Mijn Feyenoord

Feyenoordを中心にNederlands voetbalを追いかける

2017年夏の移籍市場だいたいのまとめ

この夏はKNVBの管轄で648件の移籍が行われ、2016年夏より65件(11%)の増加。232選手が国外に移り、167選手が国内に。249選手が国内でクラブを替えた。最終日の移籍件数は80件で昨年の52件より大きく増加。

 

ADO Den Haag

注目されたフルーネンダイクが無事に契約を延長後、ワング退陣でようやくUWVとの関係が落ち着いて補強を実施。セトクス、マローン、トリブル、ケヴィン・ヤンセン、カスタネール、ハーフェナールが去り、補強はGKの控えにコーレマンスとフロートハイゼン、DF陣にバス・カイパースとニック・カイパース、中盤にインマルスが帰還し、エル・カヤティの買い取りに成功。前線は新スピッツにビヨルン・ヨンセンとファルケンブルフ、さらに最終日にキスナのレンタルに成功するサプライズも。エールディヴィジはサブトップ相手にたった1得点で3連敗と厳しいスタートだが、下位相手の対戦が多いここからの2ヵ月でどうなるかが今シーズンもどこまで苦しむことになるかの大きなポイントに。

 

Ajax

クラーセンを27milで売り、トラオレがレンタルバック。他に出場機会を失ったリーデワルトとテーテを悪くない額で売ったが、最大のインパクトは昨シーズン規格外のパフォーマンスを見せていたサンチェスの40mil移籍だろう。この夏も高額の収入を得た一方で補強も例のごとく控え目でオーストリア人CB ヴェーバーとコロンビア人右バック Orejuelaに10mil超をかけた程度で、探し続けた左バックは得られず、最終日にケープタウンから2人加えた他はヘーレンフェーンからトップデビュー前のデニス・ヨンセンに前代未聞の2,4mil投資をしたのと唐突にシーム・デ・ヨングを買い戻したのがサプライズという程度と、相変わらず銀行の金庫にお金を貯め続ける一方でピッチ上はボスの後任に就いたマルセル・カイザーが手腕を見せられないまま欧州戦予選に敗退ではテクニカル・ハートの機能自体に疑問が持たれるのも当然の流れ。サンチェスが抜けたことで守備面の脆さがさらに悪化するなど相変わらず問題は山積みだが、フリー移籍で戻ったフンテラールとドルベルフのプランBが機能していることでプランAとの入れ替えもあるか。

 

AZ

ハプスとルカッセン、マティアス・ヨハンソンがステップアップし、クルルがレンタルバックでロシェットも売却した他、タンコヴィッチ、リーンストラ、vdリンデンと出場機会を失った選手たちをそれぞれ整理。ELが無いことで補強は控え目にし、新GKにビゾット、右バックの控えにファン・ライン(レンタル)、新コントローラーにヴェイノヴィッチ(レンタル)を加えた他、中盤にノルウェーのミチョーを獲得。クラブポリシー通りにアウエヤン、ティル、ステングスらユースのタレントたちにチャンスを与え、「より魅力的なフットボール」をシーズンの目標に掲げたが初戦の開始数分でそのキープレイヤーであるステングスがシーズン終了の重傷を負う悲劇に見舞われてしまった。それでも第3節のフィテッセ-uitはマッツ・スーンチェンスを偽の右バイテンに起用してその穴を埋めて、「より魅力的なフットボール」を披露しての見事な勝利。奥のスペースへと良く動くチームメイトを得てヴェイノヴィッチのパスが冴え渡っており、それによってヴェフホルストがスペースを得られてゴール量産の好循環も。ヴェイノヴィッチとヴェフホルストを長く欠く事故さえ起きなければ安定して良いフットボールと良い結果を得られる期待は高いが、タレントたちをさらにブレイクさせながら再び欧州へのチケットを得られるかどうか。

 

Excelsior

奇跡の3年連続残留からvdハーフが留任してようやく継続路線が生まれるも、例のごとく主力が数多く去る夏。守備面はハーン、クルトー、バス・カイパース、ヘンリコ・ドロスト、デ・ヴァイス、攻撃面もパンティッチ、ハッセルバインク、リベイロとスタメン組が軒並みクラブを去った。補強は新GKにアイスランドのクリスティンソンとズワルトフートを市場の終盤にようやく獲得。CBにフェース(レンタル)とデ・ヴァイス(レンタル)、両バックにペインとブルネット、中盤にカネペールとアメリカのオナイル、スピッツにエル・アズジ(レンタル)を獲得。例のごとく明らかに戦力不足ながら、第1節で残留争いのライバル ヴィレムIIを破って1勝1分け1敗の好スタート。チームに前進力を与えていたハッセルバインクの穴が大きく、個人の力に頼ったカウンターは困難になったが、コールワイク、ブラインス、、メサウドらベテランがフィットしてチームを牽引できれば面白いフットボールに。カネペールもエールディヴィジでのブレイクの予感を漂わせており、4年連続残留という厳しい戦いに怯まずに挑めるムード。

 

Feyenoord

カイトが引退した後、エリアが移籍。そこからカルスドルプ(14mil)、コンゴロ(15mil)を高額で売却した返す刀でシン・ジュステ(4,8mil)、ハプス(6mil)、アムラバト(4mil)、さらにサム・ラーソン(7mil)とサブトップの有力選手に資金をつぎ込み、さらにジョーンスと契約延長、ボエチウスの買い戻しとベルフハイス(6,5mil)の買い取りも成功し、右バックのニューコープの競争相手にディクスをレンタルと、なかなか補強が進まないライバルを尻目に、収入でも支出でも共にクラブ史上最高額を記録して間違いなくオランダでは質、両共にずば抜けた隙の無いセレクションが完成させた。特筆すべきは全く騒々しさを感じさせず、落ち着いた雰囲気でシーズンスタートを迎えたこと。これはディレクター陣の功績だろう。ティートルの大本命として今シーズンを迎えているのは誰の目にも明らかだが、ファン・ヘールの野望はクラブ史上2回目の2年連続のランズティートルだけではないはずで、久々のCLの大舞台でクラブ・ブランドを高めるための大きな投資だろう。JCスハールをPK戦で制し、エールディヴィジは楽な日程を安定した内容で3連勝スタート。ライバルのPSVアヤックスが欧州戦が無いシーズンという状況は確かに厳しさもあるが、ファン・ブロンクホルストがどう上手くやり繰りして各コンペティションを戦っていくかが注目。

 

FC Groningen

出場機会を失ったティブリングと期待外れに終わったセルロートが去り、リンセンがフィテッセにステップアップ。移籍の可能性が濃厚だったパトとマヒーに結局具体的な動きが無く終わったのが最大の補強だろうが、他には控えGKにベジュワ、DF陣にトッド・ケイン(レンタル)、テ・ヴィーリクとワルメルダム、中盤にドーアン(レンタル)、FW陣にフェルトワイクとアントゥナ(レンタル)を獲得。エールディヴィジはサブトップ以上を相手に1勝1分け1敗とまずまずのスタート。今のところナイラントが求める魅力的なフットボールにはなっておらず、相変わらずカウンターで効率良くゴールを決めて結果を手にするスタイル。まだ出場の無いアントゥナが加わった時に3スピッツの可能性もあり、今後どう変化するか。

 

FC Twente

モコチョ、クリシ、アンダーセンが移籍し、ウナルらManCity組もレンタルバックでチームの中心軸が抜け、補強はGK ブロンデール、DF トーマス・ラム、左バック クヴァス、MF ホラ、リーンドル、FW陣にブーレ、クファシーナ、ティガドゥイニ、Buckley-Rickettsと獲得。ManCityからのレンタルはBuckley-Rickettsだけと移籍ポリシーが一旦落ち着いた感はあるが、補強の半分が各クラブからのレンタルと状況はそれほど変わっていない感も。エールディヴィジはほとんど良いところが無く3連敗で、ハーケへの反感が選手、スタッフ内で高まっているという報道が出るほどの内容。相変わらず残留以外に大きな目標が無いシーズンだが、負のスパイラルに陥れば今シーズンは長く残留争いを強いられる可能性も。

 

sc Heerenveen

ムルデル、マルゾ、シン・ジュステ、ファン・アーケン、バイケルと後方が総入れ替え。中盤と前線もナムリ、スラフフェールに遂にサム・ラーソンが去り、一方でユトレヒト行きを熱望していたフェールマンは手放さず。補強は新GKに迎えたハーンの怪我でハンソンをレンタル。問題のDF陣は両バックにドゥムフリースとヴァウデンベルフ、CBにドイツのヘーフとノルウェーのネスを獲得。さらにバイテンスペーラーにニュージーランドロハスとセルヴィアのミハイロヴィッチと必要最小限の補強。ユースのトップタレント デニス・ヨンセンがデビュー前にあっさり移籍したものの、ピーリがCBでチャンスを掴んで好パフォーマンスを披露。新戦力もドゥムフリースが苦も無く適応して結果を残し、エールディヴィジは1勝2分けスタート。特に新システムで10番に収まったトルスビーが突然ゴールを量産しているが、さすがにこの調子は続かないだろう。まだインパクトの薄い左サイドでヴァウデンベルフと新バイテンスペーラーが台頭できるかどうか。

 

Heracles Almelo

安定した中位クラブとして成長を続けており、この夏はジュスティン・ホーフマがドイツクラブに早々に引き抜かれ、テ・ヴィーリクとホーセンスも移籍しフレデールスが引退とDF陣が多く移動。それ以外ではなかなか移籍先が見つからなかったアルメンテーロスが市場の終盤でようやく売れた程度でほとんど主力流出は無く、補強はDF陣にドリース・ヴァイテンス、ダリオvdバイス、ファン・ヒントゥム、ハルデフェルトと堅実な補強。プレシーズンで試行錯誤した中盤はキャプテンのペルペシーにニーマイヤーとファン・オーイェンで落ち着き、バックアッパーにモンテイロとドイツのJakubiakを獲得。前線も圧倒的な存在になりつつあるクヴァスと再レンタルしたフラドンを軸に戦力を維持。第1節でいきなり020を破って1勝2分けの好スタート。今シーズンも残留争いに巻き込まれること無く安定したシーズンを送れそうなムードに。

 

NAC Breda

入れ替え戦を制しての待望の昇格1年目。昨シーズンに続いてManCityとの提携を活かし実に6人をレンタル、1人を購入と大胆なクラブポリシーが話題を呼んだが、3節を終えて10失点で1分け2敗スタート。厳しい対戦相手だったのも事実だが、第3節のスパルタ-thuisで勝ちきれなかったことで初勝利は大きく遠のいたはず。ManCity組ではアンジェリーニョとマヌ・ガルシアが力を見せてはいるが、まだチームにはなっておらず、移籍市場の終盤にエネフォルセンをサプライズ獲得。しかし残留争いの中でManCity組がどれだけ活躍するかに大きく左右されるのは間違いなく、長期的なポリシーとしてこのやり方が適切かも当然大きく問われるシーズンになるだろう。

 

PEC Zwolle

苦しんだ昨シーズンからホラ、ワルメルダム、ブロク・マーツェン、ブイー、メニフ、vdパーフェルトら主力が去り、期待外れに終わった余剰戦力も大規模に整理。補強はGKに出戻りのブール、左バックにコッペルス、ブイーの後任のフットボールができるCB役にエリック・バッケル、ホラの穴埋めにナムリ、新スピッツにパルツィゼクの他、アルゼンチン人DF Freireをレンタルし、オンダーンを獲得と必要最小限の少数精鋭補強。エールディヴィジは現時点の下位チーム相手に2勝1分けの好スタートを切り、内容もフレッシュな印象でオランダ復帰のファン・スヒップに期待が持てる出だし。サンドラーが成長を見せ、モクタール、サイマクのモロッコ・コンビが好調でファン・ポーレンがチームを牽引するなど良い循環が生まれており、この流れを維持できれば今シーズンは残留争いに苦しむこと無くリンカーライチェを狙える可能性も。

 

PSV

失望のシーズンからモレーノとグアルダードのメキシコ人コンビが去り、ヴィレムスとプロッペルを売却。EL予選であっさり敗退する失望のシーズンスタートの中、『オファー次第で放出』だったズート、アリアス、ルーク・デ・ヨングには条件を満たすオファーが来ずに結果的にズルズルとした残留でモチベーションが上がるかどうか。8mil投資のロザーノが攻撃面でチームに勢いを与え、三度レンタル加入でキャプテンマークを巻くファン・ヒンケルが得点力を見せてエールディヴィジでは久々に攻撃的な印象を与えているが、相変わらずチャンスの多さに比べてゴールが少なく、3連勝も厳しいブーイングを受ける内容。他に目立った動きは第2GKにフィテッセからロームとパスフェールを交換、AZからルカッセンを獲得した程度でマヘルが売れ残り、移籍直前でルーク・デ・ヨングの交渉を相手からストップされるなど、血の入れ替えが思ったほど進まなかったというのが率直な結論だろう。コクーにもプレッシャーが高まっているが、ユースから上がってベンチに並んでいるタレントたちにチャンスを与えつつ国内で結果を見せられるかどうか。

 

Roda JC Kerkrade

コロタエフ拘留によって株式売却と資金注入の取り引きが止まり、昨冬からのゴタゴタは外見上一応収まったようには見えつつも補強資金に苦労した夏。それでも新たにTDに就任したファン・フェルトホーフェンのもとで安い外国人選手を集めて全く収集の付かない状況を脱し、GK ユルユス、DF ファンステーンキステ、MF グスタフソン、FW ファンカンプとオランダとベルギーで主な補強。まずは冬にみんなで言語の勉強をする必要が無い状況にするのが目標。

 

Sparta Rotterdam

低調だった昨シーズンからドゥムフリース、ダイクストラ、カレーロ、カブラル、プシッチが移籍。最大のインパクトはファン・ドロンゲレンが3milでHSVに売れたことだろう。補強資金を得たのは良いものの、DFラインのスタメンを2人失ってパストールの「人工芝を理由に何人も断られた」発言が出るほど苦しむ夏に。DFラインはサンデル・フィッシェル、右バック フレデリク・ホルスト(22)と左バック ニコラス・マルフェルト(22)と2人の若手デンマーク人を加えて数を揃えたが、中盤はドイツの者ボッと、スペインのバンボック、イングランドのドブソンと国外から補強してファンの反感を買う流れに。新スピッツにもスロヴェニアのフォラスを加えたが、唯一歓迎された補強のミューレン同様にまだ大きな印象は残せておらず、NAC戦では途中出場のアシェが2得点でインパクトを与えるなど、「ベンチのスパルタンにチャンスを与えろ」という声は今後も続くだろう。戦力的にはかなり厳しい残留争いになるはず。

 

FC Utrecht

ブラマ、アムラバト、バラジテ、ハレルとキープレイヤーが去ったが、野望に燃えるテン・ハフのもとでEL予選に向けて早めに積極的な補強を実行。DF陣にドゥミッチ、中盤にエマヌエルソンとカーリ、vdストレーク、レンタルのMatty Willockを加え、攻撃陣はデッセルス、マルキノク、オーチクを獲得。さらにマルキノクが怪我で長期離脱を受けてゲルトラーを加え、バヘベックをレンタル。EL予選は奮戦も格上との対戦で敗れたが、仕上がりが早いこともあってエールディヴィジでは良い内容で2勝1敗スタート。アユプの残留は大きく、ドゥミッチとエマヌエルソンも強力な補強。「トップ・ドリーに割って入れる」という楽観的な声が出るほどフットボールも良いモノを見せているが、昨シーズンと同レベルかさらに上を目指すにはFW陣がまだ期待に応えられているとは言い難く、ハードルは高いがハレルを忘れさせることができるだけの新戦力台頭があるかどうか。

 

Vitesse

ベーカーを獲ってELグループステージが待つシーズン。ベイカーがレンタルバック、ナカンバが移籍で中盤のキープレイヤーを失い、さらにファン・ヴォルフスヴィンケルがあっさり移籍する大きなショックがあったものの、中盤にブルーンスとセレーロ、前線にマタフスとリンセン、さらにカスタイニョスを獲得し、ロームに代わる新GKにパスフェールも獲得。さらに例のごとくChelsea組も4人をレンタルしたが、セレーロやリンセン、マタフスら新戦力が力を示す一方で、ここまでChelsea組唯一のスタメンの右バック ダボが悲劇的なパフォーマンスという対照的な内容。欧州ではノーチャンスだろうが、国内では充実した戦力のはずであり、サブトップでどれだけ存在感を示せるか。

 

VVV-Venlo

3年計画でチームを作り上げ、見事にジュピラー・リーグを制しての昇格シーズン。それほどセレクションを入れ替えずに継続路線で臨む方針で落ち着いた夏を過ごしたが、その中でも過去にジュピラー・リーグで活躍していたティスダリ、ラルフ・スーンチェンスと別タイプのスピッツ レナート・ティ、PSVからCB ファン・ブルヘン、国外トップクラブからスピッツ アメニドとミンク・ペータースをそれぞれレンタル。新GKにドイツ人のウネスタル、左バックに念願のラビレ獲得と駒の足りないポジションを手堅く補強して小セレクションながらNACとは異なるクリエイティヴな手法で戦力アップに成功。エールディヴィジではスパルタとトゥエンテを下して2勝1敗スタートと望外の出だし。驚くほど低品質なデ・クールの人工芝にはどのクラブも苦しむはずで、これをアドバンテージにできれば残留への道は拓けるだろう。

 

Willem II

この出入りが多くマタイセンの多忙な夏に。ランプルー、ドリース・ワイテンス、ペレ・ファン・アーンホルト、オーヨ、カーリ、コッペルス、ファルケンブルフ、ウラーレらが去り、新GKにドイツのヴェレンロイテル、DF陣にフェルナンド・ルイスとvdリンデン(レンタル)、ギリシアのツィミカス(レンタル)、中盤にベン・リーンストラ(レンタル)、クラウリー、チリヴェラ(レンタル)、前線にはベルギーのアザウィ(レンタル)とセネガルのクリバリー、エル・ハンクーリ(レンタル)を獲得。エールディヴィジは初戦エクセルシオールに敗れて1得点9失点で3連敗と厳しいスタート。ソルが残留し、中盤にクリエイティヴな選手を迎えたことで良い内容のフットボールを期待したいところだが、ここまではチームが完成するまで長過ぎる道のりを感じさせる内容であり、次のヴィレムII-thuisとローダ-uitも落とせば当分残留争いが続くはずで、最下位降格の有力候補に挙げる声も。