フェイエノールトのスピッツ ヨン・ダール・トマソンはWK日本戦で負った負傷のために今シーズン未だピッチに戻れず、ロッテルダムでは引退の危機さえ深刻に語られている。フェイエノールトはこれまで元TD ドン・レオが語っていた通り、今週に入ってデンマーク・フットボール協会に対して少なくとも100万ユーロの補償を要求するファックスを送った。
WKグループステージ最終戦日本戦でトマソンは右太もも深刻な怪我を負ったが、モルテン・オルセンはすでに交代枠を使い切っていたために最後までプレーする事になった。さらにトーナメントとの後にトマソンはデンマーク代表と共に帰国し検査と治療を受けたが、その後戻ったロッテルダムで受けたフェイエノールトのメディカルスタッフによる診断はデンマークでのそれよりも遙かに重いものであり、即座に治療を開始したが、エールディヴィジ第2節エクセルシオール戦を前に一度トレーニング・ピッチに戻っただけで現在までリハビリに時間を費やしている。
以上、フェイエノールトの認識としては「日本戦で無理にプレーを続けさせたこと」、「デンマーク代表のメディカルスタッフによる誤診と初期治療の遅れ」がトマソンの怪我が長引いた原因ということになる。
ファックスを受け取ったデンマーク・フットボール協会は現在のところ黙殺。
「今のところ賛成意見はない。彼らは我々がトマソンの怪我の後に不味い治療をしたと考えているようだが、何の実証も証拠文書も無い。それにどうやってクラブが100万ユーロという金額を出したのかもハッキリしない。我々はフェイエノールトに対し、この件にコメントしないと答えた。それに今後も一緒に解決案を探していく理由も我々には無い。ロッベンのケースと似ているとも思わない。トマソンは8月上旬にはほとんどフィットしていたはず。エクセルシオール戦前に再び怪我したことは我々も知っている」
焦点になると見られるエクセルシオール戦前の負傷について、フェイエノールトのスポークスマン Raymond Salomonは「同じ怪我を繰り返しただけ」と述べている。
「ヨン・ダール・トマソンがハムストリングを痛めながらプレーしなければならなかったWK以降、プレーできていないのは事実。我々は代わりとなるものを求めてきたし、どれだけコストがかかったかは自分たちで分かっている」
アリエン・ロッベンの件についてバイエルン・ミュンヘンとKNVBの動きを慎重に見守ってきたフェイエノールトとしては、デンマーク協会のここまでの対応は驚きではなく、フェイエノールトとしてもすべてを話し合いの席上に乗せるつもりはない。
「我々はサッカー協会から選手たちの全てのメディカルデータは貰えていないんだ。いずれにせよデンマーク協会にはフェイエノールトと話し合う提案をした。我々はとりあえず話し合いを続けたいと伝えている」