Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

前半戦まとめと展望

1位 PSV 19試合12勝5分け2敗[53-19] 41pts

2010年夏にCBにマルセロとバウマ、中盤の守備的MFにヒュチンソン、スピッツにライスと再契約しベルフをレンタル。ジュジャク、アフェライを残留させて万全の体制で覇権奪回に臨んだPSVアフェライ移籍前の最低限のノルマである首位キープで年を越えることになった。

当初からスピッツを任されながら、いまだフローニンゲン時代の姿を感じさせてはいないベルフに代わり、9月10月はライスが爆発。巧みなポジションプレーと正確なボールテクニックでチーム全体のフットボールを活性化させつつ強力なシュートでゴールを奪い、大物ぶりを見せつけ、シーズン前半のハイライトであるフェイエノールト戦の10-0と繋がった。だが第12節トゥエンテ戦(H 0-1)はまだしも、第16節NAC戦(A 2-4)は個人の守備ミスから完敗。第18節はデ・フラーフスハップ相手にスコアレスドローなど、不安定なフットボールを続けている。

 

シーズン前半を終えてキャプテンのアフェライが遂に移籍。さらにライスも今シーズン絶望の怪我を負った。年内最後のベーカー戦では二人を欠きながら霧の中の難しいコンディションでローダJCに勝利。今季成長を見せているトイヴォネン、10ゴール11アシストとエースと呼べる数字を残したジュジャクに加えレンスも8アシストと結果を出しており、ベルフさえ調子を上げればそうそうゴールには困らないはず・・・。アフェライの抜けた中盤でエンゲラールとコンビを組むのはヒュチンソンかバッカルだろう。右バックの層はそれほど厚くないため、前半戦を怪我でほぼ棒に振ったマノレフが早く本調子に戻ることが期待される。ルテン、ブランツ共に冬の補強の可能性は否定しているが、万が一この上にジュジャクが買われるようなことがあれば致命的な事態になる。

 

2位 FC Twente 18試合11勝4分け3敗[35-21] 37pts

2010年夏も監督マクラーレンの他にストッホ、ヌクフォ、ペレスと中心メンバーがクラブを去ったが年々成長を続けるランズカンピューンの基盤は揺らがなかった。

プレシーズンからルイスのトップ下起用など模索が続いたが結局ルーク・デ・ヨングをシャドウスピッツに据える策を採用してから得点力が改善。懸念だった左ウィングもジュピラーリーグ上がりのチャドリがCL ブレーメン戦で値千金の決勝ゴールを上げるなどスカウトの優秀さを再確認させた。GKにはボシュケルがWK後の調整で出遅れた隙をついてミハイロフが台頭。ダグラス、ヴィスヘルホフの鉄板CBコンビに加え、新戦力のベンソンも力を見せたことで3バックの採用など戦術面で選択肢も増えた。中盤ではエールディヴィジの王様 テオ・ヤンセンがCLでも通用することを証明。ブラマもCLでミスを繰り返しながらも結果大きく成長している。新監督プレドームの縦に早いスタイルへの変更により攻守の切り替えがやや甘くなり、第18節ヘーレンフェーンでまさかの6-2の大敗を喫したが、これを教訓に改善されて行くはず。

 

12月頭にルイスが膝を痛めるというアクシデントがあったが、幸いにも長期離脱は避けられ1月末には復帰の予定。チームのエース テオ・ヤンセンが飲酒喫煙のライフスタイルのためにチーム内で浮き、マクラーレンの率いるヴォルフスブルクに移籍するという噂がかなりの信憑性をもって話されていたが、11月頃からムンステルマン会長が事態の沈静化をアピール。プレドームはいまだヤンセンの移籍の可能性を深刻に考えているが、ヤンセン自身トゥエンテで何の不満も持っておらず、ヴォルフスブルクマクラーレンの留任は決めたものの不調なシーズンを過ごしていることからエンスヘデに留まる可能性はかなり高いだろう。ルイスは怪我のために冬の移籍は薄く、プレドームヤンセンが移籍した場合の補強の必要性はあるとだけコメント。

 

3位 FC Groningen 19試合11勝4分け4敗[37-24] 37pts

長く率いていたヤンスが創ったベースを新鋭のハイストラが上手く引き継ぎ、クラブ歴史上最高の結果を残した前半戦。アヤックスを抜いての年越しで数字上はカンピューンスハップを十分争える位置にいる。

主力がほぼ残留した一方でタディッチ、キーフテンベルト、レンタルバックのガルシアがスタメンとしてチーム力をアップさせている。特に左サイドから正確なクロスを上げ続けるタディッチの存在は、スピッツとして抜群の動きを見せたマタフスにとって非常に大きいだろう。ローフレが抜けたトップ下もこれまでクラブ内で確固たる位置をつかめなかったガルシアが輝きを見せ、アンデルソンが2年間に渡るリハビリから戻り、これまでの野戦病院状態が嘘のように好調なフィットネスを保っていたが、唯一ファン・デ・ラークが膝を痛めて長期離脱に。右サイドのスペシャリストはいないためにガルシアとエネフォルセンが務めることになるだろう。

 

ユーロボルフではアヤックスに引き分け、AZに勝利といまだ無敗だが、フローニンゲンの外ではNECヘラクレス相手に取りこぼしている。後半戦は共にホームでのトゥエンテ戦に始まりPSV戦に終わるため、最低限の目標であるEL出場枠を確保するには他の試合で安定したパフォーマンスを見せられるかどうかだろう。

 

4位 Ajax 18試合10勝5分け3敗[37-17] 35pts

昨シーズン後半戦圧倒的な強さを見せ、カンピューン候補として臨んだアヤックスだが今シーズンも躓いた。

夏にパンテリッチとロンメダールが抜け、代わりに獲得したエル・ハムダウイはELのPOで大きなゴールを決めるなど働いたがスアレス、デ・ゼーウ、ファン・デル・ヴィールなど主力にWKの疲れが残り調子が上がらないと、次第にチーム全体のパフォーマンスもトーンダウン。そういった状況の中でターゲットマンとウィンガーの不在という問題が鮮明に。CL初戦レアル・マドリー戦での0-2の数字以上の完敗からクライフがクラブ批判を強めたことでプレッシャーが強まると、11月のCLオーセル戦からADO戦、AZ戦、PSV戦、再びCLレアル・マドリー戦と4敗1分けと1ヶ月勝利どころかゴールにも見放され続け、PSVとのトッパーではスアレスの噛みつき事件も。12月4日NEC戦でのドロー後についにヨルが辞任した。

 

後任についたフランク・デ・ブールのもとでCL ACミラン戦、そしてフィテッセ戦、ベーカー AZ戦と3連勝。再びフットボールを始めているが、デ・ブールも決して順風満帆ではない。監督初戦のAC ミラン戦前に、スタメンのスピッツ エル・ハムダウイに対して「君はプレーしない」と一方的に通達。チームの不調に引きずられて調子を落とし、パンテリッチに比べてターゲットマンの役目を果たせないエル・ハムダウイには批判もあったが、何の説明もなくベンチに落とされたエル・ハムダウイはその後クラブから姿を消し、アヤックスは「病気」とだけ説明したが自宅のあるロッテルダムで姿が度々目撃されていることからデ・ブールとの確執が明らかに。デ・ブールは本人に謝罪し、将来的にはスピッツで起用する可能性もあると語ったが、現状ではエル・ハムダウイを左ウィングで起用して守備のタスクを課す方針で、エル・ハムダウイが受け入れなければこの冬の移籍もあり得るだろう。

12月の役員会ではクライフ派が大勝。デ・ブールと長期契約の方向で交渉が行われる。スアレス、エル・ハムダウイがいない状態でAZを圧倒するなどチームとしての伸びシロは3強の中で最もあるため、デ・ブールがチームに安定感をもたらせられるかどうかが見物。

 

5位 AZ 18試合5分け4敗[25-18] 32pts

デンベレ、エル・ハムダウィを格安で放出し、若いセレクションで迎えた新チームだがフェルベークの元で期待以上の結果を出していると言える。

当初は新戦力のファルケンブルフが専門外のスピッツを担い、決定力不足に苦しんだが、怪我の癒えたヨナタスが大器ぶりを発揮。第6節NEC戦から勝利を重ね出し、途中出場でゴールを重ねていたペッレが

第14節アヤックス戦でついにスタメンをつかむと、今までオランダのフットボールに馴染めなかった「イタリアの街灯」がついに高さのあるポストプレーとキープ力でクオリティを見せアヤックスとトゥエンテを立て続けに破り首位争いの混沌に拍車を欠けている。

 

夏に残留したロメロとスハールスは本来の力を発揮しており、ヤリエンスとマルテンスも健在。PSVから来たマルセリスも1対1で走り負けする場面はあるものの、かつての自信を取り戻しつつある。ラスムス・エルムのFKは大きな武器。レンスの抜けた右サイドはホルマンが頑張っているが、縦に抜けて仕事のできるウィンガーの登場が望まれる。

 

いまだ財政的には安定していないために冬も大きな補強はないだろうが、スハールスの移籍が濃厚視されており、その分はコントローラーの確保が必須。守備力のあるフィールヘーフェル、キック能力のあるエルムもいるが、両方を備えたスハールスの放出は大きな戦力ダウンになる。また重病の母親のためにブラジルに戻ったヨナタスの帰国時期はまったくメドが立っていないが、ペッレ、シトルソンが結果を出し、ベンスホップも控えているために補強の必要性はあまりない。

 

6位 Roda JC 19試合8勝8分け3敗[32-24] 32pts

一昨シーズンの残留POからチームを建て直したファン・フェルトホーフェンの仕事は留まるところがなく、9位~12位という期待を遙かに上回るペースで勝ち点を稼いでいる。

主力がほぼ残留し、ヴィーラールト、ヘンプテが加入した最終ラインはフットボール能力を高め、中盤ではフォルメル、ヴィレム・ヤンセンが充実したプレーを見せている。特にヤンセンはここまでやや波に乗れないユンケルの8得点を補う6得点の活躍。スタメンに定着しつつあるスチュイン・ジュムも5得点をあげ、スコブの負傷離脱の穴を十二分に埋めている。

 

今シーズンで契約の終了するヴィレム・ヤンセンはすでに来夏のトゥエンテ行きが決定しているが、クラブ間で合意すれば移籍金の発生する冬の移籍もあり得る状況。その場合は中盤の大きなピースを失うことになるが、再びファン・フェルトホーフェンの腕の見せ所と言える。

 

7位 sc Heerenveen 19試合8勝6分け5敗[40-26] 30pts

ヤンス新体制の船出は山あり谷ありだった。

ここまで順風満帆だった財政がここ数年の移籍市場の停滞で赤字を出したこともあり、ベテラン、戦力外を大量に放出して大幅にスモールセレクション化を進めた夏、問題はDF陣の整備だったが、まだ思うように結果が出ているとは言えない。特に右バックは泣き所で、攻撃が持ち味のヤンマートはコーニングにスタメンを奪われた。CBのブロイエル、クライスワイクもまだ関係が築けておらず、イエローカードもやや多い。一方で左バックはヨン・ア・ピンの急成長が大収穫。夏に加入したエル・アクシャウィにまったくチャンスを与えずに完全にスタメンの座をつかんでいる。

中盤はミカ・ヴァイリネンの完全復活によりグリントハイム、スベックとの3センターでようやく固定。昨シーズン迷走状態だったグリントハイムが攻守に本来のパフォーマンスを出し始め、ヴァイリネンもフィニッシュに絡む良い動きを見せている。

エールディヴィジ有数のクオリティを誇るウィンガー陣は健在。ベーレンスに加え、アサイディが急成長。第18節トゥエンテ戦では3得点2アシスト1PKゲットと鬼神の如き活躍で、エールディヴィジ史上3人目のVI採点10点を獲得。さらにユースから上がったナルシンも十分通用しており、移籍が近づくベーレンスの後釜も心配はない。

大きな話題となったのはスピッツで、夏に鳴り物入りで加入したバストがヤンスを納得させる働きができずにスタメン落ち。代わりにスピッツ起用されたヴィクトール・エルムが十分な働きを見せているが、ドストがこのまま納得できなければ短期間でヘーレンフェーンを去る可能性もあるかもしれないという噂も。

 

ヤンスはスモールセレクション化をさらに推し進める考えで、構想外のパパドプロス、エリユヌシなどこの冬も数人が去るだろう。補強の必要性は今のところあまりないが、新チームのまとまりは次第に生まれており、守備の不安定さを差し引いても後半戦爆発するポテンシャルはある。

 

8位 ADO Den Haag 19試合8勝5敗6分け[31-30] 29pts

TDウェッツェル、監督アッテフェルトの立て続けの解任とゴタゴタのあった昨シーズンは残留争いの末の15位と沈んだが、新監督に就任したファン・デン・ブロムが見事な手腕を見せた。これまでの攻撃的フットボールを変えずにさらに推し進め、守備面ではいまだ問題点が多いものの、とにかく攻撃を重視するスタイルで上位相手にも下位相手にも得点失点共に多いスペクタクルな試合を供給し序盤の台風の目に。

 

ミリッチに変わるスピッツには、アンデルレヒトからレンタルしたブリキンが高さと強さを見せて存在感を出し、トップ下とブリキン不在時のスピッツとしてフル稼働のインマルスは欠かせない存在。しかし最もインパクトを与えたのは7アシストのフェルフークと6得点のクビクの両サイド。特にフェルフークは成長著しく、トップクラブから熱い視線を浴びている。

 

今シーズンもスタメンに定着できなかったファン・デン・ベルフが度々不満を口に出し話題になったが、ファン・デン・ブロムはまったく妥協することなく対応。結局契約解除の末にファン・デン・ベルフはジュピラーリーグのスパルタへと去った。

 

10月頃からやや得点力が湿り始めているが、このままスタイルは変わらないはず。伝統的にカードが多いのも今シーズンも変わっておらず、いつも通り後半戦は出場停止で自滅ルート。当初の目標通り中位に落ち着くだろう。財政的余裕は無いが、エル・アクシャウィ獲得に動いている。

 

9位 NAC Breda 19試合9勝3分け7敗[29-28] 29pts

伸縮財政でのスモールセレクション化、シーズン序盤でのマースカントの突然の辞任、フロントのごたごたなどありながらも、マースカントの後を継いだカレルセ、アーンデヴィールの二頭体勢が好結果。アウエーでは1勝止まりもホーム ラト・フェルレーフ・スタディオンでは11試合8勝2分け1敗と高い勝率を誇っている。

新戦力はヤンセがポジションをつかめなかったものの、ライクスが主力として活躍。特に中盤後方でスペースを潰しながら正確なフィードを届けるライクスの存在は大きい。ブサボンもウィンターストップ直前に貴重なゴールを決めて存在感を増している。

中盤ではチャンスをつかんだスヒルデルが良い動きを見せており、新鋭フデリも16試合に出場。レオナルドは1得点止まりと今シーズンも微妙な出来だが、アモアは9得点と安定。

 

怪我人やアモアが引き抜かれ出もしない限りこの冬の補強は無いだろう。現有戦力でも十分PO枠は狙える。

 

10位 FC Utrecht 18試合8勝2分け8敗[30-26] 26pts

大補強の2009年夏から昨シーズンEL-POを勝ち抜き、EL本大会出場を賭けたPOでもセルティック相手にホームで4-0と勝利するなど期待の高かった今シーズンだが、まさかの怪我人続出に泣かされた。

特に前線はムレンガが今シーズン絶望、アザレがウィンターストップ前にようやく戻ったものの、夏の移籍市場が閉まる直前に慌てて獲ったデムージュも度々負傷、さらに12月にチーム・トップスコアラー ファン・ヴォルフスヴィンケルが鎖骨を痛めるなど、欧州戦との連戦の中でなかなかスタメンを固定できなかった。

2010年夏はほとんど補強がなかったが、デムージュと並び即戦力のデュプランがトップ下で活躍。メルテンスもさすがにマークが厳しくなったが、それでも4得点7アシストとエースとして働いている。

ファン・ヴォルフスヴィンケルは決定的な活躍をする一方でチャンスを逃し続ける場面も多く、PKでゴールを量産してはいるが、まだ大きな期待に応えられているとは言い難く、ドゥ・シャティニエルもウィンターストップ前にデムージュをスピッツに据えてファン・ヴォルフスヴィンケルをトップ下に回すなど試行錯誤。

中盤では夏に売り損ねたシルバーバウアーが攻守で充実のプレーを見せる一方で、CBスフットはシーズン前半でOG記録を達成。チーム全体がややバランスを欠きがちで、ミスも多く堅守を誇った昨シーズンに比べて失点がかなり多い。

 

念願のストロートマンの獲得が決まり、冬に再びシルバーバウアーを売りに出す。ストロートマンのボール配球は大きな武器だが、守備面はまったく比べものにならないために、攻守のバランスを早く見つけられるかどうかが大きなポイントだろう。ファン・ヴォルフスヴィンケルは幸運にも長期離脱は避けられ、ウィンターストップ明け初戦のアヤックス戦での復帰を目指してはいるが、ナポリリバプールなどが狙っているため、万が一買い取られれば代わりの補強が必須。

 

11位 NEC 18試合6勝5分け7敗[31-33] 23pts

降格候補と見られていたが大きな補強もなく迎えたシーズンで良い方向に期待を裏切ってくれた。

2010年夏はポトハイゼン、ホイバッハ、ブルフゾルフ、サルポン、キヴヴらが抜け、ヴィル、アミオー、ツィームリング、ジョージと最低限の補強。

少なくなったウィンガーが怪我で誰もいなくなる中、フレミンクスがクライフェルト コーチの元で覚醒。13得点とまさかの前半戦トップスコアラーに。さらに昨シーズン怪我で棒に振ったラッセ・シェーネが完全復活し、このコンビがチャンスを得点に結びつけている。

ナイティンクの成長した最終ライン、ツィームリングの加わった中盤は安定してきた一方で、両サイドのアタッカー不足は顕著。シャテレも期待はずれでシェーネ、ダーヴィッツがウィンガーに回るなどしている苦しい状況。GKはバボシュの怪我の隙に新鋭シレセンがポジションをゲット。ミスもありつつも好セーブを見せている。

 

財政難のために冬の補強はほぼ無いだろうが、アフェライ、テオ・ヤンセンの移籍によるシェーネの玉突き移籍の可能性が危惧され、国外からも注目を集めつつあるフレミンクスにも相当なオファーがあれば手放すことになる。その場合にはその移籍金で補強に動くはずだが、そこで見誤らなければ目標の残留は果たせるはず。

 

12位 De Graafschap 19試合5勝6分け8敗[21-37] 21pts

昇格カンピューンの前半戦は良い内容の試合を多く見せながら決定力に苦しむ苦しい戦いだった。

パウェルが抜け、獲得したFWはプポンとロゼのみ。ポストプレイヤーがいないために、前線への飛び込みをスタイルとするヘルシも決定的な存在とはなれておらず、中盤で良いフットボールをして主導権を取ってもゴール前でのクオリティ不足は明らか。

DF陣も個人のミスが多いため、サーイスの負傷離脱が痛い。

 

13位 Feyenoord 18試合5勝5分け8敗[23-33] 20pts

ファン・ブロンクホルストマカーイ、ホフラント、ランツァートとベテランが去り、デ・グズマンも抜けた代わりの補強費もなく、ユースに賭けたマリオ・ベーンのもとでの2シーズン目、当初から予想されていた苦戦を遙かに上回る苦しく辛い前半戦となった。昨シーズン4位で得たEL枠もPOでヘント相手に惜敗。ベーカー戦も初戦でローダJC相手にPK戦の末に敗れ、唯一のコンペティションとなってリーグ戦でも低調なパフォーマンスが続いている。

フリー移籍で獲得したアウアサル、スハーケンも大きなインパクトは残せず、アウアサルはほぼ毎週ヨングでプレー、最初右ウィングの第一候補だったスハーケンもオフ・ザ・ボールの動きに乏しく、ビセスワールにポジションを奪われた。ベーンハッカーはコネクションが駆使してレンタルしたスモロフ、ルンブも共にスタメンはつかめず。特にトマソンとシセの長期離脱で期待されたスモロフだが、明らかにスピッツとしては場違いで厳しい批判を受けた。

昨シーズン チームを支えた守備も怪我が重なり崩壊。特にフラールとフェルの二人のキャプテンの離脱はチームにとって致命的なものとなり、PSV戦での10-0という悲劇に繋がってしまった。バイーア、デ・クレルのコンビも足元の拙さが目にあまり、チームの組み立てを不安定にしているが、フェルナンデス、スヘンケフェルト、デ・フライが離脱した右サイド同様代わりの選手はいない苦しい状況。

 

その中で少ない光明を探せば、まず何といってもカスタイニョスのブレイク。第4節フィテッセ戦で初ゴールをあげた18歳の若きスピッツは第12節AZ戦から7試合で5得点を決めてその才能を証明。フィニッシュ以外の場面でも前線で孤軍奮闘し、大きな成長を見せている。他のタレントもカブラル、モコチョと光るプレーを見せクラブとして明るい将来があるのは間違いない。念願のトップ下のポジションをつかんだワィナルドゥムも決定的とは言い難いがチームの攻撃を引っ張っており、欠かせない存在。未だ不安定ながらエル・アマーディが調子をやや上げていることもあり、少しずつではあるがチームのパフォーマンスは上がってきている。年明けにシセやフェルが戻って来れれば良い変化が生まれるはず、と期待しよう。

 

この冬も補強費はないが、DF陣の駒不足は明らかで、フリーかレンタルで獲れる選手をウィンターキャンプで試すことになるはず。カスタイニョスはインテルからオファーを受ける予定だが、当面はレンタルでロッテルダムに留まる予定。11月にフリーで獲得したファン・ベウケリングがコンディションを上げればターゲットマンとして機能してくれるはずだ。PO枠は多少苦しいが、まず目標はリンカーライチェ。

 

14位 Heracles Almelo 5勝4分け9敗[30-34] 19pts

フェルベークのもと好成績を収めた昨シーズンから大きな凋落。

守護神ピーケンハーゲンと得点源のドストが去った以外大きな戦力ダウンは無く、得点もプレットとアルメンテロスの両スピッツが代わる代わるに併せて9得点。攻撃の中心エバートン、オーフェルトームも併せて12得点と得点は十分に機能しているものの、それ以上に失点が増大。マールテンス、ファン・デル・リンデンのCBコンビなど顔ぶりは昨シーズンから変わらないために、ペーター・ボスの采配とコンディションの問題か。チーム全体にカードも多く、守護神ピーケンハーゲンが去った後のGKを任されたパスフェイルも安定しているとは言えない。

補強は未知数だが、負傷のヴェイノヴィッチが戻ればクアンサーが守備に専念できて中盤が落ち着くか。戦力的にはもう少し上を狙いたいが、ずるずる行く可能性も。

 

15位 Vitesse 18試合4勝6分け9敗[21-33] 18pts

プレシーズにジョルダニアによる買収という衝撃の中迎えたシーズンだが、カンピューンを狙う3年計画は1年目から挫折中。

もともと財政難でフェルトハイゼン、フェルハーフ、クラウデミール、コルク、カヤ、ヨン・ア・ピン、ホフスなど多くの戦力を放出した後に、当然ジョルダニアの会長就任による補強が始まりアイサティ、マティッチ、ライコビッチ、カシア、キングストンペデルセン、バラジテと新戦力が増えたが、シーズン開幕数日前に一からのチーム作りをしなければならなくなったテオ・ボスは不運としか言いようがない。補強した選手もバラジテとキングストンは全くの期待はずれで、ペデルセンも怪我の出遅れでまだポジションはつかめず、マティッチとライコビッチも「それなり」の出来でしかなく、唯一アイサティがアヤックスでの不遇を晴らす大車輪の活躍を見せている。

10月に解任されたテオ・ボスの後、11月にフェレールが就任して両サイドを使ったフットボールを試みてスナイデルス、イェネルが多少活躍し出してはいるが、チームのフットボールは未だ向上しておらず、フェレールの監督としての手腕に不安が残る。ジョルダニア就任以降のクラブの急変でセレクション内の亀裂も生まれており、キャプテンを外されたスポローケル、フェレールのマネージメントに不満を漏らしているイェネルなど、初心者監督に任せるには内部崩壊の危険があまりに大きい。

 

ジョルダニアは当然この冬の補強も確約しており、結局時間が無くレンタルばかりだった夏の補強からより実践的な補強が行われるかどうかが注目。すでに日本の左バック ヤスダにオファーを出しており、今週中にまとまると見られている。ヨン・ア・ピンの移籍後ビュートネルが納得させるプレーが出来ずに不安定だったポジションなため、これは決定すれば良い補強と言えるだろう。

 

16位 Excelsior 19試合4勝4分け11敗[22-36] 16pts

スパルタとの劇的なPOを勝ち抜いて昇格した今シーズン、予想通り苦しい戦いとなりながらも、前半戦は特にホーム ヴァウデスタインでの戦いでフェイエノールトを破り、アヤックスフローニンゲンと引き分けるなど数字上のインパクトを残し、若手監督パストールのカウンター戦術は一定の成果を上げている。

特にヨング・フェイエノールトからのレンタルが多数の中で、自前のコールワイクとフェルナンデスが強烈なパフォーマンス。前線で圧倒的なスピードと強烈な決定力を持つフェルナンデスと左足で正確なロングパスを出すコールワイクのコンビはPSV相手にもフェルナンデスがバウマをぶっちぎるカウンターでのゴールを生み出しており、二人とも多くのクラブから注目を浴びている。SB ボーフェンベルフもコールワイクのFKからゴールを量産し、フェルナンデスと並ぶ5得点で大きな得点源。ボーフェンベルフはトラディショネール・トップ3から前半戦だけで全てゴールを奪っている。

 

アウエーではヴィレムIIと引き分けた以外ここまで全敗と、残留に向けては後半戦もヴァウデスタインでどれだけ勝ち点を稼げるか。特にどのチームにもカウンターが警戒されてきているために、まともにフットボールをしてのゴールを挙げられるかどうかもポイント。そのためにはウィンターストップ直前の試合のようにフェルナンデスではなくベルフカンプのスピッツ起用もアリだろう。

この冬はとにかくフェルナンデスとコールワイクの引き抜きを防ぎたい。

 

17位 VVV Venlo 18試合3勝1分け14敗[17-40] 10pts

昇格した昨シーズン、ホンダを中心に果敢なフットボールエールディヴィジを湧かせたが、夏の主力流出で大きくクオリティを落とした事が数字にも大きく現れた。

前線ではスピッツのボイマンスがカラブロに近いインパクトを残しているものの、スハーケンの抜けた右サイド、ホンダ&ガルシアの抜けたトップ下、中盤アウアサルの穴は大きい。ポルからのレンタル組もここまで期待はずれに終わっており、理想とするフットボールを実現するには明らかなクオリティ不足が露呈。その結果多くの試合で守備陣の脆弱さを見せることとなった。

 

ウィンターストップに入った瞬間にファン・ダイクが解任。後任はまだ決まっていないが、テオ・ボスとの話も。ファン・ダイクと補強で揉めたベルデン会長は、この冬多少補強に動く素振りを見せており、まずは日本のカレンを獲得の方向でテストしているが、問題はやはり中盤だろう。

 

18位 Willem II 19試合0勝4分け15敗[16-51] 4pts

連続未勝利記録を順調に更新し続け、降格はすでに決定的。後半戦は来シーズン以降を目指してチーム再建にかかるだろう。

危機的財政状況のためにアーツ、ヤンセ、アギュン、ブタハル、ザイレル、カルグボらが去り、さらに移籍市場が閉まる直前のデムージュ引き抜きが致命的。慌てて獲ったリフテルスも力不足は明らかで、ランピ、ハコラ、レフチェンコ、ラングレン、ラスニクら新しい顔の多いチームをへールケスはいまだまとめられないでいる。

 

 

1  ○○○△○△△○○○○●○○△●○△ ○ 41pts PSV

2  △△○○○△△○○○○○○●●○○●   37pts FC Twente

3  △△○○○○△●○●○○○●○●○○ △ 37pts FC Groningen

4  △○○○○○△●○△○○●●△○△○   35pts Ajax

5  △△●△●○○○○○●○△○○△○●   32pts AZ

6  △○●○○△△○○○△△△●△○△○ ● 32pts Roda JC

7  ●△○△○●△△●○●○○△○△●○ ○ 30pts sc Heerenveen

8  ●●○△△○○△○●●○○△○●●△ ○ 29pts ADO Den Haag

9  △●●○○△○○●●●○●○●○○○ △ 29pts NAC Breda

10 ●○○●●○●○△○○●●○△●○●   26pts FC Utrecht

11 ○○●△●●○●●○△△○△●●△○   23pts NEC

12 ○●●●△○●△△△○●●○○△●△ ● 21pts De Graafshcap

13 ○●△○●●●△●●○●△△●○△○   20pts Feyenoord

14 ○●△●●△●●○△○●●○●○●△   19pts Heracles Almelo

15 ○●●●●△○△●●●△△○○△●● △ 18pts Vitesse

16 ●○○△○●●●●△●●●●○△●● △ 19pts Excelsior

17 ●○●●●●○●●●●●○●●●△●   10pts VVV Venlo

18 ●●●●●●●△●●●△●●●△△● ●  4pts Willem Ⅱ