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試合後に取り消されたグスタフソンへのレッドカード: 主審とVARのコミュニケーション問題

長い準備期間を経て遂にエールディヴィジに導入されたVAR制度。最初の2ヶ月間で小さなミスはあるものの概ね大きな問題は無く運営されていたと言えるが、第7節で遂にレッドカードがKNVB検察によって誤審として取り消されるという事態が起きた。

 

10月30日に行われたFCフローニゲン-FCユトレヒトの66分、ユリアン・シャボットがボールをクリアしようとした際に競り合いに行ったシモン・グスタフソンが明らかに出遅れて2人の足が激しく衝突。過度のファールではあるがイエローカードで十分に思えるこのシーンでしかし主審 バス・ナイハイスは迷わずレッドカードを提示した。VAR イェルーン・マンスホットとのコミュニケーション後もオン・フィールド・レビューを行うこと無くそのままの判定で再開し、激しく抗議していたFCユトレヒトの監督 ディック・アドフォカートは試合後も「20人に聞いたが20人ともレッドカードでは無いと言っていた」、「30人から電話があったが、30人ともイエローカードで十分と言っていた」と因縁の相手であるマンスホット、そしてOFRを行わなかったナイハイスに不満のコメント。

 

結局 試合翌日にKNVB検察が誤審と認めてレッドカードを取り消したが、De Telegraafの記者 イェルーン・カプタインスが「ナイハイスはVARの状況を映像で見返すようにとの助言を頑なに受け入れなかった」とツィートしてさらに問題が拡大。

 

責任があったのは誰か
KNVB審判責任者 ディック・ファン・エグモントはDe Telegraafの取材に対し「主審とVAR2人の責任。VARは誤審であることを十分明確に伝えず、主審はVARが疑いを持ったのにスクリーンを見に行く必要は無いと判断した。もちろん重大なファールだったというナイハイスの第一印象は想像できる。しかし状況を見返すチャンスがあるなら、見るのは悪いことでは無い」とのみコメント。

 

そしてナイハイスはVeronica Insideのカメラの前でコメント。「VARは『バス、ロートが適切な選択かどうか疑わしい。彼が本当に当たりに行ったようには見えない。解釈はいろいろできるが、私としては疑問を感じる』と言ったんだ。つまり『バス、見に行ってくれ。ロートは間違いでヘールだ。映像を見に行ってくれ』と言われたわけでは無い。ロートかどうか、結局は彼の声には疑いがあったということ。私はピッチ上にいて、実感から100%ロートに見えた。だからVARには確信を持って貰わなければならない」

 

ナイハイス:「今回のケースではVARがもっと支配的であるべきだったが、私としては勉強になるシーン。次回はVARが疑いを表明した時には、私から『見に行くべきかどうか』をもっと明確にするように求める」

 

コミュニケーション問題
今回のケースではレッドカードを提示したのは当然ナイハイスの責任だが、OFRが行われなかったことに対する責任は基本的にはマンスホットにある。KNVBのVARの責任者 レイノルド・ヴィーデマイヤーは毎週日曜のFOXの試合中継後にザイストのリプレイ・センターから出演しており、「VARは明確な誤審のみ介入する」と繰り返し説明している。つまり自分の解釈に拠る『疑い』で介入する訳では無く、ナイハイスの言っていることは全くの正論。一方でファン・エグモントのコメントは明確な線引きができておらず、「VARが疑いを持ったなら主審はスクリーンを見に行くべき」と言っているようにも解釈できる。このコメントが今後試合でOFRの増加という結果を招く可能性もあり、主審たちのリアクションが気になる点だ。

 

マリオ・ファン・デル・エンデが言うように映像から明確だと確信を持てなかったマンスホットの能力に問題があるのは確かだが、それは個人の問題としてとりあえず脇に置き、今回のケース重要なのは主審とVARの信頼関係、コミュニケーションがスムーズであることという良い実例だろう。OFRの実施は主審に決定権があるが、それは当然ながらVARが助言に責任を負わなくて良いという意味では無い。誤審かどうかを明確にしなかったマンスホットの話し方にまず問題があり、ナイハイスにもマンスホットが何を言いたいのかを明確にする努力を怠ったという多少の責任があった。主審とVARの間では予めどういう言い方をするかの意思統一が取れていなければ、音声だけのコミュニケーションで誤解が生まれる可能性は小さくない。エールディヴィジへの導入によってKKディヴィジの主審たちがVARを務める試合も少なくなく、主審とVARの信頼関係構築に常に十分な時間を取れる訳では無いため、VARのトレーニングの段階でコミュニケーションの方法の統一をしっかり行っていく必要がある。


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https://www.voetbalprimeur.nl/nieuws/844122/knvb-roept-eigenwijze-nijhuis-en-var-op-het-matje-dit-gaan-we-zeker-bespreken-.html
https://www.voetbalprimeur.nl/nieuws/844259/nijhuis-pareert-kritiek-dan-moet-ik-wel-overtuigd-worden-door-de-var-.html