半ファン・マルワイクがオランイェのゴールシーン以外ベンチから飛び出す事はなく、ブダペストでの試合はオランダ代表が火曜のアムステルダムで仕事を完遂できるとの自信を彼に与えるのに十分なものだっただろう。
春のアムステルダムは滞在するのに楽しい街だ。それ以外にハンガリー人にとってオランダへの旅を楽しむ理由は無いだろう。
Statistieken:
Hongarije – Nederland (0-2) 0-4
Scoreverloop: 8. 0-1 Van der Vaart, 45. Afellay 0-2, 54. Kuyt 0-3, 61. Van Persie 0-4.
Nederland: Vorm; Van der Wiel, Heitinga, Mathijsen, Pieters, Nigel de Jong, Van der Vaart (82. Strootman), Sneijder, Kuyt (82. Van Nistelrooy), Afellay (63. Elia), Van Persie.
ベルト・ファン・マルワイク
「楽しめるフットボールだった。いつも我々がやりたいプレーをしていた。アウエーゲームだったが相手に全くチャンスを与える事もなかった。これはハンガリーにとって正真正銘の真剣勝負。相手にこれだけプレーをさせなければ、誇りに思っても良いだろう。我々はあと4点は取れた」
「後半は蹴られたりでこれ以上不要な怪我人が出ないように、我々は注意して試合を進めなければならなかった。『ギャラリー・プレー』と大げさにすべきではない」
ラファエル・ファン・デル・ファールト
「自分たちのプレーを楽しめたよ。今日のようなプレーを続ければ、どんな相手にも苦しむ事はないだろう。先制点はウェズから良いボールが来たから、僕はそれを落ち着いて決めるだけだった」
「僕らのプレーはファンタスティックだった。楽しかったよ。世界2位としてこういうプレーをしないとね。まぁ、ハンガリーはもちろん世界最高の国じゃないけど・・・。彼らも最初は何度かシュート近くまでいっていたけど、後は試行錯誤しているだけだった」
「交代はふくらはぎにちょっと痛みがあったから、リスクは冒したくなかった。火曜は90分プレーしたいね」
ロビン・ファン・ペルシ
「これぞフットボール。美しい連携だった。みんながこういう感覚を持たないと。フットボールが何かを今日んも僕らは見せる事ができた。決定的な瞬間で全員がボールに均等に絡んでいた」
イブラヒム・アフェライ
「いつでももっと良くできるけど、今日は見ていて楽しい試合だったんじゃないかな。何度か本当に楽しい時があった。とてもハイレベルだった。みんなが同じように絡む事が大切なんだ。ゴールをみんなで祝福しているのを見れば、ロッカールームでの仲の良さも分かるだろう。僕は相手を混乱させために動き回る自由を貰っている。前線のポジションチェンジは相手にとって守りにくいからね」
マルコ・ファン・バステン (Veronicaで解説)
ベルト・ファン・マルワイク
「ファン・バステンが『バルセロナ・フットボール』と言ったのは嬉しいね。我々はそのプレーに近づいている数少ないチームの一つだと思う。ハンガリーにとっては屈辱に違いないだろうが」
ロビン・ファン・ペルシ
アーセナル・フットボール?バルセロナ・フットボール?と聞かれて
「僕らはバルセロナ・フットボールとアーセナル・フットボールを組み合わせてプレーしていると思う」
フンテラール、ロッベン、ファン・ボメル、ステケレンブルフの4人のキープレイヤーを欠きつつ、予選最大のライバルに圧勝、と順調に勝利を重ねました。前半の内容は悪かったんですが・・・。懸念されたピッチ状態の事もあり、組み立てと繋ぎのミスが連発。約65%のポゼッションの割にシュートは5本ほど、むしろ自陣ゴール前で不安定なプレーばかり。そこを効率よく2点取ってHTに入れたのが大きかったです。1点目はスナイデルの、2点目はファン・ペルシのクオリティ。
ボールを持った際のスナイデル、ファン・デル・ファールト、アフェライのテクニックというのはオランイェの大きな武器だとは思いますが、前半は左サイドのやや狭いスペースに拘りすぎた感が。後半はカイトもダイナミックに動くようになり、ファン・デル・ヴィールも久しぶりに躍動感あるプレーで全面でフットボールができてました。
ファン・ペルシは前線の起点になるだけでなく、中盤まで下がってフットボールに参加。実質0トップに近い雰囲気になり(前半は時々トップに誰もいない事もありましたが・・・)、まぁパンケーキが言うバルセロナフットボールかどうか知りませんが、ボールが回る事は確かです。ベルタスがやりたいのは多分これなんでしょう。これでスピッツは非常に悩ましい問題に・・・なるんですかねぇ。終盤ファン・ニステルローイが入った際にファン・ペルシを右サイドに回すテストも今回もしているので、フンテラールと併用するオプションも状況によって無くはないでしょう。でも今のところフンテラールでしょうね。
ポジション争いが激しくなるのは良い事、ということでコントローラもナイジェル・デ・ヨングが戻ってしっかりしたところを見せてました。ただファン・デル・ファールトがこのポジションにいるとどうしてもスペースが生まれがちになるのも事実。攻撃から守備への切り替えをもっとスピーディにやれるようにしていかないとEKでタイトルを狙うにはやや心許なく、大一番でファン・ボメルとデ・ヨングを並べる事になりかねないような。
フォルムはキックミスが2本くらいありつつも、初の予選としては数回のセーブ機会を冷静に対処。DFラインは前半ドタバタしましたが大きな問題は無し。今季メディアから叩かれまくり、先日も愚痴っていたファン・デル・ヴィールは久々に会心の出来だったのでは。ピータースも良いんですが、アフェライが中に流れがちなのでもう少しスペースを埋めてくれると。
カイトも今シーズンあまりぱっとしてませんが、後半は良かったんじゃないでしょうか、あと1点決めたかったですね。4点目の時のファン・デル・ヴィールへのパスはお見事でした。