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KNVB、『未来の試合』で新ルール5つをテスト

KNVBは5月12日にヴァウデスタインでジュピラー・リーグの昇格クラブフォルトゥナ・シッタルトとオランダでプレーするスリナム系選手たちの合同チーム Suriprofsとの記念試合を開催。ジュピラー・リーグの主導のもと、両チームとFOXの協力を得て、新ルール5つなどを用いた"Wedstrijd van de Toekomst"を行った。

 

この試合でテストされた新ルールは次の5つ:


1. 純粋プレー時間
・試合は30分ハーフの純粋プレー時間によって行われる。
・ボールがピッチから出たり、主審がプレーが止める度に時計は止められる。
・プレー時間の終了には第5審判か自動時計によってブザーが鳴らされる。
・ブザー中にシュートが行われ、ゴールが決まれば得点として勘定される。
・カウントダウン時計はスタディオン内で見ることができる。
・プレー時間管理には第5審判が行う。

 

2. キックイン/ドリブルイン
スローインの代わりにキックインかドリブルイン(選択は選手が行う)。
・キックインはボールがサイドラインに置かれてから5秒以内に行わなければならない。この際、主審は空中で指を曲げてカウントを示す。
・相手選手はなるべく早く5mはなれば無ければならず、ドリブルやパスでのスタートを妨げることはできない。妨げた場合はまず注意、続いてイエローカードを受ける。
・ボールはボールが出た位置に置かれなければならないが、両サイドに1mだけ猶予がある。
オフサイドはキックインには適用されない。
・キックインからの直接ゴールは認められる。
・ボールは制止されなければならない。

 

3. セルフパス
・プレーが止められ、ボールが適切な位置に置かれてから選手は5秒以内なら自分自身にパスすることができる。
・5秒以降はセルフパスの選択肢はもう存在しない。
・5秒以降は直接FKの状況となり、主審が管理する。
・相手選手はなるべく早く5m離れなければならず、ドリブルやパスでのスタートを妨げることはできない。
・直接FKと間接FKの区別はもう適用されず、直接FKだけになる。
・ファールの際に主審はまずセルフパスをさせることを選ぶことができ、その後さらにファールによるイエローカードを与えることができる。
・セルフパスからの直接ゴールは認められる。
・ボールは制止されなければならない。

 

4. 無制限交代
・両チームは無制限に交代を行うことができる。
・交代位置はセンターライン際の第4審判の位置。
・クラシックなルール同様に、選手がまず出なければ代わりの選手が入ることはできない。選手がいつ入って良いかのコントロールは第4審判が行う。
・不正な交代が行われ、入った選手が試合に直接的な影響を与えた場合、イエローカードを受ける。
・不正な交代が行われたとしてもプレーは継続される。次にプレーが止まった際に、主審は注意を行う、または/かつイエローカードを提示する。

 

5. シュートアウト
・試合が引き分けで終わった場合、シュートアウト戦で勝者を決める。
・ゴールから25mの位置でスタートし、得点するために10秒間が与えられる。
・GKはゴールライン上からスタートする。
・分かりやすく言えば、選手が5秒後にシュートし、GKがセーブした場合も、(PK戦の場合とは違い)まだ得点するために5秒残っている。
・ブザーの間にシュートを行うのは、ルールに則った行為であり、ゴールが決まった場合は得点に勘定される。疑わしい場合はVARが助言を行うことができる。両チームが要求することは認められない。
シュートアウトの際にGKがファールを冒した場合は通常のPKとなる。
シュートアウトは通常のプレー時間が終わって引き分けの場合にのみ行われる。通常のプレー時間中は通常のPKが行われる。
シュートアウトの際はゴールかどうかを確認するために1人の審判がゴールライン上に立つ。1人の審判は得点をカウントし、次の選手が適切に行うため(ABBA)にセンターラインに立ち、1人の審判はシュートアウト中併走する。
スタディオン内の全員に目に見える、カウントダウン時計が設置される。

 

https://www.knvb.nl/nieuws/organisatie/berichten/48158/vijf-nieuwe-spelregels-wedstrijd-van-de-toekomst

 

試合ではその他にも主審 ロブ・ディープリンクが頭部にマイク付きカメラ"refcam"を装着。中継で随時主審からの映像で選手やVARとの会話も公開されるなど、放送上の試みもいくつかテストされた。


REF CAM | Fortuna Sittard - Suriprofs

 

試合は後半ややローテンポになるもSuriprofsが2-5で快勝。残念ながらシュートアウトは行われなかったが、新ルールの中でも予想通りキックイン/ドリブルインとセルフパスの効果は絶大であり、プレーのテンポアップに大きく貢献していた。ただコーナエリア付近のキックインがゴール前に選手が集まったコーナーキックのようになるケースなど、状況によっては逆効果になるシーンも無くはなかった。しかし細かい周辺ルールに配慮すれば導入は比較的かなり容易であり、スローインのストレスが無くなる心理的効果も絶大なため、KNVBも最も期待している部分だろう。

 

純粋プレー時間により前半はほぼ30分ハーフが45分間で終了。後半は怪我人の治療もあり50分間に延びた。想定の範囲内に収まっているが、試合時間がどの程度延びるかはかなり多くのデータが必要になることと、それ以上に第5審判という、所謂タイムキーパー前提のルールになるために導入のハードルは極めて高い。

 

https://www.foxsports.nl/nieuws/artikel/2880851/suriprofs-wint-wedstrijd-van-toekomst-van-fortuna