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Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2019年冬の移籍市場だいたいのまとめ


この冬のオランダ・プロフットボール KNVB管轄下の移籍は149件。2017年に記録した冬の移籍件数記録151に僅かに届かなかった。最終日の移籍は32件で、2017年の59件には大きく届かず。

 

149件の内、41件がオランダから国外へ、39件が国外からオランダへの移籍。国内での移籍は69件。レンタルは51件。


ADO Den Haag
バス・カイパースとニック・カイパースを放出し、フリーのエベシリオを獲得しただけの静かな冬。残留争いはまだ気が抜けず、補強が必要だったのはネシドが期待に応えられずにファルケンブルフが起用されているスピッツ・ポジションだったが見つけられずに終了。キスナがようやく試合に出れるコンディションに戻って来たのはプラスだろう。

 

AZ
ステングス、ボアドゥ、ヘルマーと怪我人が戻ることで補強は無し。フライデー、ベル・ハサーニと構想外の選手たちをレンタルに出して静かな冬。ベーカー戦も勝ち残りリーグ戦も4位と、マヘルとイドリシが牽引してチームは明らかに上り調子だが、スタイン・ヴァイテンスの怪我再発は小さくない失望。未だコープマイネルスがCBでプレーしており、フラールに再びコンディション問題が起きた時にハツィディアコスがしっかり役目を果たせるかどうか。

 

Ajax
昨夏に続いて大金を払ってCBにアルゼンチンのマガジャンを獲得、さらにケープタウンから将来性のあるスピッツ トラオレと、ヘーレンフェーン戦4失点の責任をランプルーに押しつける形でGK ヴァレラを買い取りオプション付きでレンタル。放出はヴェーバーを売却し、シールハイス、デニス・ジョンセンもそれぞれ買い取りオプション付きレンタルと見切りを付けた形に。ベーカー戦は勝ち残ったがリーグ戦では再び5pts差を付けられ、ウィンターストップ明けの悲劇的なプレーと共にテン・ハフがチームをまとめられていないとメディアで騒がれるなどいつもの調子。5年連続タイトル無しの予感は小さくなく、テン・ハフだけでなくオーフェルマルスとvdサールが責任を取る日も近いか。

 

De Graafschap
ヘッケンスライターとして残留争いの状況でユルユスと競争できる第2GKにベルトラムス、右バックにリジョン、MFにマツシヴァ、FWにベンスホップをそれぞれレンタルで4ライン全てを補強。これでも戦力面では大きく不足しており、最下位降格を避けるのは大きな挑戦。

 

FC Emmen
DF陣にニック・カイパースとドイツ人左バックニコ・ナイトハルト、クロアチア人CB アンドレイ・ルキッチを獲得し、攻撃面ではマイケル・デ・レーウにスフェン・ブラーケンと強力な補強。特にNECで得点を量産していたブラーケンは複数クラブに追われていた注目のスピッツで、得点力に悩むチームにとって救世主の期待がかかる存在。

 

Excelsior
放出は無く、補強もオーマルソンが物足りず、ベテランのエル・ハムダウィしか控えが以内スピッツに ドイツのデニス・エッケルトをレンタルしたのみと静かな冬。リーグ最多の48失点の守備に補強で動かなかったのは意外で、残留争いの中でこれがどうでるか。

 

Feyenoord
数は揃っていたセレクションから出場機会の無いターピア、エル・ハンクーリ、スフールマンらとお別れし、ボテギンが今シーズン終了の怪我を受けてロッテルダム出身のマルティナをレンタルしたのが唯一の補強という静かな冬。むしろ話題はフットボールピラミッドに参入せずドルドレヒトとの提携を選んだことと、ファン・ブロンクホルストの退任の発表だった。今シーズンは非常に不安定なプレーでウィンターストップ明け初戦もPEC-uitで悲劇的な敗戦だったが、デ・クラシケルで歴史的勝利と、瞬間的なクオリティは目を瞠るものが。リーグ戦3位確保はほぼ間違いなく、後はベーカー・クラシケルを制し、ベーカーを獲ってファン・ペルシ、ファン・ブロンクホルストという2人のイコンと美しいお別れができるか。

 

Fortuna Sittard
構想外になったフィディガルを長期レンタルに出し、控えGKにアルバニアのAzbe Jugをフリー移籍で獲得、中盤はクロアチアアンドライア・バリッチを、前線はアルバニアのバイテンスペーラー Agim Zekaをそれぞれレンタル。特にバリッチは例外的チャンスで得られただけあって大きな期待が掛けられており、リンカーライチェ入りを狙える順位にいるチームにさらに勢いを与えられるか。

 

FC Groningen
残留争いに巻き込まれるほど悲惨なシーズン前半戦を受け、緊急事態にポリシーを曲げて中盤にブルーンス、ベル・ハサーニ、日本のコー・イタクラ、前線にエル・ハンクーリとシールハイスをレンタル補強し、フリーのフラドンを獲得とこの冬一番の大補強。早速効果が出てウィンターストップ明けにブルーンスの2得点とヘラクレスに勝利し、後半戦は巻き返しが濃厚の戦力。

 

sc Heerenveen
今シーズンも低調なプレーでピッチ内外にゴタゴタが覆い状況。ブルトハイス、ザネリ、ロハスらを売却し、契約残り半年で勝手にトレーニングを休んでイタリアに行って交渉したトルスビーも売却しようとしたが合意できず、残り半年間リザーブ生活をさせる損な結果に。補強はDF陣にスウェーデンのIbrahim DreševićとデンマークのAndreas Skovgaardと2人のCBを獲得し、ザネリの後任には出戻りのデニス・ジョンセンを買い取りオプション付きでレンタル。元トップタレントのジョンセンが大ブレイクできれば勢いが付く可能性はあるが、クラブの方向性もチームの方向性も見えない中でそれは過大な期待だろう・・・

 

Heracles Almelo
好調なスタートの後に冬場勝ち点が伸び悩んでいるが、慌てること無く構想外のフェルマイを放出し、補強はDF クヌーステルだけと静かな冬。噂のあったペーターソンも残り、セレクションには何の不満も無いだろう。もう一度前線の得点ペースが上がればPO圏を狙えるはず。

 

NAC Breda
デ・フラーフスハップとわずか1pt差での17位と苦しい残留争いのシーズン。守備の脆さと得点力不足が最大の問題という状況で、補強は国内から右バックにカラーミ、中盤にルントクヴィスト、国外からオーストラリア代表日左バック Alex Gersbach、フランス人CB Dorian Derviteを獲得し、前線はイギリス/シエラレオネのスレイ・カイカイを獲得。ルントクヴィストは早々に価値を示しており、後は新しいDFラインがどれだけ奮起できるか。

 

PEC Zwolle
悲劇的な2018年を終えてファン・スキップとお別れし、新監督にヤープ・スタムを招聘。レンタルしていたトリパルデリとスカマカを半年で返し、リジョンら出場機会の無い選手たちを整理。補強はCBに日本のナカヤマ、中盤にスタムのもとでプレー経験のあるクレメント、前線にはフリーになって半年ぶりのオランダ復帰となるティを獲得。早速ウィンターストップ明け2連勝で残留争い圏から一歩抜けだし、このまま巻き返しを狙う。特にティの存在はポストプレーだけでなくファン・ダイネンを左サイドで前を向かせることができるようになったメリットが大きい。

 

PSV
セレクションに不足は無く、放出もトップチームではイシマツとお別れしただけで静かな冬。ウィンターストップ明けにいきなりエメン相手に躓き、やや低調なプレーをする時間が多くなっているが、5pts差で再び余裕が生まれるかどうか。ベルフワインが大きく成長しているのに対し、ロザーノがそれほどのモノを見せていないため、マーレンに期待する声も。

 

FC Utrecht
チームを立ち直らせたアドフォカートの望みは新スピッツだったが、フェーネマにブレイクの期待が生まれ、バヘベックが復帰したことでジョーカーとしてフリーになったクラーメルの獲得を選択。その他はバズールをサプライズ・レンタルし、フランス人バイテンスペーラー ケーラン・レボンを買い取りオプション付きでレンタルと小さな動きに留まった。AZ、フィテッセと争いつつ、POからの欧州戦チケットが目標。

 

Vitesse
スルツキを新監督に迎えるも、特にマタフスが離脱してからは低調なプレーでクラブ周辺に不満の声が多い現状。出場機会の無いカラーミ、ファイエ、ブルーンスを放出し、GKの控えにハウエンを加え、最終日ぎりぎりで念願のスピッツにガーナのモハメド・ダウダを買い取りオプション付きでレンタル。ダウダはこれまでも多くのクラブで噂になったスピッツで、POを制しての欧州戦チケット獲得へかかる期待は大きい。

 

VVV-Venlo
まさかの7位と今シーズン最大のサプライズを見せ、この冬は放出も補強も無く完全静寂のまま穏やかに終了も納得の状況。後半戦も前半戦と同様のパフォーマンスが出せればAZ、フィテッセユトレヒトのサブトップ勢と争いながらのPO圏内は現実的な目標。

 

Willem II
フラン・ソルが遂に移籍し、構想外になったクルークスも放出。補強は中盤にターピアを得て、ソルが抜けた前線はギリシアのパフリディスとフルザイに加えてBorussia Dortmundからスウェーデン/エリトリアのトップタレント アレンクサンダー・イサクをレンタル。ターピアは早速別格のクオリティを見せてチームが主導権を取ってフットボールをする不可欠なピースとしてファンの愛情を一身に受ける存在になっており、新加入のFW陣も結果を出せば後半戦PO枠争いも十分狙える注目のチームに。